日本語学校の授業で「家族を考える」というテーマがあった。家族のあり方の多様性を説明したものだったが、時間があったので「今日本では選択的夫婦別姓制度導入の可否が大きなテーマになっている」ことを話した。

 

 すると中国人の学生たちが「中国でも問題になっています」と言う。「なんだって?中国は昔から別姓だからなんの問題もないんじゃないか。」と応じると、「子供の姓をどうするかで揉めることが多くなりました」とのこと。

 

 

 今までは、「子供は当然お父さんの姓にする」と思われていたのが、女性の主張が強くなり簡単ではなくなったというわけだ。つまり日本の問題の一歩先で問題が起きているのだ。

 

 それでけんじいは思った。自民党が、憲法改正の必要性も議論しないうちから「自衛隊の存在を書き込むべきだ」「非常事態条項を入れよう」などと、改正ありきで声高にものを言っている。

 

 これに学ぶべきだ。選択的夫婦別姓制度の導入ありきとして(今の世論を見れば憲法改正よりも賛成の比率が高い)、次の問題、つまり子供の姓をどうするかの議論をし始めてはどうかということだ。

 

 

 もちろん夫婦の話し合いで決まればそれがいいかもしれない。しかし、明確なルールを決めた方がいいような気もする。

 

 その場合、素人考えでも、男の子は夫の姓、女の子は妻の姓ということが考えられる。まあ、逆でもいいが。1番目が夫の姓なら2番目は妻の姓というのも考えられる。しかしその場合1番目をどっちにするかという問題が残る。

 

 台湾だったか、裁判所でくじ引きするという話もあった。けんじいは、生まれた子の生年月日の日付が奇数なら夫の姓、偶数なら妻の姓というのがいいかなと思う。最初だけそうして、第2子からは交互という組み合わせでもいい。

 

 本人の意思を尊重する意味で、例えば義務教育が終わる15歳で最終選択ができるという制度もいいかもしれない。いずれにせよ、避けて通れない問題だけに、「選択的夫婦別姓制度の導入は当たり前」を前提に、早めに議論を始めるべきではないだろうか。

 

 議論百出で反対派の攻撃材料になる恐れもあるというのが、書きながらの心配ではあるが。