老健「ライフサポートねりま」から原著論文発信 | 大泉学園複合施設オフィシャルブログ

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私達の老健「ライフサポートねりま」から日本リハビリテーション医学会誌 『The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine』の第61巻5号に原著論文がアクセプトされました。

 

 

老人施設から Jpn J Rehabil Medへのアクセプトはとても稀なことだと思います。 論文タイトルは、介護老人保健施設入所者における食堂の座席での反復起立テストと日常歩行,バランス機能,歩行耐久性の関係」 Assessing Correlations among Repetitive Standing Test on a Dining Room Seat, Daily Walking, Balance Function, and Walking Endurance in Geriatric Health Services Facility Residentsです。 

 

理学療法士(PT)主任の大村優慈さんが中心となり、一緒に企画して、脇島克介PTと小笠原尚和PTと協力してまとめました。 その要旨を示します。 目的は、老健入所者の食堂の座席での反復起立テスト(食席起立テスト)と日常歩行,バランス機能,歩行耐久性の関係を明らかにすることです。  方法は、老健入所者86名をFIMの歩行で車いす群, 介助群, 修正自立群,自立群に分けて、食席起立テストを比較しました。連続する群間に有意差があった場合はカットオフ値を求めました。また、食席起立テストとBBS,6分間歩行距離(6MD)の相関を求めました。  結果は、食席起立テストは車いす群より介助群,介助群より修正自立群で高値であり,カットオフ値はそれぞれ5回と20回でした。また,食席起立テストはBBS,6MDと強い正の相関がありました。  結論は、老健入所者の食席起立テストはバランス機能,歩行耐久性と関連し,5回が介助歩行,20回が修正自立歩行の目安になることがわかりました。 

 

これは、歩行を維持するために、とても有益な目安です。立ち上がり動作が5回以上できる方は介助歩行が可能になり、20回以上できる方は歩行が自分一人で可能になります。 このため、当院では回復期退院後や老健退所後の皆さんに、自宅で立ち上がり訓練を毎日連続30-50回x3回継続して頂いています。これが継続できている方は、転倒骨折を起こしません。宜しければ、皆さん参考にされてください。  

 

文責 ライフサポートねりま管理者 酒向正春