(J)2011.11.14現代文解説 | 講師対談 〜僕らの学問〜

講師対談 〜僕らの学問〜

当ブログはTwitter上での国語講師城福博之と英語講師天藤崇のバトルのまとめや補足を行う場所です。内容に関するご感想はご批判を含め大歓迎ですが、真面目に議論をする気のない方やひやかし目的での書き込みはご遠慮ください。

周平の視線は自然と月に吸い寄せられた。遥か遠い場所にあるその月を見ながら、穏やかな気持ちに包まれていく。「お月様はすごいな。こんな漆黒の闇の中にまで太陽の光を届けてくれるんだから…俺にもお月様のような力があったらな」と呟きながら周平の脳裏にある出来事が浮かび上がって来た。


前回の周平の続きです

冒頭から月に視線が自然と吸い寄せられ、その後穏やかな気持ちに包まれるとあります。

このとき、「穏やかな気持ち」の明確な内容がわからないですよね。

入試問題でもそうですが、具体的に内容がわからない場合にはその後の本文にヒントがないかを探してみてください。

今回は発言内容に「月がすごい、月のような力があれば」とあります。ならば、月に対してポジティブな感情、親近感、憧れのようなものを把握できますよね。

そうすると、次のポイントはいったいどんな「力」のことを言ってるのかを把握しておかないとダメですね。

「闇の中にまで太陽の光を届けてくれる」とあることから、あえて太陽自体ではなく間接的に太陽の光を届けている月を強調しています。その点に彼は憧れているんですね。

そして、その後に「脳裏にある出来事が」とあるので、今述べたようなことに関連する回想シーンが始まることを暗示しています。こんだけ情報を持った状態で、回想を理解してください。

この点で、小説も評論も同じですよね。具体例は何を言いたいモノなのかを理解した上で文章を読んでいきましょう。


月は古文でもよく重視される自然物ですよね。また、今後そういった和歌も紹介していきたいと思います。