ADLとはなにか?日常生活の自立度の目安です! | 大泉学園複合施設オフィシャルブログ

大泉学園複合施設オフィシャルブログ

大泉学園複合施設は、練馬区の地域包括ケアモデルの中核を担うことを目指した病院・施設です。

こんにちは!看護部です!病院

 

今回は当ブログでしばしば出てくる、ADL(エーディーエル)という言葉について、ご説明します。

 

ADLは、英語のActivities of Daily Livingの頭文字をとった略称で、日常生活の動作という意味です。

医療・介護・福祉分野では、日常生活のさまざまな動作の一つ一つについて、それぞれどの程度行えるのか、もしくは介助が必要なのかということを判断したうえで、必要な治療、リハビリテーションや介護保険サービス等を提供していくことになります。

ADLはいくつかの評価尺度があり、それぞれ参考にする動作も少しずつ異なりますが、

当院では全職種共通での評価尺度として、FIM(Functional Independence Measure: 機能的自立度評価法)というものを用いています。

 

FIMの評価項目は以下となっています。

○運動項目(13項目)
セルフケア
(1)食事、(2)整容、(3)清拭、(4)更衣上半身、(5)更衣下半身、(6)トイレ動作

排泄コントロール
(7)排尿管理、(8)排便管理

移乗
(9)ベッド・椅子・車椅子移乗、(10)トイレ移乗、(11)浴槽・シャワー移乗

移動
(12)歩行・車椅子、(13)階段


●認知項目(5項目)
コミュニケーション
(14)理解、(15)表出

社会的認知
(16)社会的交流、(17)問題解決、(18)記憶

 

計18の評価項目をそれぞれ1点から7点で評価し、点数が低いほど介助量が多いということになります。

最低は18点(ALL1点)最高は126点(ALL7点)となります。

ADLにはできるADL(リハビリ訓練中に可能な動作)しているADL(病棟や日常生活で行っている動作)の2種類がありますが、FIMでは「しているADL」を評価します。

これは、しているADL」には周囲の環境や介助者の能力、本人のやる気や体力等といった要素が含まれるため、実際の日常生活での動作能力をより反映しているからです。

よって、実際に自宅に退院できるかどうかを考えるときは、FIMを元に必要な介助量と家族の介護負担を推定していきます。

 

当院では、ADLと発症からの経過、予後経過、残存している症状や障害、本人や家族の希望、財政状況、利用できる医療福祉介護サービス等、様々な要素を勘案し、可能な限り個別に合わせた最善の治療と退院支援を行っていけるように、多職種連携を行っています。