こんにちは
ねりま健育会病院 リハビリテーション部です
当院に入院される方には,人工股関節(人工骨頭)置換術後の方が多くいらっしゃいます.
人工骨頭置換術とは,簡潔に説明しますと骨折や変形により損傷した大腿骨頭を人工の関節に替える手術です.
この手術を行った後の合併症(リスク)の一つに,脱臼があります.
手術をされた方であれば,一度は聞いたことがあるかと思いますが,脱臼肢位(禁忌肢位)と言って,脱臼を防ぐために避けなければならない姿勢があります.しかし,この脱臼肢位は日常生活で何気なく行っている動作の中に含まれていることがあります
今回は,生活の中で脱臼を防ぐために,禁忌肢位についてご紹介させて頂きます!
実は,手術のアプローチ方法(手術の仕方)にも種類があり,主なものとしては前方アプローチ,前外側アプローチ、後方アプローチなどがあります.それぞれに分けてご紹介します.
◾️後方アプローチ
お尻のあたりを切開し,股関節の後ろ側からアプローチする方法で
後方に着いている筋肉(お尻周辺の筋肉)を切除して行われる方法と言われています.
後方アプローチの禁忌肢位は
股関節の屈曲(前へ曲げる)・内転(内側へ寄せる)・内旋(内へ捻る,膝が中を向く形)
これらが合わさった動きとなっています.
また,股関節を過度に曲げる動作,例えばしゃがみこむような動作も脱臼のリスクに繋がると言われています.
◾️前方・前側方アプローチ
太もも(足の付け根あたり)の前〜外側を切開し股関節の前側からアプローチする方法で
筋肉や靱帯などを極力切らずに間を分けていく方法と言われています.
前方アプローチの禁忌肢位は
股関節の伸展(後ろへ引く)・内転(内側へ寄せる)・外旋(外へ捻る,膝が外を向く形)
これらが合わさった動きとなっています.
イメージとしては,ボーリングの球を投げた後でしょうか.
簡単ではありますが,以上になります.
手術を受けた方でご自分の手術の方法がわからない方は
主治医やセラピストに確認すると良いかと思います
私たちセラピストは理学療法・作業療法の中で可動域練習や筋力トレーニングのような体の機能を高めるリハビリのみならず,安全に生活を送って頂けるよう,脱臼を予防する生活動作をお伝えしています
次回は,実際気をつける必要がある生活動作の一部をご紹介したいと思います!
よろしくお願いします