逮捕にはいくつか種類がある。現行犯(準現行犯)、緊急逮捕、通常逮捕。大まかにわけるとこの3つ。
細かい事は省き、もし逮捕されたらどうなるか。
現実問題は狙われるか狙われないか?だ。
狙われるというのは要は犯罪として立件したいかしたくないか?つまり、上は仕事をしなくてはいけないので、犯罪者が0だったら困る訳だ。もし仮に狙われたら…御愁傷様。まずどう足掻こうと無理。
狙われるのは基本的に社会的な地位が無い人間かもしくは逆。地位がある人間。
さて、逮捕されたらどうなるか。まずはパトカーの中で逮捕状なり容疑の確認なり日付、時刻の確認をされる。その時点で外部との接触は弁護士を通じるしかない。所轄の警察署で所持品の没収。取り調べを受ける。
勿論、何か犯罪を犯したした人間なら納得がいく流れだが何も思いあたる節が無い人間ならたまらない。
一般人が弁護士に知り合いがいる訳が無い。そして思いあたる節がないから当然「知らない」というだろう。
勿論、犯罪をした訳ではないので証拠など無い。なので簡単に出られると考えるはず。
だが現実は甘く無い。…そう狙われたのであれば証拠など必要無いからだ。
  「知らない」
当然でる言葉は罪状認否となる。
これがどういう事かわかる人は少ないだろう。そう。僕もまったくその時はわからなかった。簡単に出られるとしか考えて無かった。
何もしてないのだから。

所轄の警察で取り調べが終わると署内、もしくは近くの署の留置所に入れられる。
留置所とはいえ檻の中。中には捕まった人間が何人かが入れられている。ただ、起訴される前だから当然そのまま出られる人間もいる。
ここでまず考えるのは外部の人間への連絡だろう。
ところが二日間(48時間)は接見禁止である。どうしようも無い。
食事は弁当。タバコは持ち込み禁止の為に自費で購入だが手続きを終え届く迄に数日掛かる。また自由には吸えない。
数時間の取り調べを終え考える事はとりあえず二日間過ぎたら誰かに接見は可能なはず…である。

ところがだ。
ここからが運命の別れ道。
もし狙われていたら…そう。弁護士以外誰にも接見出来ない事になる。
何故か?
2日後に検察官との話が待っている。
これは簡単な裁判みたいなものだと聞いた。
これが茶番劇。
こちらは何もやってないから事情を細かく説明して訴える。…そう。「知らない」と言うだろう。
するとだ。罪状認否として更に【二週間の接見禁止】となる。当然、逃げる意思があろうとなかろうと二週間拘留される訳だ。
二週間。これが更に精神に追い討ちを掛ける。
何もやってないのに毎日毎日、罪を認めろと言われるのだ。そう。やってない罪を。二週間位ならなんとか…そう考える人間もいるだろう。
だけど更に知らない厳しい現実が突き付けられる事になる。
徐々に、徐々に精神が蝕まれていく事になる…
自分自身の精神状態が中々安定しない。
これは一生続くだろう。
僕は以前の職業柄、法律を勉強した。個人的にも好きな分野でもあった。行動や思考で判断に迷う時、それが善か悪か…悩んだことがある人は多いと思う。
僕はその判断基準として刑法を勉強した。
決して判断を間違え無い為に。
そして結果的に僕には前科がついた。
そう。完全に冤罪である。
司法を信じ裏切られた。

僕の中の正義は砕け散った。

思い出したくないけれどずっとずっとずっと

脳裏に浮かんで繰り返される。

ああ…先生が言ってたのが当たったよ。僕は犯罪者になってしまったんだ。

何一つ悪いことはしてないのにね。

早く忘れたいけれど誰かに知って欲しいから少しずつ書きとめていく。

誰がなんと言おうと無実の罪で犯罪者になってる人は間違いなくいると言う事を。
誰でも犯罪者に仕立てあげられてしまう現実を。
家庭訪問。
小学生のイベント的なこの行事。
僕の父親は船乗りだったのでまず無縁だったがこの時は違った。
よりによって担任がMの時。
今でもはっきり覚えてる言葉。
「このままだと録な大人になりません。」
ここぞとばかりに父親は「言う事聞かない時にはビシバシ叩くなり何なりしてください。」
…呆れた。仮にも本人の目の前でそんな事を言うだろうか?
また父親も父親。冗談でも体罰を黙認する台詞を言う……まぁ言ってもおかしくない人物だ。何かを期待した自分が馬鹿をみる。
後々の事だけど僕は警察に父親を引き取りに行った事がある。
酒を飲んでタクシーの運転手と喧嘩。無線で仲間を呼ばれ相手を撃沈。警察を呼ばれ警察相手に大暴れ。警察もてにおえず迎えに来いとの事だった。
子供は親を選べ無い。血塗れの興奮した父親を連れて帰る息子なんて世の中に何人居るんだろうか?

…話を戻し、その後の担任Mはまるで水を得た魚のごとく事あるごとに「お前の父親から許しを得ている」と言って僕を叩いた。
理由はわかっている。僕が生意気だからだ。何故そんな態度をとったか…。当然嫌いだからだ。
こんな嫌な大人にはなりたくない。媚びへつらう必要も泣いて詫びる必要も無い。
嫌われたきっかけがある。
将棋。担任は大の将棋好き。(自称)段持ちでクラスに将棋を流行らせるべくルールを教えた。
当然、娯楽が少ないのでルールを覚える。
そして担任は尊敬されたいが為に皆と将棋をして勝つ。
勝って当然。そしてドヤ顔。
笑える話だ。
そして僕の番が来た。
ところが僕は勝った。
もう一局。プライドが許さなかったのだろう。皆の注目する中、また僕が勝った。
子供心に嬉しかった。
その後の体罰三昧の序章になるなんて考えもつかなかった。
そこまで考えきれなかった僕が悪いんだろう…