帰港・国内離島航路最大級の貨客船「おがさわら丸」(小笠原海運①) | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


(東京港に入港する小笠原海運 おがさわら丸)

※撮影日:2019年(令和元年)7月



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東京港竹芝客船ターミナルに隣接するニューピア竹芝サウスタワー(東京都港区)。
このビルの3Fには、小笠原諸島専門の旅行会社、(株)ナショナルランドがあり、都会にいながら世界自然遺産・亜熱帯の小笠原諸島に思いを馳せることができる。

ナショナルランド店内には、各種旅行商品のほか、小笠原諸島の書籍や、引退した先代「おがさわら丸」、先代「ははじま丸」のタオル、伊豆・小笠原航路(東海汽船、小笠原海運、伊豆諸島開発、共勝丸等)の各船ペーパークラフトなども販売

小笠原航路究極の小型貨物船(以前は貨物船に一般客の便乗可能、その後貨物専用)だった「第二十八共勝丸」の引退記念タオルも販売

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東京港・竹芝客船ターミナルへ(東京都港区)

ここは、伊豆諸島航路(東海汽船)、小笠原航路(小笠原海運)、レストランシップ(東京ヴァンテアンクルーズ)、夏季の東京湾納涼船(東海汽船)の発着場

朝夕の高速ジェット船発着、夜の大型客船や東京湾納涼船発着時は、人でごった返す竹芝客船ターミナルも、船の発着のない日中は閑散

乗船券発券窓口






客船ターミナル内の店舗。
食事処「鼈甲鮨(べっこうずし)」(※平日の日中のみ営業)
メニューは、伊豆大島名物の漬け寿司「べっこう寿司」や「海の出汁ラーメン」など。


店内のインテリア

べっこう寿司+野菜ポトフ(薄塩味)セット(1,000円)

べっこう寿司は、ネタを島唐辛子と醤油のタレに漬け、べっこう色をした漬け寿司。
緑の葉は、伊豆諸島名産の明日葉(アシタバ)。


野菜ポトフ付き


持ち帰り用の、船を型どった箱に入ったべっこう寿司のお弁当「島島弁当」も販売(700円)


伊豆諸島近海で採れた白身魚(メダイ)を、島の名物・青唐辛子醤油に漬けた、いわゆる漬け寿司
べっこう色をしているから「べっこう寿司」。
緑色の葉は、栄養価が高い伊豆諸島名物の「明日葉(あしたば)」🍀
箱の下には、伊豆諸島の海水塩を使用した飴が隠れている🍬



客船ターミナル内には、伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップ&カフェ「東京愛らんど」もある。

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定刻より少し早い15時過ぎ、レインボーブリッジをくぐり、一隻の白い客船が東京竹芝桟橋に近づいてくる。
入港の合図である汽笛を2回鳴らす。


小笠原海運「おがさわら丸」

東京竹芝(東京都港区)~小笠原諸島(東京都小笠原村)父島 約1,000kmの航路を24時間で結ぶ大型貨客船。

航路図(小笠原海運パンフレットより)

運行は通常期で月に4~5便、繁忙期は月に6~8便。
時刻は、往路 東京 11時発→父島 翌日11時着、
復路 父島15時30分発→東京 翌日15時30分着


国内離島航路最大級の貨客船

2016年(平成28年)7月2日就航
総トン数 11,035トン
全長 150メートル
全幅 20.4メートル
旅客定員 894名
航海速力 23.8ノット
建造所 三菱重工業下関造船所

1968年(昭和43年)に米国から小笠原諸島が返還され、1969年(昭和44年)に小笠原海運株式会社創業

1972年(昭和47年)から本土と小笠原諸島を結ぶ定期航路が開設され、椿丸(1,016トン、東海汽船から傭船)、父島丸(2,616トン、関西汽船の浮島丸を購入)、初代おがさわら丸(3,553トン)、二代目おがさわら丸(6,700トン)を経て、現在のおがさわら丸(11,035トン)は三代目。

空路のない小笠原諸島にとって、「おがさわら丸」は、本土と小笠原諸島を結ぶ唯一の交通手段



「おがさわら丸」は着岸作業に入る。

船客定員増加のため、先代船よりデッキが一層増やされ大型化

小笠原諸島・父島の二見港桟橋の限られた岸壁の範囲内で、船の垂線長を可能な限り長くするため、船首は垂直ステムを採用


荷役設備として船首と船尾には、デリックを各1基装備。船首甲板は貨物倉、5デッキの船尾方はコンテナ搭載スペースとなっている。






ファンネル(煙突)

船尾



「おがさわら丸」は、自動車を積載するカーフェリーではなく、自動車積載スペースがないため、船底まで客室がある。船底の2デッキから屋上の8デッキまである。

船尾にはコンテナを積載。岸壁への係留設備はかなり低い位置にある。





4デッキにある乗下船口





15時30分、東京竹芝桟橋に着岸

下船用タラップを船体に取り付ける。

船尾では、一部のコンテナをいったん船から降ろし、コンテナを開けて中から小荷物を出す。







一部コンテナの陸揚げ作業

横長の大型コンテナ




コンテナの扉を開き、中の小荷物を出す。


タラップから乗客の下船が始まる。


乗客にとっては24時間ぶりの陸地。亜熱帯の楽園の島から、現実に引き戻される瞬間。



「おがさわら丸」のコンテナ積み降ろし作業は、ここから少し離れた芝浦ふ頭に船を移動させて行うが、一部小荷物だけここで下ろすため、いったん数個のコンテナを船から降ろし、中の小荷物を出した後、再び当該コンテナを船に積み込む。

(続く)