「防災の一丁目一番地」と云われる住宅耐震改修。

その住宅耐震改修(※1)が串本町では全く進んでいないことが明らかになりました。

 

(※1)住宅耐震改修は個人が行うものですが、国、県、町からかなりの補助金が出ています。

 

串本町は本州最南端の町で南海トラフ巨大地震が起こると、1mの津波が全国最短の3分で到達する町です。

一方、全国最大の34mの津波が予測されている高知県黒潮町はしっかりと住宅耐震改修が進んでいます。

その数、なんと10年間で約1400件

対して、串本町は10年間で20件

 

これだけ違えば、いざ巨大地震が起こった時、数百人単位で犠牲者の数は変わってくるでしょう。


なぜ、これだけ耐震改修数が違うかと言うと、

串本町の補助金は最大116.7万円(内訳:国50万円、和歌山県33.3万円、串本町33.3万円)

黒潮町の補助金は最大155.0万円(内訳:国50万円、   高知県60.0万円、黒潮町45.0万円)

と大きな違いがあります。

 

耐震改修の平均工事金額は120万~140万円なので、

黒潮町のように155万円も補助金があれば、全く住民の実費負担なしで耐震改修できるケースも多く出てきます。

実際、黒潮町では1400件のうち、半数の700件以上が住民の実費負担なしで、改修が行われています。

だからこそ、これだけ住宅耐震改修が進んでいるのです。

 

串本町が黒潮町並みに耐震改修を進めようとすると、和歌山県と協力して、補助金を黒潮町並みにアップしなければなりません。

 

 

串本町が黒潮町並みに年200件(※1)、住宅耐震改修を行うとすると、1件につき串本町の負担は45万円ですから、

45万円 × 200件 = 9000万円

が必要になってきます。

10年間では9億円です。

 

※1:黒潮町は人口1万人で年平均140件、串本町は1万4千人なので、同じ割合にすると、年200件程度になる

 

9億円の財源はどこにあるのでしょうか?

私が令和6年6月議会で財源を聞きましたが、田嶋町長からは答えがありませんでした。

 

巨大な建物ばかり建ててきた田嶋町政にとって、そのようなお金は残っていないでしょう。

今まで、防災を「錦の御旗」にして、

不必要な建物(火葬場)や、

大きすぎる建物(こども園、庁舎、統合小学校)、

異常に高額な建物(こども園:他所では4億円が串本町では10億円)

を次々建ててきた(建てようとしている)ことにより、

串本町では、住宅耐震改修補助金に回すお金は無くなっているのでしょう。

 


しかし、串本町はタイミング良く、高速道路延伸工事等によって、

現在、串本町土地開発公社には約10億円の預金があるのです(令和4年度末)。

 

10億円あれば、2200件の耐震改修工事ができ、数百名単位で住民の命が助かります

 

当然、このお金を住宅耐震改修補助金に当てるべきです。


しかし、田嶋町長は、このお金は、高台に個人や企業に売る土地を造成する為に使うと言っています。

 

土地造成と住民の命のどちらが大事でしょうか?

 

「10億円ものお金があるのに、それを造成事業に回したので、2200件の住宅耐震改修はできず、巨大地震で多くの町民が亡くなりました」というなら、それは間違いなく人災でしょう。