今の仕事に満足していない人は、「今やっていることは嫌いだ。こんな無駄なことはやりたくない！」と思っているかもしれません。しかし、人生に無駄なことなんて、何一つとしてありません。
大好きなことをやっていく上で、これまで無駄だと思えたことがすべてあなたの栄養になったということが、後々わかってくるでしょう。第一線で活躍している人たちにも、いろいろな下積みの時代があって、その時代があったからこそ、今の才能が花開いているのです。
たとえば、俳優や歌手として活躍している人たちが、複数のアルバイトを経験したり、会社員だったりしたというのはよくあることです。
後に作家になる人が、サラリーマン時代に出会ったさまざまな人物、たとえば、とても嫌みな上司を漫画や小説のネタにすることがあります。そのときは暗いサラリーマン生活でも、後から考えると、そのときの貴重な体験は、取材活動の一環だったといえるでしょう。ただ、取材を先にやっていたにすぎないのです。
作家の場合にかぎらず、お店や会社を経営するときも同じです。嫌な上司について初めて、人間関係の難しさを学べたのです。本当にすてきな人に出会わなければ、そのありがたさや楽しさもわかりません。ボーナスが出る、出ないというインパクトも、社員の立場を経験しなければわからないでしょう。
そういった意味で、あなたがやっていることは、まったく無駄にならないのです。
だから、「今」を楽しむという感性が重要になってきます。
今やっていることがどのように役に立つのかわからないけれど、せっかくやるなら楽しもうという感性が、実は大好きなことを見つける最短距離でもあるのです。
本田健 「大好きなことをやって生きよう！」
第３章 大好きなことはどうやって見つけるのか？より
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