社会に放たれて10年。
醜い争いを目撃してきた。
隣の者を蹴落とし、
自分が這い上がるため、
足の引っ張り合い。
口から出る言葉は、
不平不満や愚痴ばかり。
酒の席では、
誰かの悪口を肴に楽しみ、
酔いしれる。
会社という組織で一緒に働く者。
それを世の中では「仲間」言うようだ。
■絶望の世界
学生の頃、漠然と思っていたこと。
「サラリーマンとして飼い慣らされたくない。」
しかし、会社に所属してしまえば、
その中で生きていくためのルールに拘束される。
生活の糧を握られた自分は、
それに従う以外の選択肢はなかった。
牙をむき出しに生きてきた学生時代。
将来に対する夢みたいなものを持っていた。
友と呼ばれる存在の人間と、
酒を交わしながら、
将来への期待を語り合ったこともあった。
社会に出て思い知らされたこと。
「夢」や「未来への期待」を口にすることは、
自分の身を危険にさらす事だった。
その言葉が表現されてしまえば、
白い目で見られ、現実が見えていないと
迫害を受ける対象になる。
そこにはもう「希望」は存在しなかったのだ。
■真の仲間とは?
身体を鍛える過程で合流した「仲間」。
自分自身で選択した戦略を基に、
トレーニング方法を構築し、
理想の身体を創り上げていく。
そこには誰からも『指図』される事のない世界が広がっている。
自分自身を高めるため、
自分の理想の身体を具現化するため、
自己実現を追求していく意志だけで前に進む。
同じ頂を目指すという事だけで繋がった関係。
会社という組織で合流した「仲間」とは違い、
「夢」や「未来への期待」、「希望」を
互いに語り合い、称え合える関係なのだ。
利害関係など存在しない。
互いに手を取り合えるときは支え合い、
そうでないときは競い合う。
切磋琢磨し、叱咤激励しながら、
高みを目指し続ける。
自分の求めている仲間とは、
「意志」で繋がった者同士のことを指しているのだ。