昭文社の地図もずいぶん変わるものだ。「奥武蔵・秩父」は、これまで2008年版を元に歩いていたのだが、この地図にはいずれも登山道が描かれていない(今はいずれも描かれている)武蔵横手駅からのコワタ尾根を使ってスカリ山に登り、東吾野駅への古道飛脚道の尾根を下るという、人にあまり会わない静かなコースを歩いた。

 

 

 9時過ぎ、西武秩父線武蔵横手駅に降り立つ。歩き出すとすぐに愛宕山の三角形(上)が目に入る。長念寺(下)に入ると、その西端にある墓地の先に登山道が見えた。

 

 

 墓地に沿って緩やかに登った後、愛宕山へはかなりの急登だが、登り始めなので元気よくコースタイム通り40分ほどで小さな愛宕神社がある山頂(250m、下)に着いた。

 

 

 一旦降って20分ほどで水晶山(266m)、昔水晶が発見されたが事業化するには量が少なかったと言う。また一旦降ってからはトラロープが続く急坂を登って10時半深沢山(350m)。この3つのピークの間にも4つほどの小さなピークがあったが、登りの間に下りがあると疲れないのか、なかなか楽しい。ベンチもあるので一休みする。

 

 

 深沢山手前から、それまでの杉林ばかりの山道に落葉樹が混じり始め明るくなる。深沢山からも下ってから西大峰(土山の峰、391m)を経て11時半過ぎに北向地蔵に着いた。1年前に五常の滝を通る隣の谷ルートからこのお地蔵様まで、同じ岳友と登って日和田山から高麗駅に下っている。急にハイカーが多くなった。

 

 

 ここは山上の舗装道路グリーンラインである。これを少し西に向かってから再び山に取り付く。観音岳を経て、12時ちょうどこの日の最高峰スカリ山(435m、下)だ。北側の眺めがよく日光連山であろうか白い峰が見えた。

 

 

 20分ほどの昼食休憩後下山開始、13時過ぎユガテで休憩する。ユガテ(下)は山の中腹に突然現れる桃源郷である。建物はいくつかあったが、人が住んでいると思われるのは1軒だけ。岳友が用意してくれたコーヒーをいただく。

 

 

 14年前に初めてユガテから下山した時は、大半が舗装道路の林道を下ったが、今回は古道飛脚道が整備され地図にも載っているので、これを取る。尾根道なので、下りにもかかわらず早速ピークを2つ3つ越え、13時半過ぎ眺めのよい橋本山(321m)に着いた(下は橋本山からの眺め)。

 

 

 名前の付いている山だけでこの日の7座目である。もっともピークハントもここまでで、あとは歩きやすい山道を下り、最後のピークを避けて福徳寺への道をたどった。まっすぐピークを越えるのに余力は十分だったが、道標が盛んに福徳寺を案内するので、きっと名刹なのだろうと立ち寄ってみたのである。

 

 

 阿弥陀堂(上)と中におられる阿弥陀如来三尊立像は、鎌倉時代のもので重文指定だそうだが、全国でも珍しいとされる鉄製の立像はもちろん見られない。

 

(左が2008年版、右の今の地図にある今回の登り、下り、スカリ山への道は全くない)

 

 14時半東吾野駅到着。最高峰はわずかに435mだったが、10を超えるピークでおそらく累積標高差6〜700mの小さな縦走路を気持ちよく歩けた楽しい山歩きだった。