日本が誇る大賢者。それは二宮尊徳翁であろう。

二宮尊徳翁といえば、報徳仕法である。

 

相馬藩の過去180年に亘る年貢の収納を調査し、それから60年先までの分度を定めた。

これにより相馬藩の財政は持ち直し、この仕法が村に採用されて、いくつかの村の財政も再建したという。

今では表計算ソフトがあるので、この程度の計算は一瞬だ。

だが当時はそろばんと紙しかなかった。

そもそも過去180年分の年貢の収納高を調査すること自体、とても大変なことである。

これを担ったのが尊徳翁の弟子たちだった。

そろばんと紙と筆だけで60年先までの財政計画を立てたのである。

もしこれを尊徳翁が一人で行ったのならば、一体どれほどの時間を要したであろう。

人生の時間が足りずに、報徳仕法を完成させることなく世を去ってしまったかもしれない。

 

あなたは信頼する人が多くいて、あなたが目指したいものが明確であれば、必ず人々があなたのために働いてくれる。

人生の時間は有限であるが、あなたを助けてくれる人の働きによって、あなたの仕事はより早く完成する。

外部の力を使って、口先だけで大きな事を成す。

これが賢者の境地である。