そよ吹く風


君のいない道の上
最初の一歩からためらう
少なくとも どちらから
踏み出しても何も変わらない

涙を流す雲が
視界を遮断していく
はっきり言えば 言い訳なんだ
すべてを何かのせいにしてる

そよ吹く風 揺れる我が心
草木のようにゆらゆらゆらと。
気のせいかな?
君が太陽に見えるのは……
気がつけば雨は止んでいた



物の価値を見いだせば
世界はもっと歪んでいく
嬉しくても 泣いていて
辛いのに 笑っている

羽ばたいていく 綺麗な色の蝶
花びらのようにひらひらひらと。
舞い散ることは
どんな命にもあること……
春の季節に何かを悟る



大人になればなるほど
さよならが重く感じる
得体のしれないものに
僕らは暗示をかけられていた



君のいない道の上
相変わらず僕は立ってる
季節巡り 今もひとり
踏み出せば何かが変わるかな?

そよ吹く風 歌う我が心
言葉はなくただラララララと。
聴こえるかな?
晴れ渡る空を伝って
どこまでも僕は駆けるよ

いつの日か君に会えると
春の季節は教えてくれた



シャボン玉


見たくないものを見せられ
閉ざしたものこじ開けられ
希望を抱いては奪われて
蘇生しては壊される

やがて愛にもたれ掛かり
形なき故に支えを失くし
浮遊して シャボン玉のように消え

夢や明日や未来や永遠を
憐れんでしまえば
どんなに楽なことかと
思いながらまた夢を見る


春のそよ風


あまり考えたこともなかった
この美しく醜い世界で
何のために生き 誰を愛し
身を枯らしていくのか

喜びと悲しみは
果てなき宇宙(そら)と同じ
明と暗の必然
受け入れるべき使命

また一つ 悟る
また旅立つ 記憶