(東京港竹芝桟橋)
間もなく終わる航海
前日15時30分に小笠原諸島・父島を出港した小笠原海運の貨客船「おがさわら丸」。
大海原を一昼夜航行し、東京湾内へ。
24時間の船旅が間もなく終わる。
高速船とすれ違い。
東海汽船の高速船(ジェットフォイル)「セブンアイランド友」
向こうの高速ジェット船は、東京竹芝桟橋14時15分発の伊豆大島行き。伊豆大島には16時00分着予定。
水を噴射して浮上航行する水中翼船
時速約80kmで伊豆大島を目指す。
東京国際空港(羽田空港)沖
東京から約1,000km離れた小笠原諸島の父島・母島には空港がないため、乗船中の「おがさわら丸」が唯一の旅客交通機関
着陸する飛行機
終着地・東京竹芝桟橋まであと僅か。
大井コンテナ埠頭
船の周りを飛ぶカモメ
小笠原諸島近海では、船の周りをカツオドリが飛んでいたことを回想。
大井コンテナ埠頭を左舷側に眺めながら、東京西航路を行く。
世界とを結ぶ大型貨物船(コンテナ船)が何隻も接岸中
大型コンテナ船入出港時は航行管制により、狭い東京西航路を通る船舶はしばらく待たなければならず、運航ダイヤに遅れをきたすこともある。
巨大コンテナ船と旅客機
巨大クレーンでコンテナの積み降ろし作業中
右舷側には東京港客船ターミナル
東京港を発着するクルーズ船は、今までは晴海客船ターミナルを使用していたが、港の入口にレインボーブリッジが出来てから、橋をくぐれない大型クルーズ船が増加。そのため橋の外側に新たに造られたのが「東京港客船ターミナル」
東京臨海部に建つ「船の科学館」
船の科学館の脇に静態保存されている初代南極観測船「宗谷」
1974年(昭和49年)7月にオープンした「船の科学館」。本館は、かつて活躍していた英国の豪華客船「クイーンエリザベスⅡ」を模した外観。臨海部埋立地がまだ原っぱだった頃に建設されたが、あれから50年経過。老朽化により取り壊されることになり、2024年(令和6年)2月から解体作業を開始。
東京港のシンボルだった白亜の「船の科学館」は間もなく見納めになる。
前方に、東京芝浦地区とお台場地区を結ぶ吊橋・レインボーブリッジが見えてくる。
乗船客は、船内で下船の準備中だが、レインボーブリッジが近づくと多くの乗客が外部デッキに出てくる。
東京臨海部副都心のお台場地区。フジテレビ本社社屋などが建つ。
観光用の水陸両用バス「TOKYO NO KABA」
江戸時代の幕末に築かれた要塞(砲台)である台場。現在は深い木々に覆われている。
「おがさわら丸」はレインボーブリッジをくぐる。
左舷には芝浦埠頭
「おがさわら丸」は、竹芝桟橋で旅客を降ろした後、すぐにここ芝浦埠頭に移動する。芝浦埠頭で貨物の陸揚げを行うほか、父島出港日まで停泊する。
日の出埠頭
東京港を周遊する2隻のレストラン船・シンフォニーや、東京都観光汽船(とうきょうみやこかんこうきせん)の水上バス等が発着する。
日の出埠頭を発着する水上バスは、お台場や隅田川を遡った先にある浅草等を結ぶ。
ビルの合間から姿を現す東京タワー
東京港竹芝桟橋入港
「おがさわら丸」の終着地・東京港竹芝桟橋は目前
伊豆諸島・小笠原諸島の離島航路客船が発着する東京港竹芝桟橋
竹芝桟橋は、JR山手線・京浜東北線の浜松町駅北口から徒歩約8分のところにある。桟橋すぐ脇には新交通システム「ゆりかもめ」の竹芝駅もある。
桟橋への接岸作業
慎重に岸壁に近づく。
東海汽船や伊豆諸島開発のコンテナが並ぶ。
竹芝客船ターミナル上の展望デッキには、南の島から帰ってきた「おがさわら丸」を眺める人々
岸壁接岸作業完了
定刻の15時30分、東京港竹芝桟橋到着
「おがさわら丸」を下船
24時間ぶりの陸地
船尾に積まれたコンテナの一部を岸壁に下ろし、コンテナ内の荷物を一部取り出す。
「おがさわら丸」が停泊している位置は、夜は東海汽船「橘丸」が停泊する定位置。
所要24時間の長い航海を終えた「おがさわら丸」
奥には、東京スカイツリーが見える。
竹芝客船ターミナル屋上のボードウォーク(臨港広場)へ。
竹芝桟橋を発着する最大の客船
離島航路では、日本最大の客船でもある。
船尾では一部コンテナの陸揚げ作業
「おがさわら丸」の貨物(コンテナ)の積み降ろし作業は、ここ竹芝桟橋ではなく、近くの芝浦埠頭で行う。したがってここ竹芝桟橋での作業は、必要最低限の荷物をコンテナから取り出すのみ。
コンテナを持ち上げるクレーンを操作する乗組員
前方に東京スカイツリー
芝浦桟橋に回航
ここ竹芝桟橋は夕方から夜にかけて、何隻もの東海汽船の高速船や大型貨客船が、伊豆諸島から戻って来る。
したがって東京港竹芝桟橋に到着した「おがさわら丸」は、乗客を下ろすとすぐに近くの芝浦埠頭に回航される。貨物(コンテナ等)の陸揚げ作業や整備は芝浦埠頭で行う。
おがさわら丸回航
「おがさわら丸」は、16時05分頃、芝浦埠頭に向け、竹芝桟橋を出港(回航)
竹芝桟橋には30分少々しか停泊しない。
ゆっくり岸壁を離れる。
竹芝桟橋の狭い港内は後進
後進し、港内が広くなった位置で船体の向きを変える。
浅草から隅田川を下ってきた東京都観光汽船(とうきょうみやこかんこうきせん)の水上バスが目の前を過ぎる。
「銀河鉄道999」などで有名な漫画・アニメ界の巨匠・松本零士氏がデザインした宇宙船のような近未来型の水上バス。「ヒミコ」「ホタルナ」「エメラルダス」の3隻がある。
ゴールデンウィーク最中とあって上部デッキには、たくさんの乗客
水上バスは、竹芝桟橋のすぐ隣の日の出桟橋に向かう。
回航する「おがさわら丸」のすぐ目の前を通り過ぎていく。
通常1週間に1回しか東京港にやって来ない「おがさわら丸」を眺める水上バスの乗客
向きを変えた「おがさわら丸」は、前進し、レインボーブリッジ手前にある芝浦埠頭へ回航
隅田川の河口。橋の向こうは隅田川。
隅田川を遡った東京スカイツリーのすぐ近くには浅草がある。
芝浦埠頭に回航される「おがさわら丸」
「おがさわら丸」は、芝浦埠頭で貨物(コンテナ等)の積み下ろしや船体整備を行い、2日後(5月1日(水))の父島向け出港日まで芝浦埠頭で休息。
今回は、多客期にすぐに父島で折り返す便を利用し、往復48時間、現地滞在4時間半、2泊3日の弾丸旅であった。
東京都心と、亜熱帯の楽園・世界自然遺産の小笠原諸島を結ぶ「おがさわら丸」の旅が終わる。