花川病院にて伝達講習を開催しました。
今回の内容は、東北文化学園大学で開催されたもので、『臨床に役立つ身体運動学-日常動作の分析とその臨床応用-』についてです。
身体運動学を学ぶ際に必要となる基礎知識を伝達しました。主な内容は『各動作における臨床的意義や運動学、運動力学、エネルギーコスト、運動制御』についてです。
私達が行う日常動作全てに共通していることは、健常者は日常生活動作においてエネルギーコストが最小になるような動作を無意識的に選択して行なっているということです。
この図は歩行速度とエネルギー消費量の関係性を示しています。歩行速度とエネルギー消費量の関係性は下に凸のグラフになっていくのですが、最もエネルギーコストが少ない歩行速度は80~90m/minとなっています。私たちが快適歩行速度で歩いている時、無意識的にこの速度になっており無駄のない最も効率の良い動作を選択しているということです。そしてコストが最小になるように無意識に行っている結果、起き上がりや立ち上がり方法、歩き方のように、私達が何気なく行なっている動作の一つ一つが健常者は似かよってくるのです。
しかし、高齢者や障害を有した方は最も効率の良い動作を行うことが出来ないため、私達が行っている動作よりもはるかに筋肉や関節に負担がかかっています。
私達理学療法士は、日常の動作が行えない原因がどこにあるのかを分析し、その中で動作の安全性、動作の速度など様々なことを天秤にかけ、熟考をしながら動作の獲得を目指しています。これからも患者様の日常動作獲得のサポートをするにあたり、エネルギーコストという重要なキーワードも十分考慮した上で提案していきたいと思います。
リハビリテーション部