以前にも述べたことがあるが、痛みと快楽は同一の神経で感じている。
刺激が強すぎれば痛いのだが、一定の弱めの強度の刺激は心地よく感じる。
同じ仕組みで「くすぐったい」も感じている。
だから「心地よい痛み」などというおかしな現象を人は感じるのだ。
満腹もそうだし、性的快楽もそう。
痛みと快楽はその境目が曖昧である。
性的絶頂にあたっては、その刺激によって脳細胞の幾らかが死滅するという。
脳が快楽と感じながら、その本質は痛みなのである。
マゾヒズムと呼ばれる倒錯した性的嗜好がある。
私は「倒錯した性的嗜好」と表現したが、上記のような人の神経系統の仕組みから考えれば、異常とはいえない。
快楽を受けすぎるのは、強い痛みを繰り返し受けたのと同じである。
脳細胞が死に、体が硬直する。
つまり快楽を求める者は、死に近づくいていく者である。