〜前略〜
未来は自分以外の誰かを幸せにするために共感する仲間達と努力し行動して創り上げていくもの。
自分の利益のために大きな声を出しても、そこには対立しか生まれません。
そして対立と分断は誰も幸せにはしません。
意志ある情熱と行動でまずやってみる!
共感してくれた仲間と沢山失敗しながら少しずつ前へ進んでいく。
共感という言葉は「共に感謝する」と書きます。
「ありがとう」と言い合える環境から生まれる未来は、きっと今とは違う景色になってくると思います。
そこには必ず「笑顔」がある。
〜中略〜
今私達は何が正解だかわからない時代を生きています。
その中ではこれまでに経験した事のない危機に直面する事があります。
その時必ず私達の前には2つの道が現れます。
◇短期的な成功や一発逆転を狙う道
◇自分たちに強さをもたらした「本質・思想」に立ち戻る道
です。
〜後略〜
13年前の赤字転落やリコール問題という会社存亡の危機の時に豊田社長は後者を選びました。
世界トップクラスの大企業を率いる人間としては凡人の自分からは想像出来ないくらいの覚悟だったと思います。
そしてそれは短期思想の人たちからバッシングを受ける「イバラの道」だったそうですが、その後の黒字への回復とリコール問題の収束は世間の知るところです。
数年前からスタジオプログラムのインストラクターの間でこの仕事への情熱が冷めている人が増えているように感じていましたが、コロナ禍になり様々なことが通用しなくなりそれがさらに加速して2つの道の前者に気持ちを持っていかれる人が増えたように感じています。
SNSを見ていてもフィットネス関係者の中でエアロビクスインストラクターだけがエアロビクスの事を書いていない。
ビジネスだって副業だってどんどんやればいいしこの仕事以外の道を見つけるのも素晴らしい!
ノムラも一発逆転は好きです。笑
が、それよりも運動指導者の一人としてまずは自分と自分の周りの人の健康、そしてこの仕事の商品価値と社会的地位を高めたい!
と、本気で思ってずっと自分なりに商品を磨き続けている“つもり”です。
商品は情熱を注いで磨き続けないと価値は下がってしまうからね。
自分がそうだからといって情熱が冷めてしまう人達を責めているわけではないけれど、寂しくは感じています。
この仕事への情熱が冷めて他のことに気持ちが奪われる原因のひとつに、この仕事の報酬の低さがあるのは否定できない。(日本はまだマシな方ですが)
コロナ禍になりレッスン本数が減ったりレッスン時間が短くなってレッスン単価が下がる中で誰もが不安に陥るのは当然やし、SNSでも自分の方を向いてもらうための投稿が増えたのを見ると「みんな不安なんやなぁ」と複雑な気持ちになる。
それは仕方ない事なのですが…
“つもり”になっているノムラの自戒の念も込めて書かせてもらうけれど、指導者ひとりひとりが自分達の商品の価値を上げる努力をしてきたのだろうか?
流行りを追いかけることや、フィットネス産業を取り巻く環境が日本とは違う国やフィットネスの需要が日本より低い国の一部のレッスンスタイルやファッションの真似をすることは賢明だったのだろうか?
それは目の前の生徒だけでなくその後ろ以降の列の生徒達の健康の手助けになり、自分達の商品の価値を上げて更に他の企業を我々の業界内に引き込み、この仕事の社会的地位向上に繋がったのだろうか?
そして自ら己の仕事の商品価値を下げておいて報酬の低さを嘆いていないだろうか?
「私みたいな一介のインストラクターにはどうする事も出来ない」という声もあるけれど、関わっている以上無関係ではない。
全体は個に比例し
個は全体に比例する
この法則は「類は友を呼ぶ」と同じくらい外れた事のない法則です。
指導者ひとりひとりが活き活きと仕事している時は業界全体が活気の熱を帯びているし、業界全体が活気付いてる時は指導者ひとりひとりも情熱を持って仕事をしている!
逆に指導者の情熱の温度が下がり自身のスキルアップのための投資も怠って日銭稼ぎのために必死になってると…
同じフィットネス業界の中でも、誤魔化しの効かないトレーニング方面の温度は高くて、スタジオプログラムの指導者が疲弊していて温度が低いのはなぜなのだろうか?
例えば、誰かが抜け駆けをして安売りをし始めるとそれに続いて安売りがどんどん広がって安売りで成立する業界になってしまい、シワ寄せは必ず人件費削減と質の低下に繋がる。
そうやって成立する循環を作ってしまうと浮上するのはほぼ不可能で、そうやって衰退してしまった業界は沢山あります。
特定の誰かを批判したり特定のジャンルやスタイルを否定しているのではなく、ひとりひとりが業界全体の事を自分の事として考える時期はコロナ禍前から来ている。
我々のこの仕事は指導の技術を磨き続け、生徒の良い見本となり自身の身体を守るためにも動きを追求し続けて、知識もアップデートし続ける必要があります。
それが自分達の商品を磨く事に繋がり、その地道で多量の作業が次世代へのブレイクスルーに繋がるはず!
地道な基礎づくりは鼻で笑われるし誰にも褒めてもらえないし、すぐにレッスン単価が上がるわけでもない。
それでも自分自身で自分の価値を上げる努力をする。
やってもやらなくても現時点では変わらなくても、商品価値を高める努力をしていれば短期的には変わらないように見えてもそれは“見えているだけ”で物事は確実に動き始めてる!
そこまで辛抱出来るかどうか!
ノムラを信じろとか共感して欲しいと言っているわけではないし皆がそれぞれのやり方でいいのだけれど、目の前に2つの道が現れたら皆さんならどちらを選びますか?
どっちを選んでも相応の覚悟が必要であり、本気でやる勇気も試される。
そして皆がそれぞれ戦ってるんやから違う道を選んだ人の事も認める心構えも大事。
ただ、前者でも後者でもよく考えた上で選ぶべきであり、現実から逃れるために短期思想に向かうのは注意だと思う。
現実を逃れるもっとも良い方法は、現実により深く関わる事である
以前読んだ本に書かれていた言葉ですが、これは核心を突いているし好きなんよね。
最後に、どっちを選んでも自分と自分の周りの人、そして自分の仕事の社会的地位向上に繋がるようにやっていこう!
指導者のひとりひとりが町いちばんの指導者を目指して、全ての施設が町いちばんの健康運動施設を目指していけば、とんでもなく盛り上がる業界になるのではないか!
と、豊田章男社長の言葉を聞いて感じた事を書いてみましたとさ。
おしまい
(ここまで書くのに3週間かかりました笑)