みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース11月号」をブログでご紹介しますみなさんは漢方薬を服用した経験はありますか東洋医学の薬であり、副作用が無いのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、少なからず副作用は報告されているのです
漢方薬の副作用として最も多いのは、「甘草(かんぞう)」という生薬成分の過量摂取によるものです甘草はその名の通り甘い薬草で様々な処方に含まれており、消炎作用だけでなく他の生薬成分の効果を高め、解毒作用も持ち合わせます。しかし、この「甘草」を摂り過ぎると、血圧が上がる、体がむくむ、血液中のカリウムが低くなるなどの「偽アルドステロン症」の副作用を引き起こす場合があります。偽アルドステロン症の自覚症状として、血圧上昇やむくみ以外にも、「手足のだるさ」、「しびれ」、「筋肉痛」が挙げられます。このように漢方薬は副作用が無いのでたくさん飲んでも大丈夫というのは大間違いなのです
甘草の1日限度量は7.5gと言われています。この7.5gを越えてしまうと副作用のリスクが高まります通常であれば、限度量に達することは無いでしょうしかしながら、甘草は様々な漢方薬に配合されており、特にこむら返りの治療薬としてよく使用される「芍薬甘草湯」には、1日量で換算すると甘草が6g入っています。このため、複数の漢方製剤を併用すると前述の「甘草」の1日限度量である7.5gに達してしまう場合も考えられるため注意が必要です
また、理由は明らかになっていませんが、漢方の副作用は女性に多く見られます(男性の約2倍)。漢方服用中に体の変化があればすぐに医師・薬剤師に相談をしましょうDIニュース本誌では、偽アルドステロン症以外の副作用についても記載しているので、ご覧になって頂けると幸いです
いかがでしたでしょうか「漢方薬と副作用」について少しでも理解を深めて頂ければ嬉しく思いますなにか分からないことがあれば花川病院薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね(薬局 長谷川)