おはようございます
Mick先生の感想の続きです
入場開始から1時間弱、殆どの人が着席状態となった。一部、まだドリンクや食べ物の注文の真っ最中の人もいたが。
いよいよバンドメンバーがオンステージでスタンバイ。登場と共に常連とおぼしき人達から大きな拍手や声援が起こった。それで客席も一気に臨戦態勢?の雰囲気となった。ピアノは、布施さんと長年の音楽パートナーである井川雅幸さんだ。
さて、いよいよ布施明の登場となる。ステージ上手袖には、屈強そうな浅黒いガードマンも鋭い目を光らせている。我々のすぐ右下のドアからさっと現れステージ中央へ。盛大な拍手が起こる。彼は、中央を通り過ぎ、すぐ側の客席に向かって、「泣くなよ~!」(と聞こえた)と言ったかと思ったら、伴奏と共にいきなり歌い始めた。まさかのスタートだった。
まずは観客に向かっての挨拶とか、何らかの演奏が始まってから、おもむろに主役が登場して1曲目が始まる。そんな型どおりの予想は、木っ端微塵に粉砕された。いきなり、歌の世界に引き込まれ、もう何曲目かを聞いているかのような心持ちになってしまった。立て続けに何曲かのジャズナンバーを歌った。声の衰えは全く感じない。途中で挟むおしゃべりも昔から変わらず軽妙で、頻繁に笑いを誘っていた。
Something Jazzy というタイトルは、オリビアとの愛息が、父親の歌を聴いて言った感想の言葉だったという。「なんかジャズみたいなものって、酷い事言う」ととても嬉しそうにぼやく姿は微笑ましかった。
「今日は、日本語の歌は3曲だけ唄います」と言って、聴衆の心にも寄り添ってくれることを忘れない。その中にとても好きな曲が含まれていた。「ピエロ」作詞・作曲:布施明 編曲:井川雅幸(本人は、紹介の時、作詞は自分で、作曲は井川さんだと言っていたけど、実際はどうなんだろう?)悲しい片思いの男の歌。例によって、歌劇のようなスタイルで、心をその世界に連れて行ってくれた。ウルッときたことは言うまでもない。
ジャズナンバーもよく知っている曲があった。Somebody Loves Me「誰かが私を愛している」だ。独特のアレンジで、まるで違う曲のように聞こえたが、それも布施ワールド全開だった。
珠玉のひとときは、瞬く間に過ぎる。アンコールに応えてもう1曲。終わって、大きく男性の声で「アンコール!」と場内割れんばかりの拍手。ちなみにその男性は、意外に若い人らしく、布施さんのライブには常連でもあるらしいことを、ある布施さん追っかけのYouTuberさんが言っていた。「おじさんの声で言われてもなあ」みたいなことを言ってぼやいていたが、それも今から考えると、お約束みたいなものなのかもしれない。
「特別だよぉ!」の一言で始まった曲は「君は薔薇より美しい」!唄いながらアリーナをゆっくり握手攻めに遭いながら一周。場内は最高の盛り上がり!かなり遠くの位置に居た人も何人か握手を求めて殺到して、例のガードマンも必死で布施さんを守っていた。とはいえ、布施明ファンは概して行儀の良い人ばかり。混乱無くフィナーレを迎えた。しばらく鳴り止まない拍手!
久しぶりに味わう、非日常世界に浸ったひととき。余韻に浸りながら、会場を後にして、地下鉄の駅に向かい、帰途についた。
来年はデビュー60周年。更に円熟味を増した布施明にまだまだ期待の炎は燃え続ける。
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