薬局よりDIニュース(11月号)のご案内です。 | 花川病院のブログ

花川病院のブログ

花川病院のブログです

みなさん、こんにちは虹毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース11月号」をブログでご紹介しますヒヨコ
今月は「慢性便秘」について記載しています鉛筆

 

 便秘はインターネット調査では人口の28%もの方が悩まされている疾患ですトイレところが驚くべきことに、これまで日本では便秘診療のガイドラインは存在しませんでした。科学的根拠なく、経験論的に便秘診療が行われてきました。2017年に初めて『慢性便秘症診療ガイドライン』が刊行され、今年度6年ぶりに改訂されましたキラキラ便秘の定義と分類ができ、標準治療が示され今後ガイドラインを活用した質の高い治療の促進に期待が持たれていますおやすみ

 

 便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されます電球毎日出なくてもすっきり出ていれば便秘ではなく、回数の目安としては週3回程度であれば問題ないとされます注意

慢性便秘は大きく「器質性便秘」と「機能性便秘」に分類されます。器質性便秘は大腸癌や大腸ポリープ、大腸の炎症など器質的な異常よって便秘になることをいいます。機能性便秘については、さらに「弛緩性便秘」、「痙攣性便秘」、「直腸性便秘」と細かく分類されます。世間一般的に便秘と呼ばれているものは、どちらかというとこの機能性便秘になりますてんびん座

 

 厚生労働省の平成28年度国民生活基礎調査によると、便秘が最も多いのは男女とも80歳以上、次いで70〜79歳です。また、高齢者においては、男女の差はなく男女ともに多いのが特徴です。

 女性の便秘は、昔から言われていますが、近年において増加傾向にあります波月経前の女性はプロゲステロンが大腸の蠕動運動を抑えてしまうため、便秘になりやすい傾向があります。これにダイエットが加わると食事量の減少から排便を促す胆汁酸の分泌量が著しく減り、慢性便秘症を引き起こしやすくなります。また、薬剤の副作用によって発症する薬剤性便秘、神経疾患や内分泌疾患を原因とする症候性便秘なども増加しています。

 高齢化、ダイエットを求める若い女性の増加、薬剤の影響、基礎疾患として便秘を持つものが増えてきたこと、いずれを見ても便秘の患者さんが減る因子はなく、増える一方だといえるでしょう。

 

 今までの日本の便秘治療は選択肢が少なく、「毎日出る」ことを目的とした治療が続けられ、「出る/出ない」を優先し、「治療の質」を考えることはほとんどありませんでした。これからの治療は「出ること/排便回数」だけでなく、「排便の質」です。排便があっても残便感があれば患者さんは、治療に対する満足感を得ることができません。加えて、便秘に伴う腹痛、膨満感などの不快な症状を取り除くことも重要です。それらを実現するためには、新しく承認された薬剤も含めて、数多くある選択肢の中から、適した薬剤を選択し、治療をしていく必要があるでしょうダーツ

 

虫めがね下剤の効果を高めるための心がけ虫めがね

・3度の食事をきちんと取りましょうナイフとフォーク

・食物繊維をたっぷり取りましょうおでん右

・できるだけ水分を多く取り、便を軟らかくして、排便しやすくします波

・便意がある時は我慢しないでトイレに行きましょうトイレ

・特に朝の排便を大切にしましょう太陽

・下剤は就寝前に服用するのが効果的です。(自然な朝の排便に近づけるため)星空

・全身運動、腹筋力を強くする運動は腸の動きも活発にしますダンベル

 

いかがだったでしょうか?何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(薬局 室内)