こんにちは。老健摂食嚥下チームです
老健嚥下チームでは毎月1回職員へ向けて嚥下に関わる勉強会の発信を行っています。
3月は『口腔体操』がテーマでした。
なぜ口腔体操を行うのか。
それは、噛むことで脳を刺激し、認知症予防・認知症の進行を予防するためでもありますが、
第一は安全に「食べる」ために行います。
口腔体操を行うことで、唾液の分泌促進や誤嚥時の咳反射の向上を目的としています。
噛む力・飲み込み・唾液は食べる上で重要な役割を担っています。
それぞれの機能が低下してくると、認知症になったり、認知症が進行してしまう事があります。
また、体力がなくなり、病気になりやすくなります。
誤嚥性肺炎になり、死に至る事もあります。
それらを予防する事が安全に食べることになるのです。
口腔体操を行う一番良いタイミングは、食事の前です。
まず深呼吸を行います。
深呼吸には筋肉の緊張をとき、気持ちをリラックスさせる効果があります。
首・肩のストレッチは、飲み込む時に使う筋肉をほぐす効果があります。
咳練習は、万が一誤嚥した時に、しっかりむせるために行います。
やりすぎると喉を痛めるので2~3回程度行う様にして下さい。
ここからは、口腔体操の一部を紹介します。
まずは「あいうべ体操」です。
あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸に改善していく事を目的に考案された口の体操です。
口呼吸によって口腔内に雑菌が繁殖しやすくなると、口臭も強くなります。
次は、「パタカラ体操」です。
噛む、飲み込む力を支える為のトレーニングを嚥下訓練、
言葉を発声するトレーニングを構音(こうおん)訓練といいます。
食べ物を噛んで飲み込むには、言葉を発するのと同じ舌と唇の筋肉を使うので、
嚥下の訓練にも構音訓練を利用します。
次は、「にらめっこ体操」で、頬を膨らます体操です。
頬に空気を溜めて膨らませるため、肺機能の強化になります。
また、口から鼻の通路を閉鎖する機能を高め、食物の鼻への逆流を防ぎます。
誤嚥の危険性を減らすことにもつながります。
最後に深呼吸をします。
ご家庭でも容易に行えますので、ぜひやってみてください