4月25日の東京新聞「本音のコラム」で青学大元学長の三木義一氏がタイトルのランキングについて書いている。「どこの国もさまざまな政策目標を追求するために租税支出(Tax Expenditures)を利用する。しかしこれは本来の税制から逸脱し個人や企業に優遇を与えるものだから、その透明性や政策効果をきちんと見る必要がある。」

 

 

 まさに今日本で議論されている企業団体献金とたくさんある企業に対する租税特別措置との関係からして、大いに報道されて然るべき話題である。けんじいが見逃したかもしれないが、報道したマスコミは皆無だ。ジェンダーギャップには大騒ぎするのに、何たる不見識。意図的なものを感じざるを得ない。

 

 そこでけんじいはググってみた。しかし日本語での解説は非常に少ない。英語で検索すると「The Global Tax Expenditures Transparency Index (GTETI) is the first comparative assessment of TE reporting, covering countries worldwide. 」という記事がいくつか見つかった。

 

(韓国は堂々の第1位、第8位にアフリカのベナン共和国がつけており世界中が驚き)

 

 さらに調べると、日本語では唯一と思われる上村敏之関西学院大学教授(財政学)の解説記事が見つかったので、少し長いが以下部分引用する。実は今年の1月の記事である。

 

 「欧州の国際研究機関が世界租税支出透明性指数(GTETI)の国際ランキングを世界で初めて公開したが、日本の順位は94位だった。G7ではカナダ2位、ドイツ4位、フランス5位、米国6位、イタリア7位、英国27位であり、日本の租税支出の情報公開度(透明性)が極めて低いことを、私たちは重く受け止める必要がある。」

 

 「財政を通じた政策手段には直接的な補助金があるが、税制を通じた間接的な補助金も存在する。例えば、所得控除、税額控除、課税の繰り延べ、軽減税率といった税の減免は、何らかの政策目的を達成するために実施されている。これらは租税支出と呼ばれる。何をもって租税支出とするかは議論があるが、日本の場合、租税特別措置は租税支出の一種だ。」

 

(日本の前後にはリベリア、ルーマニア、モンゴル、パラグアイ、ブルンジ、コンゴ共和国など。100点満点で韓国の75点に対し日本は30点、普通の感覚では落第点だ)

 

 「税の減免の減収額の情報が重要である根拠は3つある。第一に税の減免は中立・公平・簡素といった租税原則から逸脱する恐れが強く、情報公開による統制が大切になる。第二に税の減免による税収ロスの情報は財政赤字に苦しむ政府にとって重要である。第三に減収額の情報を用いれば、税の減免と直接的な補助金の規模の比較や、どちらの手段が政策的に望ましいかを分析できる。」

 

 「世界租税支出透明性指数の国際ランキングによれば、他国は租税支出の政策評価を行っている。日本も租税支出の透明性を高め、政策評価の実施が必要だ。」(引用は以上)

 

 驚くのはランキングのトップがお隣韓国だったことだ。けんじいが日頃言っている「韓国未満北朝鮮以上」のレベルとは格段に違う圧倒的な差。日本と韓国は何が違うのか。まず政権交代が普通にある国と普通にはない国。次が企業団体献金を禁止している国と野放しに近い国。これを見て日本の政治家は恥ずかしくないのか。今の国会での議論の中で大いに使ってほしいレポートである。