マイナカード普及のための政府のなりふり構わぬやり口はほとんど民主主義の危機 | けんじいのイージー趣味三昧

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 最近の政府のマイナ保険証普及への禁じ手の数々に、「何だか本当に無茶苦茶な政府になってきたなあ」という不安を覚える。法によってマイナカードの取得は自由とされており、その証拠にカードは本人が申請しない限り発行されない。そういう性格のものなのに、近年政府は取得するだけで2万円プレゼントするという愚策を打ち出した。お金欲しさに普及率は上がったが、利用している人は多くない。

 

 そして間もなく保険証を廃止して原則マイナ保険証に一本化するという。それを普及させるために、普及率を上げた病院など医療機関に最初は20万円、その後40万円に増やしてプレゼントすることになった。この他カードリーダーなどの設置や再来機の改修にも補助金をつける。新札の対応に追われる企業には何も補助金がないのに、なぜマイナ保険証だけ。一方我々が払う診療報酬についても、普通の保険証とマイナ保険証では格差をつけると言う。さらには薬剤師をデジタル推進委員として動員しているそうだ。いい加減にしろ。

 

 

 プレゼントと言ったってその金は我々国民の税金だ。一体そこまでしてマイナカードを持たせようとする理由は何か。いろいろ勘ぐりたくなる。日本が行政のデジタル化に遅れをとっていることは分かる。多くの国で国民にマイナンバーのような番号を振っていることも分かった。しかしカード必須の意味が分からない。

 

 河野デジタル相は、かつて自身の動画チャンネルでシンガポールの行政のデジタル化の状況を紹介した。一つの共通番号をすべての分野で利用できる方式の同国では、個人のスマホが番号にひも付けられているとし、その利便性を強調、日本でも将来、マイナポータルやマイナカードによって「シンガポール並みの行政のデジタル化ができるようになる」と説明した。

 

 

 独裁国シンガポールをモデルにするなら、人口の多い中国のやり方を見習えばもっといいものができるのではないかと思う。これに対しG7諸国には、共通番号そのものへの批判や、国が国民にIDを与え管理することへの抵抗感からマイナカードのような制度は存在しないそうだ。だから保険証廃止によって、法律の建前とは別に事実上カード保有の義務化を目指すなどという乱暴な国はなさそうだ。実際当時の加藤厚労相は「マイナ保険証は日本以外のG7では存在しない」と答えている。

 

 やれやれ価値観を共有する国が独裁国シンガポールだったとは知らなかった。その次は運転免許証だが、これも保険証と同様に、けんじいのようなへそ曲がりには「確認書」を発行してくれるのだろうか。交通違反してもマイナ免許証なら罰金半額、確認書なら割増なんてことにもなりかねない。

 

 国会軽視、熟議軽視のアベ以来の日本政府の強権的なやり口、それもなりふり構わず、自分のやりたいことなら金に糸目をつけず、医療機関や薬剤師を体よく使い回すというやり方に強烈な不信感を、ひいては民主主義の危機を感じる。アベ時代よりもさらにさらに酷くなる一方の日本の政府・・・。