今月父が亡くなり、葬儀も終わりました。

 

年末の呼吸が苦しくなり緊急入院

病院の先生のご配慮で年末年始は家族で

自宅で過ごす。

それからすぐに入院、

1月下旬に退院してからは1ヶ月半くらい

在宅医療を受け、自宅で家族に見守られて

息を引き取りました。

 

子供はいつまでも親が元気だと思って

しまいます。

 

あなたは、あと何回親と話せるんだろう?

清水晶子さんの本をこの2ヶ月は線を引きながら

読みました。

 

やっておいて良かったこと。

 

*昨年夏の家族での宮崎旅行

*お墓・お葬式の話 

葬儀場も父と母と直接見に行きました

*お金・相続の話

*自分の死を連絡して欲しい人のリスト

*実家の片付けをしながら、

父の仕事や趣味など歩んできた人生を聞けた事

*親の手を触り温もりを覚えておくこと

*親に大学生の時、留年させて海外旅行に行く時間を

くれた事の感謝の言葉を伝えた事

*孫のための教育資金贈与信託をできた事

*在宅医療で自宅で最期を過ごせた事

 

この中でも教育資金贈与は自分の最後の

親孝行だったかなと思いました。

まだ高校生と小学生の孫娘を父は可愛がって

いました。ピアノの発表会や文化祭や体育祭には

必ず来てくれて、誕生日にはお祝いも持って

きていました。

思えば昨年秋のピアノ発表会の時に、

1月の次女の誕生日祝いを持ってきたのです。

いつもはお祝いの時に直接

持ってきてくれるのに、

その時から父は自分の死を覚悟して、

もしかしたら

1月まで持たないかもしれない

と思っていたのかもしれないです。

 

父が2ヶ月頑張れたのは

教育資金贈与が終わるまでは

死ねないと思ったのかもしれないです。

 

今まで父とお金の話をしたことはなく、

切り出しずらかったのですが、

年末父が自分が死んだら連絡をして欲しい

人のリストをエクセルで作っている時に

思い切って切り出しました。

 

父は自分が孫の成長をこれから見守ることが

できないが、教育資金贈与で

孫が大学生になるまで、

(正確には30歳の誕生日を迎えるまで)

自分が拠出したお金でサポート

できるこの仕組みは

是非やりたいとのことでした。

ただ、父には銀行に行ける

だけの体力はなく、

電車に乗って行くことはできません。

正月を過ぎた1月4日に飛び込みで

信託銀行に行き、

郵送でも手続きをできる

ことを聞きました。

書類を郵送してもらい、

病室で口座の書類等を

書き、電話で説明をしてもらいました。

父が字が書けたギリギリ

最後のタイミングでした。


2月を過ぎても口座開設は

進んでいなかったので、

ヤキモキしましたが、

2月中旬に口座開設と入金が

完了して無事手続きができました。

それから2週間くらいで

父は亡くなってしまいました。

父は孫にとって

あしながおじいちゃん」になれて

良かったと言っていました。

通帳には「がんばってね」と

父の最後の力を振り絞って

書いた字が書いてあります。


自分が死んでも、天国から

孫の成長をサポートできる

信託の仕組みってすごいなと思いました。

 

そして、在宅医療もやって本当に良かったです。

父は自宅で死ぬと警察で

解剖されることを恐れて、

かかりつけのお医者さん

を探していました。

人間ドックをお願いして

きたクリニックにも

断られ、もしもの時は救急車

を呼び病院に搬送

されるしかないかなと思っていました。

正月を過ぎて在宅医療を提供

してくれるクリニック

の先生に出会い、自宅で週に1回診察、

週に2回看護の方が来てくれる

ようになりました。

最期は呼吸器もつけてくれました。

亡くなる前の日の夜21時頃、

自分は父が危篤だと

妹から連絡を受け自宅に駆けつけて、

Lineで孫と繋いで30分くらい話しかけました。

孫の声が聞こえると目を動かして、

動画の方に反応していました。


父の目からうっすら涙が流れていました。

人は聴覚は最期まであるそうです。

だから声は聴こえているのです!

 

翌日、午前10時半に看護婦の方に来てもら、

血圧を測ります。30〜40。

あと数時間なので

家族で過ごしてくださいと言われました。

それから1時間半後、

父は母や妹にも見守られて

息を引き取りました。

 

それからすぐにかかりつけの

お医者さんに連絡をすると

20分後には自宅に駆けつけてくれて、

死亡診断書を書いて、

父の頭を洗い、お化粧をして、

父が生前好きだった

服に着替えさせてくれました。

父が亡くなって2時間後には

そこまでできて、葬儀社の方も

すぐに来てくれました。

 

父が好きな自宅の自分の部屋で

家族に見守れれて最期を迎えられたのは

在宅医療のおかげだと思いました。

 

父が介護保険にお世話になったのは

2ヶ月だけでした。

在宅医療は素晴らしいと思う反面、

介護保険でお世話に

なるひとが今後増えて何年も

何十年も費用がかかったら

この国の財政は逼迫するし、

対応できる人もいないだろうなとも思いました。

介護保険や在宅医療は素晴らしいけど、

それにはなるべく最期まで頼らず、

自力で健康な生活を送るようにしないと

この国は破綻すると思いました。

 

葬儀に関しては家族葬で

やることも考えましたが、

生前父がお世話になった仕事関係の方や

趣味の仲間の方に声をかけて

父をお見送りしてもらいました。

家族葬ではなく、小規模ですが

一般葬にして良かった

思いました。コロナ禍以降、家族葬ばかりで、

一般葬は減ったと葬儀社の方は行っていました。

また、告別式で弔辞を読むのは

あまりないとも言われました。

でも、父が60年近く一緒に

仕事で関わってきた人に

父の仕事の業績を弔辞で読んでもらい、

父がどんな仕事をしてきたか孫たちにも

伝えられて良かったと思いました。

 

人は誰でも死にます。

お金持ち人もそうでない人も、

これには例外はありません。

今回、喪主を務めてみんな

すごいなと思いました。

喪主がどんなことをするのか慌てて

本を読み勉強しましたが、

最近は葬儀に出席することもなくなり、

昔だったら経験して学んで行けたことが

今は断絶しているんですね。

孫たちに伝えたいのは「時間は有限

だと言うことです。

限られた時間を意識して、

目標を持って日々を一生懸命に生きて行くこと

そしてできれば人のために役に立つことを

やって行くことが大事だと思いました。