自作について ―20代後半の詩― ・その368 | 出会える日のために・2 けんちゃんのブログ

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いつもありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします。







   春、だもの

 穏やかな海
 青い空
 こんな日に
 仕事だなんて、ちょっと
 変、ですね

 嫌な仕事を
 少し抜け出して
 のんびりと腰を下ろし
 海を見ながら
 タバコを
 ぷかり

 穏やかな海
 青い空――――
 また後で 
 会いましょう




青年が勤めていた工場は、海沿いにあります。
正確に言いますとその海は、運河になるのですが、
広く考えますと海にそのままつながっていますので、
海と言っても間違いではありません。
穏やかな海、青い空、何とものどかな光景ですけど、
その周りに広がっているのは、殺風景な工場の設備やタンカーなどの、
様々な作業で使われる船が見えるだけです。
こんな日と言うのが、どんな日なのかよく分かりませんけど、
おそらく土曜日とか日曜日と言った、普通のサラリーマンがお休みの日であると、
思われます。
平成4年・1992年の3月に、書かれた詩です。

寒い冬から開放されて、そろそろ暖かくなって来る時期、
春の暖かい風も吹いていたと思います。
嫌な仕事と出て来ますが、基本的に仕事は工場の建屋の中で行うのが、
メインになっています。
外に出ることもありましたが、それは外にある設備のパトロールをする時だけに、
限定されていました。
少し抜け出して、海を見に行くと言うのは、
余程作業に余裕があるか、それほど大きなトラブルもなく順調であったと、
思われます。

のんびりと腰を下ろして、海を見ながら、タバコをぷかり。
何とものんきな感じですけど、この日はかなり暇だったようであります。
今は止めましたが、27歳の青年はタバコを吸っておりました。
止めようなんて気は、さらさらなかったですね。
自分は一生、タバコを吸って行くんだと思いながら、
こうやって仕事の合間とかに、タバコを吸っていました。
今でこそ、吸える場所を見つけるのに苦労する感じですけど、
青年がタバコを吸っていた頃には、吸えない場所の方が少ないくらいでした。
工場の現場の至るところで、タバコを吸っていたものです。
今となっては、本当に信じられないことですけどね。

穏やかな海、青い空。
この日は、かなり天気も良かったようであります。
仕事をしているのが、バカらしくなるような天気の中で、
青年は一人静かに海を見つめています。
決して綺麗な海ではないですが、よく見ますと魚も泳いでいたりします。
今もこの詩を書いていた頃も、すでにいなくなりましたが、
かつては釣りざおとかも持参して来て、仕事中に釣りをしていた人も、
いたそうであります。
作業している人も沢山いて、青年に仕事を教えてくれた先輩が若い頃には、
元気で活発な若者が多かったと、よく話していました。

また後で、会いましょう。
仕事の合間の、つかの間の憩いの一時を、詩にしています。
ちょっとサボっていただけ、にも見えますね。






こんばんは。
こちらの詩とコメントは、今から14年ほど前に、
以前更新をしていた、自分の別のブログに載せたものです。

いつも読んで下さいまして、ありがとうございます。