本章 / 「ザ・ロイヤルエクスプレス」横浜から伊豆へ〜コース料理と生演奏〜【美しさ、煌めく旅②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

ザ・ロイヤルエクスプレスの旅(本章)
※記事は2022年(令和4年)12月当時



★前回記事↓↓





ザ・ロイヤルエクスプレスの旅(横浜から伊豆へ)
THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)は、東急が催行する豪華クルーズ列車。

東急グループの伊豆急行2100系5次車「アルファ・リゾート21」を改造した8両編成の直流形電車で、
内外装デザインは、JR九州の「ななつ星in九州」などを手掛けた工業デザイナの水戸岡鋭治氏。

列車名称の「THE ROYAL EXPRESS」は、列車のコンセプトである「煌めく伊豆。美しさ感じる旅。」を実現するべく、「伊豆の素晴らしい魅力を、さらに感じて頂けるような、気品と特別感のある観光列車にしたい」として名付けられた。

車中泊の設備は無いが、車内は、ゴールドクラスやプラチナクラスの客室、プラチナクラス用のダイニングカー、マルチカー等で構成。
列車のカテゴリー的には、各地で活躍する観光列車とは異なり、JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、JR九州の「ななつ星in九州」と同列の豪華クルーズトレインに分類される。


2017年(平成29年)7月21日に横浜駅〜伊豆急下田駅間で運行開始。季節ごとに異なる内容で、運行期間中は、概ね一週間に2回ほどの豪華なクルーズ列車旅を提供している。
音楽演出は、「ななつ星in九州」の初代音楽演出を担っていたヴァイオリニスト・大迫淳英氏が担当し、テーマ曲制作のほか、列車内外で演奏を行う。
車内の食事は、地元の有名シェフ等を起用。プラチナクラスは客席とダイニングカーが基本別々になっており、食事の際はダイニングカーでコース料理をいただく。ゴールドコースは客席で数段式の重箱に入った料理をいただく。いずれも飲み物はフリードリンク制。


2020年(令和2年)からは、夏季に北海道に貸し出され、「THE ROYAL EXPRESS
〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」として、北海道内の周遊クルーズも開始。JR北海道が企画し、東急、JR貨物、JR東日本が協力し運行。北海道内は大半が非電化区間で、直流形電車であるザ・ロイヤルエクスプレス単独では走行できないため、客車は、1・4・5・6・8号車の5両に減車の上、電源車(東急所有、元JR東日本「リゾートエクスプレスゆう」用のマニ50)を連結し、ディーゼル機関車(JR北海道DE15形)2機重連の牽引で、夏の北海道を周遊する。

また、2024年(令和6年)1〜3月には、四国に借り出され、JR四国、JR西日本、JR貨物、東急の協力の下、四国・瀬戸内「THE ROYAL EXPRESS 四国・瀬戸内クルーズトレイン」として、高松、琴平、松山方面の周遊を開始。
電化区間の走行であるが、四国内のトンネル断面の関係で、ザ・ロイヤルエクスプレス単独では走行できないため、客車は、1・4・5・6・8号車の5両に減車の上、電源車(東急所有、元J東日本「リゾートエクスプレスゆう」マニ50)を連結し、岡山〜高松間はJR西日本の電気機関車、四国内はJR貨物の電気機関車の牽引で、冬の四国を周遊する。





ザ・ロイヤルエクスプレスに乗車
横浜駅改札外の専用カフェ・ラウンジ「ザ・ロイヤルカフェ 横浜」「ザ・ロイヤルラウンジ」でひとときを過ごした後、11時30分頃、クルーの案内でJR横浜駅ホームへ移動


JR東海道線上り4番線ホームに、東急が所有する8両編成の「ザ・ロイヤルエクスプレス」が既に入線中

普段は東京方面に向かう東海道線上り4番線ホームに、特別なクルーズ列車が入線しているため、ホーム上の一般利用者も、このロイヤルブルーを纏った列車を眺めたり写真を撮ったりしている。


最後尾の8号車(プラチナクラス用客室)から乗車
8両編成は、観光列車では最大級
車内を通り抜けて、席まで移動

ドアの窓にもロゴ


7号車(プラチナクラス用客室)

チーク主体のインテリア
クリスマスの季節だけの特別な飾り付け

神社や寺で使用する格式高い格天井(ごうてんじょう)様式


6号車(プラチナクラス用ダイニングカー)

壁には水戸岡鋭治氏のイラスト

ショーケースもクリスマス仕様

組子細工

生演奏用のピアノ


2人用座席

ライトブラウンのペアウッド主体のインテリア

格天井
 

5号車(プラチナクラス用ダイニングカー)
車端部には組子細工で仕切られた半個室の4人用ブース席


座席にはクッションが置かれている。

組子細工の側窓

テーブルは折りたたみ式


5号車「プラチナクラス専用ダイニングカー」に着席。
5号車は、専属クルーが最低2名常駐し、5号車車内の各乗客へのサービスを行う。


5号車車端部のショーケース

伊豆地方ゆかりの品々が並ぶ。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、
横浜〜伊東間はJR東日本の東海道本線・伊東線、伊東〜伊豆急下田間は東急グループの伊豆急行の伊豆急行線を走行。
車内サービスは東急のクルーが担い、
運転士と車掌は、JR線内はJR東日本の乗務員が、伊豆急線内は伊豆急の乗務員が担う。

JR横浜駅ホーム

窓には、開閉式の組子細工の装飾

非日常空間の窓の外には、見慣れた横浜駅

格天井の形状は丸く、船の底をくるっと反対にしたような「船底天井」という。




横浜から伊豆へ
11時50分、横浜(よこはま)駅発車
静かな演奏が流れる中、壁の照明の光が揺らぐ。
静かにゆっくり走り出す。

ホームでは、駅員が横断幕を掲げ旗を振って見送り。





発車してすぐにウェルカムドリンクのサービス

西伊豆の松崎町内でしか出回らない希少なミカンを使ったジュース



心地よい音色のピアノ演奏が始まる。



ランチタイム
この便は、伊豆の食材を使った洋食コース


ドリンクメニュー

ドリンクは全て料金に含まれる。

伊豆の地ビール、静岡県産原料で仕込んだ日本酒、静岡いちごサイダーなど、豊富な品揃え

本場 静岡茶のほか、珍しい燻製紅茶などのメニューも。


地ビール「伊豆エール」

飲み物用のコースター。クリスマス特別仕様もあるがこれは非売品。



食事(コースランチ)は12時10分頃から開始

ランチのコースメニュー

この日の料理監修は、静岡県静岡市などに店舗を構える「旬香亭」。伊豆の食材を使用し、新しくて懐かしい洋食を提供。

最初は前菜3種盛り合わせ
左から、「豚肩ロースの幽庵焼き ワサビ漬け添え」、「ローストビーフの胡麻よごし」、「アジ干物のブランダード仕立て」
 

JR東海道本線の茅ヶ崎・平塚間で相模川を渡る。

相模川を渡る東海道線上り列車



大磯(おおいそ)駅付近から山が迫る。湘南・西湘地域は温暖な気候でミカン栽培が盛ん。国鉄時代から続く車両の「湘南色」のネーミングは、この辺りのミカンの実や葉の色に由来。

窓には、ザ・ロイヤルエクスプレスのロゴマーク

富士山が顔を覗かせる。

箱根連山と富士山

ゆっくりとした時間が流れる、冬晴れの昼下がり。



静岡いちごサイダー

ザ・ロイヤルエクスプレスのロゴマークの入ったグラス


次の料理は洋風牛すじ煮込み


早川(はやかわ)駅付近
この辺りから、海岸線沿いを走る。

額縁の中の車窓は、相模湾(太平洋)

後方には小田原の街

小田原の街の向こうは、この列車が通ってきた湘南・西湘地方。弧を描くように相模湾をまわり込む。


ピアノとヴァイオリンの生演奏が始まる。

旅を彩る音楽。景色や食事に合わせて、美しい音色を届ける。


次の料理が運ばれる。
金目鯛の白みそソース



ザ・ロイヤルエクスプレスのメインテーマ「THE ROYAL EXPRESS」の演奏が始まる。
作曲は「ななつ星in九州」初代テーマ曲と同じ中原達彦氏。

ヴァイオリンは音楽演出家の大迫淳英氏
以前はJR九州「ななつ星in九州」車内で演奏を担当。

音楽演出家・大迫淳英氏は、工業デザイナ・水戸岡鋭治氏と共に、「ななつ星in九州」など豪華クルーズ列車の音楽演出を担ってきた第一人者。「音旅演出家」を自称する。


小田原産みかん100%の根府川「八木下農園」みかんジュース


熱海(あたみ)駅を通り過ぎる。

隣には、伊豆急の2100系R-4編成リゾート21「黒船電車」。乗車中のザ・ロイヤルエクスプレスは伊豆急2100系R-5編成(アルファ・リゾート21)を大改装した車両で、黒船電車と姉妹車両といえる。


熱海駅からJR伊東線に入り、来宮(きのみや)駅を通過。



熱海を過ぎると伊豆半島に入る。

温暖な気候に恵まれた伊豆半島


次の料理はチキンチーズ焼き トマトソース



伊東海岸沿いを走行

温暖な伊豆半島を行く。

伊東温泉の老舗ホテル「サンハトヤ」。「伊東に行くならハトヤ」のコマーシャルで知名度が高い。


珍しい燻製紅茶
南伊豆・河津桜のチップを燻製材として使用。


照明の下には、クリスマスリース

床は寄木細工をイメージ

5号車車端部のショーケース

伊豆稲取の吊るし雛飾り、地元の名酒・ワインなどを陳列




コース料理最後は、
黒糖寒天とあんこのエスプーマ 栗の甘露煮添え


食後の紅茶


ランチが終了した頃、
伊東(いとう)駅に運転停車

ここから先は伊豆急行の伊豆急行線に入る。運転士・車掌はJR東日本から伊豆急の乗務員に交代。なお、車内クルーは、全行程を東急のクルーが担う。

伊東駅の駅員が見送り



川奈(かわな)駅
駅から車で約5分のところには、名門ゴルフコースを併設するリゾートホテル「川奈ホテル」がある。


伊豆高原駅に隣接した車両基地・伊豆高原車両区


東急電鉄から伊豆急に譲渡された電車が留置。
車両形式は、東急時代と同じ8000系。




13時43分、伊豆高原(いずこうげん)駅1番線に到着
14時15分頃まで約30分間停車し、ホーム等に降り立つことができる。
伊豆高原駅停車中は、ザ・ロイヤルエクスプレスの車内見学が可能
ホームでは、記念品の受取りができるほか、地元物産品の販売等もある。