ハワード・ビーハー
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目次
はじめに:人がすべて
第1章:自分に正直になる‐かぶる帽子を一つにする
第2章:なぜこの会社で働くのか‐出世のためにではなく、正しい理由で行動する
第3章:自主的に考える‐掃除をする人がほうきを選ぶべきだ
第4章:信頼を築く‐心から思いやる
第5章:真実に耳を澄ます‐壁は語る
第6章:責任をもつ‐真実以外は嘘だとわかる
第7章:行動する‐行動的に考え、思慮深く行動せよ
第8章:困難に立ち向かう‐なにより私たちは人間だ
第9章:リーダーシップを発揮する‐大きな雑音と小さな声
第10章:大きな夢をもつ‐イエスは世界で一番パワフルな言葉
1、「自分に正直になる」かぶる帽子を一つにする。[一番生き生きと感じられる心構えを見つけなさい]。それは、本当の自分を見出し、人生の意義を探求する旅路の始まりであり、終わりでもある。また、心の奥で自分とその価値観に向き合い、それに正直に生きることだ。かぶる帽子を一つにすることで、自分以外のものにならずに済む。そして、本当の自分を知れば、目の前に広がる可能性が見えるはずだ。
2、「なぜこの会社で働くのか」出世のためではなく、正しい理由で行動する。[人が仕事を必要とするのと同じくらい、仕事も人を必要とする]。人は「誰かのために生きてゆくもの」。本当の自分にも正直に生きなくてはいけない。パーソナルリーダーシップは自らの情熱と目的を引き出し、それを自分の仕事を繋げるところに生まれる。情熱と大きな目的に従うなら、肩書きだけよりももっと大きな意義があり、周囲に及ぼす影響もより大きなものになる。
3、「自主的に考える」そうじをする人がほうきを選ぶことだ。[たいていの人が自分の熱意に見合わない仕事している]。スターバックスの使命は、各自がその人なりの考え方や技術を仕事に生かせるよう自主性を尊重することだ。よって、ルールよりもレシピを重視する。自分がなぜこの会社で働いているのかを知り、なぜ組織が存在するのかを全員が理解していれば、到達すべき地点にたどり着くことで、ルールがなくても、「信念に従うこと」により、正しいことができる。
4、「信頼を築く」心から思いやる。[人はあなたがどれほど知っているかを気にかけるのでない。あなたがどれだけ気にかけているかを知りたいのだ]。ビジネスでも人生でも、心から人を思いやれなければ、リーダーにはなれない。「頭よりも心で指導すること」が大切であり、「愛と信頼はやる気を高める」万国共通の要素だ。そして「信頼は思いやりなしには生まれない」。人を思いやらないことは、思いやることと同じくらい影響力がある。人は資産ではない。そのため、相手に対する率直で正直な関心と対話が、健全な関係の基礎となる。そして、人は、相手を心から大切に思い、それを行動で示してくれる人のためにはどこへでも行くし、どんなことでもする。
5、「真実に耳を澄ます」壁は語る。私たちが立ち止まり、意志や感情を解き放てば、啓示を聞くことができるだろう。これが心のコミュニケーションである。無我無心とは、「先入観なしに思いやりを持って耳を傾けること」である。相談されたときは、聞くようにしよう。人は助けてほしいわけでなく、「ただ聴いてほしいだけ」なのである。これが、無我無心で聴くことだ。ただし、実行すること難しい。そのため、「顔を合わせる」「隠れた意味を取る」「沈黙に身を任せる」「聞けば答えてくれる」「安心を与える」「願いに応える」「フィードバックを与える」「時間をかけて賛同を得る」「流れに乗る」ことが大切だ。時間を割いて聞いてあげなかったとき、大切なのはその後にどう対処するかだ。反対権威も耳を傾け、真実に耳を澄ますことは、自分の足元を固めるための基本である。
6、「責任を持つ」真実以外は嘘だとわかる。筆者が考える真実とは、自分に嘘をつかないこと。つまり、自分とは何者で、なぜこの場所にいるのかを知り、それに従って行動することだ。「真実」は「責任」と同じ意味を持つ。言葉は言葉。説明は説明。約束は約束にすぎないが、実績だけは真実である。実績のみが自身、能力、勇気の最良の尺度であり、成長する自由を与えてくれる。自分の言葉と本当の自分に忠実でなければならない。また、会社は「あなたの意見に給料を払っている」。発言権があるのだから使わなくてはならない。恐怖心は、私たちを支配する。真実は私たちを自由にする。
7、「行動する」行動的に考え、思慮深く行動せよ。これは、感じ、考え、行動するという意味だ。「自分にできると思えばできる」し、「出来ないと思えば出来ない」のである。失敗を褒めることも大事だ。すべての原則に従ってこそ、賢い行動ができる。そして、「間違っていたならば責任を認め」、それに対処しよう。神は臆病者に自身をあらわさない。
8、「困難に立ち向かう」何より私たちは人間だ。私たちが職業、キャリア、生活と呼ぶ旅路は、終わりなき挑戦の連続だ。危機は間違った方向を選んでしまうことから起こる。その時こそ、リーダーシップの原則が必要となる。人間の状態は、挑戦(チャレンジ)、危機(クライシス)、不幸(カタストロフ)の三つのCで考えられる。「思えがけない不幸にどう対処するかによって、本当の姿がわかる」。対処するには、目標の道筋にとどまることが大切だ。そのために、「小さな成功を積み重ねよう」「真実を自分のものにしよう」「期待値を設定し、それに沿って生きよう」「成功体験にとらわれるな」「人を第一に考えよう」。
9、「リーダーシップを発揮する」大きな雑音と静かな声。リーダーシップを身につけるためには、「組織の全員が良心を持って自らを導き」、「自分に自信を持ち」、「他者を導き」、「他者の役に立つ」という原則を実践しなければならない。リーダーは、純粋で、思いやりにあふれ、目標や価値観に忠実である愛情深い人間だ。「リーダーはすべての人に耳を傾け、すべての人に尽くす」「掛け声だけでは、誰も動かない」「リーダーは知ることで給料がもらえる。知らなければ学ぶことができる」「人とともにあり、人が前進する助けになることが、リーダーの役割だ」という事を心に刻まなければならない。
10、「大きな夢を持つ」イエスは世界で一番パワフルな言葉だ。イエスは自由と感動だ。イエスは許しだ。それは可能性だ。自分と他人にチャンスを与えることだ。イエスと言えば心が豊かになる。ノー言うにはたくさんの言い訳が必要だけど、ひとつでも理由があればイエスと言える。人々の心に栄養と活力を与えるとき、私たちは世界中にイエスということになる。不可能な夢を持ち、それに対してイエスと言おう。
<感想>
この本を読む前までは、スターバックスが成功した要因には、コーヒーの味が他の企業よりも美味しく、店内全面禁煙、おしゃれな店舗を世界中に展開しているからだという「先入観」があった。しかし、本を読み、パーソナル・リーダーシップの10カ条や従業員と会社の関係、理念などが充実しているということもスターバックスの成功の要因に繋がっていると知った。特に驚かされたのが、スターバックスという企業が「人」を思っていた以上に大切にしていることである。
スターバックスのように大きなグローバル企業になると、競争が激化し他のライバル社との差別化を図るため、トップダウン制のように人を管理するようになり、利益重視の企業になるのではないのかと思っていたが、違った。82ページに「ビジネスの世界ではよく人は資産だと言われるが、人は資産ではない。人を所有することはできない。」とあるが、この言葉が印象的であった。人は資産ではない、という言葉は当然のようだが、利益重視の企業であるならば「人を資産」と考えて当然だと思う。人は企業では重要な労働力となるが、スターバックスでは従業員のことを大切に扱っているということがわかる。利益よりもまずは「人」という考えがあるからこそ、組織として効果的なマネジメントが可能となり、従業員と企業トップなどとの関係が良くなったのでは。
このほかにも、スターバックスという企業が魅力的に感じたことがある。それは、47ページにあるように「すべての従業員に正当な報酬を与えるように努力したり、人件費を上げようとした」とあるが、これらのことも多くの企業が行なっていないようなことだと思う。他の企業との差別化を図ることは、企業が競争の中で生き残る上で重要だが、商品や価格などの差別化だけでなく、従業員に対する雇用制度さえも差別化ができている企業。「思いやりをすれば、必ず相手も思いやりを返してくれる」とあるが、スターバックスという企業が従業員に対して思いやっているからこそ、従業員もスターバックスという企業に対して努力して働き続け、結果を出すことで思いやりを返しているのではないか。
以上のことから、人を思いやることは大切だということを改めて感じ、今後、人々との信頼関係を築くためにも思いやっていきたい。