こんにちは!看護部です。
今回は、私が今まで、患者さんやご家族様から質問をお受けすることが多かった「誤飲」と「誤嚥」の違いと、それぞれについて、2回に分けてお話します。
◇「誤飲(ごいん)」と「誤嚥(ごえん)」◇
誤飲:食べ物や飲み物ではないものを(誤って)飲み込んでしまうこと
誤嚥:食べ物や飲み物、唾が食道ではなく気管に入ってしまうこと
すごく簡単に言ってしまえば、飲食物以外のものを飲み込むことを誤飲、飲食物や唾が気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。
今回は主に誤飲のお話をしていきます。
誤飲は、分別のつかない乳幼児に起こりえます。(高齢の方が食べ物でないものを食べてしまうことは異食症といわれます。)
例えば、「赤ちゃんがたばこの吸い殻を食べてしまった」というのは誤飲になります。
誤飲の場合、飲み込んだものにもよりますが、以下のようなことが起こりえます。(あくまで発生頻度が高いというだけで必ず発生するものではありません)
窒息
鋭利なもの:気管や消化管の損傷
おむつ等の吸水材など:腸閉塞
洗剤・入浴剤・灯油・煙草など:中毒
もしも、お家でお子さんが誤飲してしまった場合、まず大事なのは「窒息していないか確認」し、「何を飲み込んでしまったのか」を判断することです。
「とにかく吐かせたほうがいい」や「牛乳を飲ませればいい」といった話を耳にされたことがある方もいらっしゃるかとは思いますが、
実際は、「吐かせてはいけないもの」や「飲ませてはいけないもの」というものもあります。
というのは、「吐かせたことで喉に刺さる」場合や「他の飲み物を飲んだことで吸収が促進され急性中毒に至りやすくなる」場合があるためです。
なので、お子さんが誤飲してしまった場合は、速やかに「しかるべき医療機関にかかること」が必要となります。
連絡先は119以外にも、
かかりつけの小児科
#8000(全地域(一部時間帯のみ)/子ども医療電話相談事業):小児科の医師や看護師が対応してくれる公的事業です
#7119(一部の地域のみ/救急安心センター事業):救急車を呼んでよいか迷った場合に医師、看護師、相談員が対応してくれる公的事業です
誤飲した場合の治療は、内視鏡などを用いて原因物質を取り出したり、胃洗浄を行ったりといったことが主となってきます。
速やかに誤飲したものを取り除けた場合は入院せずに済むこともありますが、消化管損傷や中毒を起こしてしまった場合はより濃厚な治療が必要となる場合もあります。
次回は、高齢者のリハビリテーションでは切っても切れない関係の、誤嚥についてお話します。