緊急事態宣言が解除されて2週間で今度はマンボウだという。感染者数から見ると、マンボウどころか緊急事態宣言ものだというのに。もちろん多くが初めての経験である。誰がやっても大変なことはわかっている。だが、この政権のいちいちの施策に説明できないことが多すぎる。けんじいが感じる素朴な疑問を挙げてみよう。

 

 

1、     なぜ県境を越える移動を控えるべきなのか。

 人間が定めた県境にどういう意味があるのかわからない。けんじいが八王子市の友人と会うのは良いが、川崎市の友人と会うのがいけない理由がわからない。大阪のように変異株が蔓延しているらしいところにわざわざ行く人はいない。

 

 

 強いて言えば山梨県のように感染数が少ないところに、東京人が行って撒き散らすなということだろうが、東京にいても、というより東京にいればもっと近所の多くの人と接触するではないか。途中の移動がいけないというなら通勤通学の方がよほどいけないはずだ。長距離のJRはかわいそうなくらい空いていて、感染の危険は極めて少ないと思う。

 

2、     なぜ宣言の発令、解除を即座にしないのか。

 いつも数日先の実施を発表する理由がわからない。緊急なら決めたらすぐ実施すべきだし、解除できると判断したならすぐ解除してやればいい。その準備に時間がかかるというなら、数日は罰則規定などを猶予してやればいいことではないか(海外でも即座にしていないことは知った上です)。

 

 

3、     なぜいつもゴールデンウイークのような行楽時期にかかるのか。

 去年もそうだが今年もそうだ。国民も観光業者も楽しみにしている時期に緊急事態宣言等がかかるようなタイミングに持っていくのは愚策中の愚策だ。オリンピックの開催のタイミングとの関係を疑う。なぜゴールデンウイークの前にやる聖火リレーなどさっさと中止しないのか。

 

4、     時短営業に意味はあるのか。

 アクリル板の設置などを義務付けて、決して知らない人とは同席させず、1人であってもアクリル板などで隔てるか、2m以上離れる座席しか設置しないように講じれば、何時でも飲食させて良いのではないか。

 

 

 要するに政府のやり方は、科学的でなく説得力がないから、国民も真剣に受け止めないのではないか。例えばけんじいが感じることは次のようなものだ。

 

1、     言っていることは「緊張感を持って、警戒感を持って、スピード感を持って」という感覚ばかりであり、以前から言われている具体策、例えばPCR検査を拡充して感染者を隔離する政策、コロナ病院を増やす努力が全く不足している。そしてその緊張感ですらも国会議員や官僚の大人数飲み会で、上層部において全く共有されていないことが露呈している。

 

 

2、     スガがぶら下がり記者会見で言うことは、「そしたことを全力で」と自分だけでうなずきながら、なんとも緊張感のない、国民に呼びかける情熱も感じられない、何を聞かれても、繰り返し聞かれても、いつも同じ内容の平板な受け答えである。「命と暮らしを守る」と口では言っているが、気概が感じられない。1年前のメルケルさんの国民へのメッセージ(このブログでも紹介済み)を少しは勉強したのか。

 

3、     「オリンピックを何が何でもやりたい。そのために○月○日までロックダウンする」というように根拠を示せば、そのことの是非はともかく理屈は理解できる。が、それを言う勇気もないから、国民には訳がわからない。

 

 

 それは以前、GO-TOキャンペーンと感染防止を同時にやろうとした感覚と同じである。とにかく科学的でなさすぎる。まあ、第2次大戦の時もそうだったけど。

 

4、     「会食は4人以下で」というのもよくわからなかったが、けんじいなりに理解したのは次のようなことだ。今世の中に100人に1人の感染者がいるとしよう。100人でパーティなどすれば、1人の感染者が相当数の接触者に感染す可能性がある。しかし4人ずつ25組の会食なら、そのうちの1組の残り3人に感染すだけにとどまるということかと。もしそういう理屈なら、わかりやすく説明してほしいものだ。

 

 まあ、同じことを繰り返すのが丁寧な説明だと勘違いしているアベ以来の政権のことだから、期待はしないが。

 

 

 というわけでけんじいは、自らの判断と自己責任で、(1)ラッシュの通勤は避けて朝6時半前の電車に乗る、(2)空いている電車で出かけ人もまばらな山歩きは続ける、(3)前後左右のアクリル板の設置が厳重な大戸屋にはどんどん出かける、のである。ついでにゴールデンウイークも出かけるつもりでいる。