野方の輝道家。
新中野の武蔵家出身で、武道家の初代大将の菊池輝氏が店主を勤める有名店。
ここからの枝分かれで池袋の皇綱家がある。
俺が家系ラーメンに今みたくハマる前、たまたまたどり着いた事がある。
その時は味というより接客が印象的だった。
いーらっしゃいませぇぇーえ?
あーりがとぉーござぃましたぁぁーあ?
語尾も上がるし伸ばすし声大きいし。
店員も客もよく笑わずにいれるなと思ったものだ。
この声を聞きに頻繁に訪れていたと言っても過言では無かった。
家系ラーメンが好きになり、詳しくなっていくにつれて美味しい家系ラーメンで名前上がるすごいお店だったんだなって知る。数年ぶりの再訪。
記憶を辿ると、大塚の野中家の如くピンクのスープで家系臭さと味の濃さがMAXだったイメージがあった。
一緒に行った人間に、接客面白いよ!味凄いよ!と過去の記憶を頼りにハードルを上げて伝える。
ニヤニヤしながら入ると、まず接客が普通に戻っていた。
むしろ声小さめ。
あ、辞めたんだアレ、、、
そして着丼した後も見た目が全然イメージと違う。
食べてみても過去のイメージとは別物。
相変わらず味は濃いめだが、思ったより家系臭さは無い。
進化したのか、俺の味覚が変わったのか。
一緒に行った人間のハードルを上げてしまった事に後悔。
家系ラーメンの名店の一角に位置するだけあり、しっかりとした個性とオリジナリティをもつ。
カエシの塩味が際立ち、エッジの効いたキリッとしたスープだ。
家系臭すぎず、濃い味が好きなら好きであろう。
俺甘党だからもっとまろやかが好み。
この経験は俺の中で考えさせられた。
もしかしたら、昔マズイと思ったお店も、美味いと思ったお店も、自分の味覚が変わった今は感じ方が違うのでは無いか。
お店も進化してるだろうし、過去の経験にすがらず、常に情報をアップデートしなくてはならない。そう思った。
もう一つ、味覚によって感じ方って変わるから、美味しいも美味しくないも本当に人それぞれなんだなって再確認できた。
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