日刊ゲンダイにて毎週火曜日夕刊で掲載されています
酒向院長の記事をブログでも毎週お知らせいたします。
第123回
~「筋肉量」を増やせば
生活習慣病を防ぎ認知症も予防できる~
95歳で非介護、80歳で8割就労を目指す「筋肉革命95」の一番のポイントは、
簡単に言うと高齢になっても筋肉量を増やすことにあります。
筋肉量を増やすと、筋力と体力が増加して、生活習慣病の予防、骨の強化、脳の萎縮や認知機能の低下を防ぎ、
健康寿命を延ばすことができるのです。
われわれは、50歳を越えると毎年1%の筋力と筋肉量が減少するといわれています。
65歳以降になると低下速度が加速し、重症感染症などで1週間寝たきりになると、
約10%の筋肉が急速に失われることがあります。
これらの過程も含めて、80歳では30~50%の筋肉が失われるため、太ももが細くなり、
おしりも小さくしわしわになってしまいます。
そうなると、歩行機能が衰え、転倒リスクが高くなります。
高齢者が転倒して骨折を起こすと、長期間にわたり安静にされるケースもあり、
そのまま寝たきりになってしまう危険があります。
ですから、80歳でも筋肉量を増やして弾力のある太ももとお尻を保つことが、
歩行を維持して活動的な人生を送るための基盤になるのです。
もちろん、90歳以上でも骨折後は迅速に適切な治療を受けると、早期に歩行を再開できます。
高齢者の筋肉量の減少は、筋線維数が減少するのに加え、筋線維が萎縮するために生じます。
特に、抗重力筋(重力に逆らって、立位や座位の姿勢を保つために無意識に働いている筋肉群)で進行しやすい傾向があります。
抗重力筋には、
①頭板状筋(頭部を伸展・回旋する筋肉)
②僧帽筋(背筋を伸ばして肩甲骨を安定させる筋肉)
③広背筋(背中を覆う大きな筋肉で、腕を動かしたり、呼吸を助けたり、姿勢を維持する筋肉)
④大腰筋(股関節を折り曲げたり、姿勢を保つ筋肉)
⑤殿筋群(股関節を伸展、外旋、外転、内転する筋肉で、体重を支えて股関節を安定させる筋肉)
⑥脊柱起立筋(体幹を伸展させる筋肉)
⑦大腿四頭筋(太ももの表を形成する筋肉)
⑧ハムストリング(太ももの裏を形成する筋肉)
⑨ヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)
があり、これら抗重力筋の筋萎縮は、姿勢保持や基本動作を低下させます。
■90歳でも筋肉は増加して筋力も強化できる
中でも、筋肉量の減少が多いのが④大腰筋で、
高齢になって歩行が減って萎縮が進むと腰痛の原因にもなるため、
意識して股関節を伸展したり、太ももを引き上げたりして鍛える必要があります。
さらに、転倒や骨折を予防するためには、
⑤殿筋群と⑧ハムストリングを鍛えることも重要です。
近年の研究では、加齢筋肉には、処理しにくい難溶性タンパク質が増加することが判明しました。
これを除去して筋肉を元気にするためには、薬や栄養摂取では難しく、
「筋力トレーニング運動」で筋活動を活性化するしかない事実もわかってきました。
高齢になっても筋肉量を増やすには、筋トレを続ける必要があるのです。
では、高齢者の筋トレはどのように実施すればいいのでしょうか。
高齢者の筋力を維持するには最大筋力の20~30%以上の負荷が必要です。
さらに、筋力を増強するには最大筋力の40~50%以上の負荷が必要になります。
こうした強度の筋トレを継続すれば、たとえ90歳でも、筋肉は増加して筋力も強化できます。
だからといって、負荷をかけすぎて筋肉痛で動けなくなるほどの筋トレでは、とても続けられません。
ですから、すべての人のすべての筋肉において、筋トレのプログラムは個別に作成しなければなりません。
高齢者の筋トレには、セラピストやトレーナーによる個別メニュー作成が必要なのです。
こちらについては、次回以降あらためて詳しくお話しします。
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掲載元:
日刊ゲンダイDIGITAL





































