こんにちは!
薬剤科です
皆さんは病院やクリニックで「漢方薬」を処方されたことがありますか?
最近では、風邪をひいたときやお腹が痛いとき、
胃がムカムカするときなど様々な場面で漢方薬が処方されることがあります。
しかしながら、漢方薬はどんな薬なのか知らない方が多いと思います。
今回は大まかに漢方薬について解説したいと思います。
① 漢方薬の歴史
中国から伝来した中国伝統医学が、日本独自の発展を遂げた医学です。
江戸時代中期にオランダ(阿蘭陀)から伝来した「蘭学」と区別するため
「漢方」と呼称するようになりました。
② 漢方薬の構成
自然界に存在する植物・動物・鉱物の薬となる部位に様々な加工を施したものを「生薬」と呼び、
生薬を組み合わせたものが漢方薬(方剤)となります。
③ 漢方医学の考え方
人間が元来持ち合わせている自然治癒力を高めることを目的としています。
検査に表れにくい症状(冷え症・虚弱体質・更年期障害 等)を心身両面から体質改善することや、
まだ病気として発症していない段階(未病)を治すことが漢方医学の考え方です。
④ 漢方薬の形状
1. 「湯剤」
土瓶などに生薬と水を入れて加熱し、生薬の成分を抽出した「煎じ薬」です。
2~4回に分服します。香りや味からも薬効が期待できます。
写真は生薬を分量通り分けてパックする工程を行っています。
2. 「散剤」
生薬を粉末にして混合したものです。湯剤と比較して持ち運びに適しています。
生薬を粉末にしているので香りや味からも薬効を期待できます。
3. 「丸剤」
散剤に蜂蜜などを加えて丸く固めたものです。
散剤の味や粉っぽさがなくなり飲みやすくしたものです。
味や粉薬が苦手な人も飲みやすいのが特徴です。
4. 「エキス剤」
「湯剤」「散剤」「丸剤」として服用されていた漢方薬の構成生薬からエキスを抽出し、
水分を乾燥させ乾燥エキスとしたものです。錠剤・カプセル剤・顆粒剤 等に加工したものです。
乾燥させたエキス製剤のため長期保存が可能となり上記3種類より形態が簡便になりました。
一般的にはエキス剤を採用している病院や薬局が多く、当院もエキス剤を採用しています。
とても簡単にですが「漢方薬」について紹介してみました。
西洋薬とは異なった成り立ちをしていますが、現代医学でも活躍している漢方薬です。
少しでも漢方薬に興味や関心を持って頂ければ幸いです。
(薬剤科)