こんにちは、兼業トレーダーのTAKUです。![]()
金融ニュースを見ていると「FRBは政策金利を0.25~0.50%に誘導」や「日銀は無担保コール翌日物金利をゼロ%程度に誘導」といった表現を目にします。
同じ「政策金利」でも、アメリカには“上限・下限のレンジ”があるのに、日本にはそれがない――。なぜなのでしょうか?
米国(FRB)の仕組み:レンジでコントロール
アメリカの政策金利は「フェデラルファンド金利(FFレート)」です。
これは銀行同士が一晩資金を貸し借りする際の金利で、市場で決まります。
FRBはこれを直接固定するのではなく、上限と下限を設定した“目標レンジ”に収めるよう誘導します。
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上限:準備預金に付与する金利(IORB)
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下限:リバースレポ金利(ON RRP)
こうすることで、市場金利が大きくブレずにレンジ内に収まる仕組みです。
日本(日銀)の仕組み:一点で誘導
一方、日本の政策金利は「無担保コール翌日物金利」です。
日銀はこの金利を“ゼロ%程度”といった単一の水準に誘導します。
さらに、2016年からのマイナス金利政策では、銀行が日銀に持つ当座預金残高を「三層構造」に区分し、
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一部にはマイナス金利(例:-0.1%)
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一部はゼロ%
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一部はプラス金利
という仕組みを導入しました。事実上の“下限”はあるものの、米国のように明確なレンジは設定していません。
違いが生まれる理由
ではなぜこの違いがあるのでしょうか?
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金融市場の構造
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米国はインターバンク市場が巨大で金利が動きやすい → レンジ誘導で柔軟性を確保。
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日本は市場規模が小さく、日銀のオペレーションで直接金利を動かせる → 単一点誘導で十分。
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政策運営のスタイル
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FRB:市場メカニズムを尊重し、レンジで“方向性”を示す。
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日銀:直接的に市場をコントロールするスタイル。
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歴史的背景
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米国:リーマンショック後、銀行準備が急増 → レンジ方式へ移行。
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日本:長年のゼロ金利・マイナス金利政策 → 一点誘導のほうが実効的。
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投資家視点でのポイント
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米国金利は“レンジ”で動くため、FOMC後の声明で上限・下限の幅をどう変えるかに注目。
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日本金利は“一点誘導”なので、日銀がゼロ%を維持するのか、あるいはプラスに転じるのかという方向性が重要。
つまり、同じ「利上げ」「利下げ」でも、米国はレンジのシフト、日本は水準の変化として捉えると理解しやすいでしょう。
☑結論
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米国:レンジ誘導(市場と共存するスタイル)
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日本:一点誘導(日銀が直接押さえ込むスタイル)
※日米政策金利比較
この違いを理解すると、日米の金融政策を比較する際にニュースの読み解きがぐっと楽になります。
また、FXや株式投資にも使える知識なので、理解しておくとタメになると思います。![]()
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