ふと思い出したよあいつの事。
あれは2000年夏。
夏祭りのときだった。
俺らの仲間で童貞の奴がいたんだ。
名前は高見『仮名』
仲のいいやつら15人ぐらいが集まって騒いでいた。
そのうち1人の女の子と高見がいい感じになってきて、こりゃ童貞卒業だななんてからかってたんだ。
しばらくして女の子がトイレに立つと高見も危ないから送るよと席を立つ。
女の子にばれないように俺達にVサイン。
俺達も高見にVサイン。
あーこれでついに奴も男になるのか。
帰ってきた奴になんて言葉をかけたらいいかなんてワクワクしながら待ってた。
そんな事を考えながら30分後、渋い顔をしながら2人が帰ってきた。
その瞬間、俺達は全てを悟ったよ。
うまくいかなかったんだなって。
ただ奴の顔はどこか誇らしげだった。
いつもとは変わって、少し大人になった奴の顔は眩しかったな。
あまり2人には触れないという暗黙のルールが出来上がり、縁もたけなわお開きとなった帰り道。
男だけになった俺らに高見は言ったよ。
『お前らが言ってた女の身体と違ったぞ。触っても全然濡れなかった』
俺達は童貞ゆえのテクニックのなさといきなりの野外プレイという高いハードルに女の子がその気にならなかったんだと思い、その日は朝まで慰めた。
後日になってわかった事なのだが、
高見がいじっていたのは女の大事な所ではなく、アナルだったそうだ。
女の子曰く、いい感じになったのちにそういう雰囲気になり、
身をゆだねた所、あろう事か奴は真っ先にアナルに手を伸ばしてきたらしい。
最初はレベル高い人だなぁと成り行きに身を任せていたそうだがそれが10分続き、指を入れて来ようとした時に気持ち悪くなってやめたそうだ。
それを聞いたその日から奴のアダ名は『アナル高見』になったよ。
あれから、随分立つ。
アナル高見は元気にしてるだろうか。
間違った方向に行ってなければいいが。
南無。