さよなら札幌市電の古豪M100形「親子電車」【北海道✴鉄道巡り②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(札幌市電M100形M101号  @西4丁目停留場)



★過去記事↓↓↓






2021年(令和3年)10月31日(日)のラストランを以て引退予定の札幌市電の稀少車両、M100形M101号路面電車
「すすきの」停留場に、外回り循環の路面電車がやってきた。

他の車両とは違った塗装の古豪車両


札幌市電の警笛は、タイフォンではなく、珍しいトロンボーン笛


やって来たのは、
引退が近い札幌市電M100形M101号

札幌市電で "1両" しかない孤高でレトロな路面電車M100形「M101号車」。
2021年(令和3年)10月31日(日)をもって営業運転を終了し、引退する。

札幌市電の"M100形M101号車"は、ラッシュ時対策として、1961年(昭和36年)に日本車輌製造で試作的に一編成(M101号+Tc1号)だけ製造
かつては、閑散時間帯は単独で運転し、ラッシュ時は混雑緩和のため、M100形「M101号車」【親】に、増結車であるTc1形「Tc1号」【子】を連結し走行。そのため「親子電車」の愛称で親しまれていた。
増結時は、前側の車両には運転士と車掌が乗務、後ろ側の車両には車掌が乗務し、3人乗務体制だった。

その後、増結用のTc1形「Tc1号」は、1971年(昭和46年)10月に廃車となり、現在は札幌市交通資料館(現在、リニューアル工事等で休館中)で静態保存されている。

一方、1両残ったM100形「M101号車」は、ワンマン化改造され、現在まで活躍。
老朽化のため、還暦という節目でもある今回引退することになった。

札幌市電の旧型車両は「札幌スタイル」と呼ばれる丸みを帯びた車体だが、このM100形は他の旧型車両と比べると丸みが少ない。

塗色は、札幌市電の他の旧型車両が「STカラー」と呼ばれるバークグリーンとライトアイボリーの塗色に変更されていったが、このM100形車両は、唯一、デザートイエローとダークグリーンの旧塗色のまま。当時は無かった白帯を加えている。


前扉は2枚横開き式。運賃後払いのため、乗客はこの一番前の扉から下車する。


ワンマンカーの表示

非冷房のため、夏は窓を開け涼をとる。北海道の夏は、気温が30度を超える日もあるが、湿気が少ないため、窓から車内に入る風はいささか爽やか。

側窓は、昭和30年代に流行した上段固定・下段開閉式のいわゆる「バス窓」スタイル。戸袋部分の窓を除き、下段窓が開く。

中扉は両開き式





系統表示灯をはさみ、前照灯は2灯とも前面窓下に配置


札幌市電は、全区間均一運賃大人200円・小人100円、
後ろ乗り・前降り

ドアが開いているときは、「乗降中」ランプが点滅する。




「すすきの」停留場から、外回り循環の
M100形M101号電車に乗車

車両前後にある降車客用の出口。進行方向前側のみドア扱いを行い、後ろ側は締切。


2枚横開きの扉




札幌市電で丸型(輪)の吊革が残る最後の車両(一部分は三角型吊革に取り換え)

車両の前後に運転台


車内には、俳優・大泉洋のサイン。この車両が映画撮影で使用されたそう。


運転台




運転台上部




運転台上部には車輌製造プレート

昭和36年日本車輌製

方向幕表示順位表







「すすきの停留場」発車

後方車窓

正面は大きな一枚窓


吊り掛けモーターの音が唸る。





車内は非冷房。窓が大きく明るい車内。

中扉の戸袋窓隣の小窓

窓開閉用つまみ

降車知らせ押しボタン

中扉は両開き式。運賃後払いのため、乗客はこの中扉から乗車する。均一運賃のため整理券発行機は無い。

大きな中扉



ドア下にはステップがある。


停留場に停まり、乗車用の中扉が開く。

中扉の戸袋部分の窓

両開きの中扉が閉まる。





後方車窓。内回り循環の旧型路面電車とすれ違う。

加速時には、吊り掛けモーターが唸る。


札幌の街を一望できる藻岩山(もいわやま)が見えてくる。

軌道が分岐し、電車は交差点を右に曲がる。

分岐した軌道は、電車事業所(車庫)に延びている。

交差点の脇に、札幌市電の電車事業所(車庫)がある。



「電車事業所前」停留場



「ロープウェイ入口」停留場ここから、「札幌もいわ山ロープウェイ」乗り場(山麓駅)までは約600m、徒歩10分程。無料シャトルバス便もある。






後方に藻岩山が見える。


















大通公園に近い「西4丁目」停留場に到着
ここで下車

集電装置は、製造当初はビューゲルだったが、後にZ形パンタグラフに換装。2015年(平成27年)に車体先頭の行先表示器をLED化







「西4丁目」停留場を発車するM101号電車





一旦、信号待ちのため停車








信号が青になり、2015年(平成27年)に開通した「都心線」へ。

西4丁目〜狸小路〜すすきの間の「都心線」開通により、環状線化(ループ化)された札幌市電









2021年(令和3年)10月31日(日)、孤高の札幌市電「M100形M101号」引退

M100形M101号車は、引退後は、2022年(令和4年)秋の札幌市交通資料館リニューアルオープン時に、「親子電車」だった頃の増結車両「Tc1号」(既に引退)と共に展示される予定。





徒歩で札幌駅へ

札幌テレビ塔と大通公園



札幌らーめん「味の時計台 駅前総本店」




北海道の鉄道の玄関口・JRの札幌駅


札幌駅の「宮越屋珈琲」
宮越屋珈琲は、札幌円山坂下に本店を構える、1985年(昭和60)年創業の、北海道では有名な珈琲店。北海道札幌を中心にいくつか店舗があるほか、東京銀座など北海道外にも店舗がある。

店内天井には変わった形の照明

アイス珈琲



JR札幌駅のホームへ。





※2021年(令和3年)夏



(次回に続く)