痛みと快楽の境界は曖昧で、感じ方によって変化する。

つまり触覚は一系統の神経系統で成り立っている。

視覚や聴覚も「感じる」という点では同じであり、元は同じような神経の仕組みである。


話は変わるが、快適とは何であろうか。

たとえば全く刺激のない空間を提供すると、人はどうなるだろうか・

光を遮断し、音を遮断し、体を柔らかい綿で包んで数時間そのままでおく。


すると人はほんの数時間で発狂する。

外的刺激(ストレス)がないことに耐えられないのである。


逆に現代社会のようにやらなければならないことが多く、刺激的な快楽がたくさんある世界。

やはり人はそのようなところでは精神を正しく保つことはできない。


仕事のストレスを別の強い刺激を受けることで和らげている人は多い。

これに疲れると急に「田舎暮らしがしたい」などと言い始めて、無人島で暮らすことを夢見たりする。

そして本当に田舎暮らしを始めたら、「やっぱり田舎暮らしは不便で、自分には合わなかった」などと後悔したりする。


外から受ける刺激を自分で制御できたら、人の体は柔らかいまま、健康に長生きできる。