今月初めにこのブログに「日本人の2人に1人はかかる病気(がん一般)にかかった」と前立腺癌の宣告を受けたことを書いた。先生は、治療法として全摘、放射線、薬物の3択を示したが、詳しい話や具体的なお勧めはなかった。ただ他に転移していないか全身のMRI検査をすることになり、昨日その結果が出て、転移していないからどの方法もとれるという。

 

 宣告直後からけんじいは直ちに調査を開始した。身近なところからというわけで、まずは全摘して尿もれに悩んでいる会社同期の親しい友人に聞くと「だんだん尿もれはなくなると言われたが、数年経つ今もある。全摘で根治したのだからと自分に言い聞かせている」とやや後悔している様子だ。

 

 

 この友人からもう一人の同期も癌治療したと聞いた。日頃疎遠にしているが、この際遠慮などしていられないと、メールするとすぐに電話がかってきた。「放射線がいいぞ。7〜8週間毎週5日というのはきついが、尿もれだけは嫌だったから選んだ。もう5年経つが後遺症らしきものは全くない。今は時々PSA検査するだけだ」と元気一杯自信満々の返事だった。

 

 これで放射線に決めた。きょうだいにも知らせておいたらそのうち弟から「知り合いに聞いたら、同じ放射線でも最近は陽子線治療というのがあり、東京にはやる病院はないが、1か月程度で終わるというから設備のある北海道の病院にでもウイークリーマンション借りて避暑に行ってきたら?」と冗談半分のアドバイスがあった。でも今の病院は自宅から歩いて20分余り、毎日通うのに都合がいいし、いざとなった時遠くては心配だ。だから従来の放射線でやろうと思っていた。

 

 

 ところがこれをヒントに調べるとこの新しい治療法はどんどん進歩していて、今は陽子線をさらに超える重粒子線治療というものがあることが分かった。これだと12日間で治療が終了する。従来の放射線よりも期間は1/2から1/3、他の器官を傷つける可能性も低く保険適用。けんじいの自宅から1時間半程度の場所にこの治療をする病院がある。

 

 電話してみると、今の病院の紹介状やデータを持って来ればまず初診で受け入れ可能かどうかを決め、最初3か月は今の病院でホルモン療法を行い、その後重粒子線治療になるとのことだった。今の病院からの紹介でも何人かの患者が治療したという。うちの先生、何も言ってくれなかったなあ。「重粒子線治療のデメリットはないか」と聞いても、「保険適用にもなったので、デメリットを言えと言われても困る」みたいな返事。気分が明るくなったが、先はまだ少し長そうだ。