帰京・旅の終わり【東京から南へ1000km、小笠原弾丸旅⑫ 最終回】 | 湘南軽便鉄道のブログ

湘南軽便鉄道のブログ

「湘南軽便鉄道」です。

本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(東京港竹芝桟橋)





間もなく終わる航海
前日15時30分に小笠原諸島・父島を出港した小笠原海運の貨客船「おがさわら丸」。

大海原を一昼夜航行し、東京湾内へ。
24時間の船旅が間もなく終わる。

高速船とすれ違い。

東海汽船の高速船(ジェットフォイル)「セブンアイランド友」



向こうの高速ジェット船は、東京竹芝桟橋14時15分発の伊豆大島行き。伊豆大島には16時00分着予定。


水を噴射して浮上航行する水中翼船

時速約80kmで伊豆大島を目指す。







東京国際空港(羽田空港)沖

東京から約1,000km離れた小笠原諸島の父島・母島には空港がないため、乗船中の「おがさわら丸」が唯一の旅客交通機関


着陸する飛行機



終着地・東京竹芝桟橋まであと僅か。

朝7時00分から営業していた7デッキ(7階)売店「ショップ  ドルフィン」は、14時30分で閉店。


船の周りにカモメが飛び交う。



大井コンテナ埠頭


船の周りを飛ぶカモメ

小笠原諸島近海では、船の周りをカツオドリが飛んでいたことを回想。



大井コンテナ埠頭を左舷側に眺めながら、東京西航路を行く。

世界とを結ぶ大型貨物船(コンテナ船)が何隻も接岸中


大型コンテナ船入出港時は航行管制により、狭い東京西航路を通る船舶はしばらく待たなければならず、運航ダイヤに遅れをきたすこともある。

巨大コンテナ船と旅客機

巨大クレーンでコンテナの積み降ろし作業中


右舷側には東京港客船ターミナル

東京港を発着するクルーズ船は、今までは晴海客船ターミナルを使用していたが、港の入口にレインボーブリッジが出来てから、橋をくぐれない大型クルーズ船が増加。そのため橋の外側に新たに造られたのが「東京港客船ターミナル」


東京臨海部に建つ「船の科学館」

船の科学館の脇に静態保存されている初代南極観測船「宗谷」

1974年(昭和49年)7月にオープンした「船の科学館」。本館は、かつて活躍していた英国の豪華客船「クイーンエリザベスⅡ」を模した外観。臨海部埋立地がまだ原っぱだった頃に建設されたが、あれから50年経過。老朽化により取り壊されることになり、2024年(令和6年)2月から解体作業を開始。


間もなく取り壊される「船の科学館本館」には展望台があり、かつてここから東京港を見渡せた。


東京港のシンボルだった白亜の「船の科学館」は間もなく見納めになる。


「船の科学館」の脇には、東京西航路の真下を通る首都高速湾岸線の東京港トンネル(海底トンネル)がある。




前方に、東京芝浦地区とお台場地区を結ぶ吊橋・レインボーブリッジが見えてくる。

乗船客は、船内で下船の準備中だが、レインボーブリッジが近づくと多くの乗客が外部デッキに出てくる。


東京臨海部副都心のお台場地区。フジテレビ本社社屋などが建つ。


観光用の水陸両用バス「TOKYO NO KABA」



江戸時代の幕末に築かれた要塞(砲台)である台場。現在は深い木々に覆われている。




「おがさわら丸」はレインボーブリッジをくぐる。








左舷には芝浦埠頭
「おがさわら丸」は、竹芝桟橋で旅客を降ろした後、すぐにここ芝浦埠頭に移動する。芝浦埠頭で貨物の陸揚げを行うほか、父島出港日まで停泊する。



日の出埠頭
東京港を周遊する2隻のレストラン船・シンフォニーや、東京都観光汽船(とうきょうみやこかんこうきせん)の水上バス等が発着する。

日の出埠頭を発着する水上バスは、お台場や隅田川を遡った先にある浅草等を結ぶ。

ビルの合間から姿を現す東京タワー




東京港竹芝桟橋入港
「おがさわら丸」の終着地・東京港竹芝桟橋は目前

伊豆諸島・小笠原諸島の離島航路客船が発着する東京港竹芝桟橋

竹芝桟橋は、JR山手線・京浜東北線の浜松町駅北口から徒歩約8分のところにある。桟橋すぐ脇には新交通システム「ゆりかもめ」の竹芝駅もある。


桟橋への接岸作業

慎重に岸壁に近づく。


東海汽船や伊豆諸島開発のコンテナが並ぶ。



竹芝客船ターミナル上の展望デッキには、南の島から帰ってきた「おがさわら丸」を眺める人々




岸壁接岸作業完了


定刻の15時30分、東京港竹芝桟橋到着


「おがさわら丸」を下船

24時間ぶりの陸地


船尾に積まれたコンテナの一部を岸壁に下ろし、コンテナ内の荷物を一部取り出す。






「おがさわら丸」が停泊している位置は、夜は東海汽船「橘丸」が停泊する定位置。

所要24時間の長い航海を終えた「おがさわら丸」


奥には、東京スカイツリーが見える。



竹芝客船ターミナル屋上のボードウォーク(臨港広場)へ。

竹芝桟橋を発着する最大の客船

離島航路では、日本最大の客船でもある。


船尾では一部コンテナの陸揚げ作業

「おがさわら丸」の貨物(コンテナ)の積み降ろし作業は、ここ竹芝桟橋ではなく、近くの芝浦埠頭で行う。したがってここ竹芝桟橋での作業は、必要最低限の荷物をコンテナから取り出すのみ。















船から降ろしたコンテナ内の小荷物を出す。


作業が終わると、コンテナを再び船に戻す。











コンテナを持ち上げるクレーンを操作する乗組員


前方に東京スカイツリー









芝浦桟橋に回航
ここ竹芝桟橋は夕方から夜にかけて、何隻もの東海汽船の高速船や大型貨客船が、伊豆諸島から戻って来る。

したがって東京港竹芝桟橋に到着した「おがさわら丸」は、乗客を下ろすとすぐに近くの芝浦埠頭に回航される。貨物(コンテナ等)の陸揚げ作業や整備は芝浦埠頭で行う。





おがさわら丸回航

「おがさわら丸」は、16時05分頃、芝浦埠頭に向け、竹芝桟橋を出港(回航)


竹芝桟橋には30分少々しか停泊しない。









ゆっくり岸壁を離れる。








竹芝桟橋の狭い港内は後進








後進し、港内が広くなった位置で船体の向きを変える。


浅草から隅田川を下ってきた東京都観光汽船(とうきょうみやこかんこうきせん)の水上バスが目の前を過ぎる。

「銀河鉄道999」などで有名な漫画・アニメ界の巨匠・松本零士氏がデザインした宇宙船のような近未来型の水上バス。「ヒミコ」「ホタルナ」「エメラルダス」の3隻がある。

ゴールデンウィーク最中とあって上部デッキには、たくさんの乗客

水上バスは、竹芝桟橋のすぐ隣の日の出桟橋に向かう。



回航する「おがさわら丸」のすぐ目の前を通り過ぎていく。


通常1週間に1回しか東京港にやって来ない「おがさわら丸」を眺める水上バスの乗客




向きを変えた「おがさわら丸」は、前進し、レインボーブリッジ手前にある芝浦埠頭へ回航



隅田川の河口。橋の向こうは隅田川。

隅田川を遡った東京スカイツリーのすぐ近くには浅草がある。

芝浦埠頭に回航される「おがさわら丸」

「おがさわら丸」は、芝浦埠頭で貨物(コンテナ等)の積み下ろしや船体整備を行い、2日後(5月1日(水))の父島向け出港日まで芝浦埠頭で休息。

間もなく芝浦埠頭に接岸

次の東京港竹芝桟橋出港は、2日後の午前11時。



通常、最低6日間を要する小笠原諸島は、時間や金額的にも『パスポートのいらない海外旅行』のような場所。
今回は、多客期にすぐに父島で折り返す便を利用し、往復48時間、現地滞在4時間半、2泊3日の弾丸旅であった。

東京都心と、亜熱帯の楽園・世界自然遺産の小笠原諸島を結ぶ「おがさわら丸」の旅が終わる。






★動画↓


※2024年(令和6年)4月29日(月)