河童橋から歩くこと1時間程で、明神に着く。

先ずは、嘉門次小屋へと足を進める。

 


チケットを買おうとすると、

「少し時間が掛かりますが…」

「どの位?」

「30分ほどお待ちになりますが…」

 

「お願いします。」

 

上高地に行けば、どこでも岩魚の塩焼きが食べられる。

だが、「嘉門次の岩魚の塩焼き」は格別!

頭まで丸ごと食べられ、しかも旨い。

炭火で1時間ほどかけてじっくり焼き上げるからだそうだ。

 

「待っている間、囲炉裏の写真を撮っても良いですか?」

「中に入ってご自由にどうぞ。」

 

嘉門次小屋(かもんじこや)とは上高地で猟師をしていた上條嘉門次が建てた猟師小屋が起源となっている山小屋。日本アルプスを世界に紹介したW・ウエストンの案内人でも知られている。この囲炉裏は文化遺産となっている。

 

靴を脱いで上がり、文化遺産を撮る。






 しばらくして、

「お待たせしました。」

「岩魚の塩焼き定食です。」



旨い!

嘉門次小屋は、数年前に登山者が宿泊すると山小屋を閉じ、今は、食事処だけとなった。
時代は流れる。
記念に買った手拭いの封筒裏の写真が眼にはいる。

 大正2年の奥穂高登山での記念写真と記されている。

まだ、大正池の誕生もなければ、釜トンネルも開通していない時代の写真だったのか!


     ーー 続く ーー