横溝正史先生の誕生日に片岡千恵蔵御大と高倉健さんの金田一耕助を観るのだ。 | しんげキ(回路R 森本勝海)の「これでいいのだ!」

横溝正史先生の誕生日に片岡千恵蔵御大と高倉健さんの金田一耕助を観るのだ。

まいど!おいど!
SRI演芸協会所属のしん劇こと、ミステリー専門劇団回路R副団長森本勝海です!

本日5月24日は、横溝正史の誕生日。

横溝正史先生のお誕生日ということで、以前録画した映画を観ることにしよう。

片岡千恵蔵御大が金田一耕助を演じる「獄門島」(1949年)と、高倉健さんが金田一を演じる「悪魔の手毬唄」(1961年)だ!


千恵蔵御大の「獄門島」は、「ごくもんじま」と読みます。

千恵蔵御大は嘉右衛門と金田一の2役を演じます。
なんと見立て殺人はありません!
千恵蔵金田一、原作通り清水巡査に牢屋送りに(笑)
美しい助手、白木静子が大活躍!(BiSHのハシヤスメアツコ似)

脚本は「多羅尾伴内」シリーズの比佐芳武氏。
横溝正史氏の「新説金田一耕助」によると、比佐氏が書いた千恵蔵金田一シリーズは、原作を読んでいる観客でもあっといわせてみせると、真犯人はすべて原作とは異なっている、らしい。

真犯人を暴くとき、金田一映画史上最大の馬鹿笑いが!

これはこれであり!


続いて健さんの「悪魔の手毬唄」。

冒頭いきなり売れっ子歌手の大空ゆかり(に相当する役)が殺される!
サングラスをかけた健さん金田一が颯爽とスポーツカーで登場!

このあとびっくりするほど原作とは異なる展開に!

脚本は若山富三郎親分の人形佐七シリーズ(おお、これも横溝正史原作だ)の、結束信二氏。

こんなコメントあります。

「確かこれは誰かが一度書いたシナリオが渡辺邦男監督の気に入らなくて、急遽、ぼくが東京に呼ばれて、急いで新たにシナリオを書かされた記憶があります。で、考えてみれば失礼な話ですが、もう時効だと思いますので正直に書きますと、ぼくは横溝さんの原作を読まないで、いわばオリジナル・シナリオ『悪魔の手毬唄』を書いてしまったわけです」
(『野生時代』'76年11月号)

ちなみに渡辺邦男監督は、千恵蔵御大の「犬神家の謎 悪魔は踊る」(原作はもちろん、犬神家の一族)も撮ってるんですが、この「犬神家」の脚本は、千恵蔵シリーズの中で唯一、比佐芳武氏じゃなくて、高岩肇氏なので、原作に忠実だそうです(笑)

余談ですが、高岩氏は「パレットナイフの殺人」(原作は江戸川乱歩の心理試験)、「蝶々失踪事件」(原作は横溝正史の蝶々殺人事件)、「氷柱の美女」(原作は乱歩の吸血鬼)、「虹男」(原作は角田喜久雄)、「わが一高時代の犯罪」(原作は高木彬光)、「猫は知っていた」(原作は仁木悦子)、「眼の壁」(原作は松本清張)… 
と、ミステリー好きにはたまらない作品を手掛けていて、この中だと、「蝶々」をビデオで、「虹男」をTVで、「眼の壁」を映画館で観てます。
ほかの作品もめちゃめちゃ観たいぞ!


横溝正史先生と言えば、金田一耕助と並ぶもう一人の名探偵、由利麟太郎(通称、由利先生)がいます。

TVドラマ化「探偵・由利麟太郎」がいよいよ6月スタート!(全5話だけど)

第1話「花髑髏」
第2話「憑かれた女」
第3話「殺しのピンヒール(原作「銀色の舞踏靴」)」
第4話・第5話「マーダー・バタフライ 前編・後編(原作「蝶々殺人事件」)」


なんかね、BGMがうちの劇団(回路R)が好んで使う音楽に似てて嬉しい!(笑)

以前土曜ワイド劇場でドラマ化された「蝶々殺人事件」は、かなり原作と雰囲気が違ってたけど、今回はどうなんだろう?

由利先生シリーズがきちんとドラマ化されるのはいいですね。
「真珠郞」は3回ドラマ化されてるけど、探偵役を金田一耕助に変更されてたし、「仮面劇場」も、金田一耕助でドラマ化されてた。

これを機に「真珠郞」「仮面劇場」あと長編だと「夜光虫」も由利先生でドラマ化しないかなぁ。

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