*本城のNIPPON歩き*~宮島・厳島神社 7~ | ● ヤバイゼ NIPPON!! ●

*本城のNIPPON歩き*~宮島・厳島神社 7~

再び、広島港へ戻ったのは、もう夕方も薄暗くなった頃だった。

広島市内に住む友人とも会いたかったが、出張という名目の手前、その日の最終で東京へ戻らなければならず、電話を入れた。


「え~!沙衣ちゃんが来るっていうから、プレゼント用意しておいたのに~!」


かなり残念がってくれていた友人。


「プレゼント?」

「そうそう!予約入れておいたんだけどさ」

「そうなの?」


“予約”と言っていた友人の言葉から、“物”ではないということは容易にわかった。


「地元でも、あんまり知られてないんだな~これが」

「なになに?」

「今度、来た時までに秘密だよん!」


友人のその物言いから、かなりの自身あるプレゼントのようだった。


「もう!……ごめんね…」

「いいって」

「今度は、ちゃんと旅行で来るからね」


『地元でもあまり知られていない』という友人が用意してくれたプレゼントのことが、かなり気なって、帰りの新幹線の中でネットで調べてみた……けれど、検索するにも単語すら想像することが出来ずに、それは、今度のお楽しみと、無理矢理、自己完結した。


新幹線の中では、あの厳島神社の大鳥居の威厳ある姿が思い出されていた。

そして、私自身が古代へとタイムスリップさせられてしまった程の、あの場の雰囲気と空気。

何処までも神秘的で、それでいて圧倒的な存在感が頭から離れなかった。

そして、目に焼き付いたあの姿が、新幹線の窓の外に流れる夜の景色の中に浮かんでは消えていた。


私は、突然、ドキっとした。

写真で見ていただけの憧れ。

手に触れることが出来るくらいの至近距離で観ていたはずの大鳥居が、何処か遠い存在にも感じられていたのも事実。

あれ程の感動があったのにもかかわらず、遠い存在と感じてしまったのはどうしてだろう!

そのような思いが、私を支配した。


東京駅へ着くまで、ずっと自問自答を繰り返し、やっと答えが出たのが、既に車内アナウンスが『次は東京駅です』と耳に入った頃だった。

単純すぎる理由だったのかもしれないけれど、私の中では悔しさとか後悔とか残念とか……様々な思いが交錯していた。


>>つづく


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管理人:ケネヂのつぶやき





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