普段は身体を苛め抜く自分。
身体を鍛える際は、
筋肉がプルプルするほど、
「高負荷」で追い込み、
自分自身に「足つぼ」を行っている際も、
痛いと感じながらも、
「良くなれ~、良くなれ~」と念じ、
更に強く揉み、痛みに耐えている。
「足つぼ」は、痛ければ痛いほどよく効くとされているため、
痛いところは特に揉みつぶす。
そんなMっ気たっぷりな自分だが、
妻に「足つぼ」を施すときは、
人格が変わってしまうのだ。
■鬼軍曹登場!
妻に「足つぼやって~。」と言われると、
まず自分は、食事から1時間以上経っているか確認する。
確認後、施術に入る。
指で行うと、自分も痛くなってしまうので、
妻にやる際は「あんま棒」というギヤを駆使する。
妻は床に寝そべり、リラックスした状態。
自分は妻の左足を手に取り、
「あんま棒」を構え、「足つぼ」を始める。
腎臓・輸尿管・膀胱・尿道のつぼをよく刺激したら、
次に指先に移る。
親指には頭に関するつぼが密集している。
決まって妻が痛がる場所。
押した瞬間、あまりの痛みに足をものすごい勢いで引く。
そして、決まって聞く。
「今のは、何のつぼ?」
「○○のつぼだよ。」と自分が言うと、
恐る恐る観念したかのように足を差し出す。
妻の顔は苦痛で歪んでいる。
しかし、自分は止めない。
良くなるためと信じているから。
鬼軍曹にでもなったかのような気持ちで、
痛みから逃げようとする妻の足を
ぎゅっと握り締め、刺激し続ける。
終わった後は、痛みに耐えたせいか、
完全に脱力し、すっきりとした顔をしている。
そして、小声で「ありがとう」と言ってもらえるのだ。
■ストレス発散?
小さい頃、「女の子には優しくしなさい」と
教え込まれた。
今でもその訓えは守っている。
しかし、「足つぼ」に関しては違う。
どんなに妻が痛がっても、容赦はしない。
優しさで愛を与えるのと同じように、
あえて痛いところを揉み解して、「楽」にさせてあげることで
愛情を表現しているのだ。
決して、普段の鬱憤(うっぷん)を晴らそう、
ストレス発散しようと思って行っているわけではない。
妻はそうに捉える部分があるかもしれないが、
妻の身体を労わるために行っていると自分は思っている。x