- “想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事/小暮 真久
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
目次
第1章:TFTのビジネスモデルと苦難の創業期
第2章:世界最高峰のコンサル会社からNPOへ
第3章:社会起業にビジネススキルを活かす
最終章:「しくみ」と「想い」が大きなつながりをつくる
<問題点>
発展途上国の「約10億人にも及ぶ人々が飢えている」にもかかわらず、先進国では発展途上国で飢えている人々の数と同じぐらいの「約10億人もの人々がメタボや生活習慣病で悩んでいる」。小暮さんはこのような食の不均衡を解決しようと考えていた。飢えて世界があるにも関わらず、先進国では肥満で悩んでいるのは明らかにおかしい。食の不均衡を解消し、「先進国と発展途上国の人々をともに健康にすること」を目指していた。
<課題>
事務局長の小暮さんが問題を解決する上で必要なものだと設定した課題は、食の不均衡の問題を解決。そこで、企業などの食堂でヘルシーメニューを提供し、TFTが対象としている「ヘルシーメニューを購入すると1食につき20円の寄付金になるという仕組み」を作った。その寄付金によって発展途上国の子供たちの1食分の給食になるのである。つまり、「先進国で1食のヘルシーメニューが購入されると発展途上国の子供たちの1食分の給食になるという仕組み」なのである。そうして、食の不均衡の問題を解決しようとした。また、学校給食は子供たちの空腹を満たすだけでなく、貧困解決のためにも役に立つと考えられている。
<解決策>
食の不均衡の解決策として20円という寄付金で発展途上国の1食分の給食を提供するという仕組みをつくったことである。また、ヘルシーメニューの提供を行うにあたって重要なのは、食堂がある企業や官公庁などと信頼関係を築いていくことである。そのために積極的な営業を行ってきた。ビジネス手法として大手コンサル会社で学んだビジネススキルを活かしたPurpose, People, Promotion, Profit, Partneringなどの「5P」を用いて分析をしたり、勝てるところを探して一番になろうと図ったり、学生向けにインターンシップを実施したり、ロゴの作成などによるブランド構築を行ったり、コンビニとの提携、メディアとの連携、イベントの開催など、様々なビジネス手法を用いてきた。コンビニとの提携やメディアとの連携では、認知度の向上につながると考えていたため、積極的だった。事務局長がもともとマッキンゼーや松竹で働いていたこともあってか、ビジネス手法は他の団体に比べて優れていた。
NPO法人・Table For Twoのオリジナリティは徹底的に市場分析を行うことなど、民間企業でも常に行われていることを、この団体でも行っていることである。20円という寄付金ができる仕組みを作ったことも、この団体のビジネス手法のオリジナリティである。事務局長、「自らが本を出版」し、ヘルシーメニューと同様に売り上げのうちの20円が発展途上国に寄付されるという仕組みを作った。
協力企業も伊藤忠商事や日本IBMなど大手企業が非常に多く、企業にとってはCSRとして企業のイメージ向上につながり、TFTにとっては「認知度の向上」につながるだろう。
<感想>
今後の日本のNPOにとっての課題・・それはたとえ非営利組織のNPOであっても大手民間企業などから積極的にビジネススキルを学ぶということ。NPOは「社会問題を解決する」という使命があるが、それを行うにはまず優秀な人材と共に市場を徹底的に分析する必要がある。NPOでのインターン経験などを通して感じたことは、日本のNPOの多くが素晴らしい「想い」はあるが、何をどのようにしていけばわかっていないNPOが多く存在する。
例えば、優秀な人材を得るためにはどうすればよいのかなどを分析したり、「社会」というNPOにとっての市場を分析してどのように社会問題を解決できるかという姿勢が必要であるのでは。社会問題を解決したい「想い」だけでは、成功しない。NPO法人・Table for Twoから他のNPOも学ぶべき。
