◆加齢臭+猫臭+α?(4) ついに判決!
 11月中旬、予定通り俺は市の医療機関の最高峰県立宮古病院で「造影剤CT検査」を受けた。

9月下旬から始まった俺の「ガン検診」という苦行はようやく最後の審判にまでたどり着いたのかもしれない。

予定では検査当日に結果の説明を聞く事になっていたのに、急遽「1週間後に再度来院して、結果の説明を聞く」という事にされてしまった。
もしかすると、判定が難しい何かが検出されたのかもしれないが、ここまで来ればジタバタしても仕方ない。

11月下旬、再度宮古病院に結果を聞きに行った。
指定時刻の11:30に2階の泌尿器科で受付を済ませ、待合室で本を読んで待っていた。待合室にはいつものように60歳を軽く過ぎている高齢者とおぼしき患者たちが10名程度並んでいた。

15分位すると、他の患者8人位を飛び越して俺の名前が呼ばれた。ここの泌尿器科では看護師ではなく医師が自分自身で患者の名前を呼ぶようだが、Y医師は「〇〇さぁ~ん」という風に語尾を間延びさせて呼んでいる。

 


診察室に入ると1ヵ月ぶりにY医師がいた。相変わらず「白髪・丸眼鏡・マッドサイエンティスト風」の容貌だ。ハハハ。
 

俺 「こんにちは」

Y医師 「えーと。Kさぁーんは、左腎臓の検査でしたよね」 なぜかニコニコしながら話していた。

俺 「はい、何か分かりましたか?」 もう何を言われても驚く事もないし。

Y医師 「んー、造影剤CTでは異常が見つけられなかったので、今度はMRI検査をやってみましょうかね~!
検査日時は~、12月の中旬にしましょうね」 


彼は前回俺が来た時には左腎臓の異物をCTで見つけ「こういう所にガンが隠れているんだよね~、フっフっフ。じゃあ造影剤CT検査をしましょう。それで異常が見つかったら、MRI検査も追加になりますよお~」

と断言していたのだが。なんだか今日はバツがわるそうで、俺の目は見ずにパソコンでスケジュール管理表を開いてさっさとMRI検査の空いている日を探し始めた。

俺 「確認ですが!」 

一方的に今後も検査漬けにされそうなので、Y医師の説明を一旦遮った。

Y医師 「なんですかぁー」 患者に自分の話を遮られ、意外そうにこっちを向いた。

俺 「現時点では異常がみつからなかったのですよね?
  それならば、様子を見るという事で。次の検査は半年後位にしてもらえますか!」 

これ以上検査々々に時間を使わされるのはとても面倒だ。9月から各病院で毎回の採血で計10回位血を抜かれたし・・・。

Y医師 「うーん。
  まあ、異常がみつから無かったと考えれば、次は『経過観察』という考えもできますね~。
  通常は造影剤CT検査とMRI検査はペアで実施するのですが、次回のMRI検査は単独で実施する事にしましょうかね~」
医師は自分の主張をあっさりと取り下げてくれた。多分「前回振り上げた拳を下す」口実が見つかり、安堵したのかもなハハ。

俺 「ありがとうございます。それでお願いします」 
形式的には医師のメンツを保ちながら、何とか検査の連鎖を断ち切る事ができた。半年後の検査はその直前で延期にしてもらい、1年後位でいいかも。ハハハ。


どうやら俺は、当面「ガンで楽に他界」できる可能性が消えたようだ。やれやれだぜ! 

検査の翌日、麻雀仲間のFさん(男、40代前半、広島出身、レンタカー会社Pの創業社長、俺とレンタカー業務で知り合う、カリスマ的性格、ゴルフはセミプロ級、昔は総合格闘技も、バツ2。
伊良部島麻雀グループの創設者、マンガのように強運で・常識外れに強い、役満など大物狙い。容貌はEXILE系) 
にLineで通知した。


そもそも、線虫並みに嗅覚の鋭いFさんからの「死臭がする。人間ドックで検査を受けた方がええじゃろ!」という指摘で今回のガン検診行脚が始まったのだが、ハハハ。

俺 「宮古病院での再精密検査(造影剤CT)の結果、「腎臓に異常がみあたらない」事が判明しました。
  9月下旬から始まったガン検診は「ガンもその他異常もない」で完了です。
  お騒がせしました」

Fさん 「それはそれで良かったですね
  でも長生きしてしまいますね」
彼は自分自身も無駄に長生きせずにいたいと日頃公言している。

俺 「はい、そこが大きな問題ですね(笑)」


俺の母は「ガンで余命1年」と宣告されたが抗がん剤治療は一切やらず、
その後、行きたい所へ行き、会いたい人に会い。
自分の葬式の花飾りを自分でデザインして、納棺される時に自分が着る服を自分で選び、遺影も自分で選び、エンディングノートも書き、

自分の人生を全部整理して、11ヶ月後にとても楽に他界できた。

一方、父は70歳以降に重度の痴ほう症で10年以上母に多大な迷惑をかけ。母が他界後は特別養護老人ホームで7年間ヘルパーさん達にもまたまた迷惑をかけ、最期は周囲に疎まれて91歳でコロナで亡くなった。

俺は、今後無駄に長生きする事で「痴ほう症」も出て、父のように周囲に多大な迷惑をかけて「疎まれながら」人生を終える事は絶対にしたくないのだが・・・。


日本国政府は、一刻も早く「痴ほう症で自分や親族が誰だか判別できなくなった老人」に対しては「尊厳死の適応」を合法化すべきだろ!!



◆どこがマグロちゃん?
俺は元来犬派で猫と関わった事は一度も無いのだが、離島では近所ののら猫たちと仲良くする事になった。最近、仔猫たちも増えて、俺も忘れがちなので続柄をまとめてみた。


 11月中旬の火曜日の午後、俺はいつものように「猫たちの大好物の鶏ミンチ」と自分の食材1週間分の買い出しに宮古島で一番大きなショッピングモール宮古シティへ行った。

合計10kgを超える食材を部屋に運び込んだ後、車を駐車場に戻し、自宅まで徒歩で5,6分歩いていたら、縄張り③の辺りで、黒4と八ワレ3とマロン1が表れた。 

いつもなら真っ先にエサをもらいに来る茶トラ6が最近全然見かけない。警戒心が強く、俺にさえ身体に触れられる事を嫌がるような奴なので、近所の島民に可愛がられてどこかの家にもらわれて行くような可能性は低い気がする。

もしかして、オス同士のケンカで負傷でもして、野たれ死になのかも・・・?

3匹にエサをあげていたら、黒ミケが表れた。縄張り③と俺の自宅(縄張り①)の両方 
を自由に行き来できるのは、今は亡き「まゆげ(メス、さび、黒ミケと白ミケの母親、’24年1月他界)」とその子供である「黒ミケと白ミケと小トラ」だけだ。仔猫たち3匹(黒4と八ワレ3とマロン1)は決して俺の自宅(縄張り①)へは来ない。

黒ミケは縄張り③ではエサ(キャットフード)は食べず、俺と一緒について来て、自宅でエサ(鶏ミンチ)を食べようとする。その時遠くから声が聞こえた。

「あーっ、マグロちゃんだー!」 
前方を見ると学校帰りの小学生の女の子が2人こちらにやって来た。多分、低学年で10歳前後だろう。

俺 「こんにちはー」 軽く会釈した。

小学生AとB 「こんにちは!」 ちゃんとあいさつできる。偉いなー!

俺 「この猫ちゃん、マグロちゃんっていうの?」 俺の横にいた黒みけを指さして、確認してみた。この三毛猫のどこがマグロなんだろうか?? 意味不明! 


黒ミケと白ミケは‘23年4月からうちの自宅前にいて、となりの「猫じいさん」と俺が毎日エサをやっている。
(詳細はブログ「あこがれの離島生活 (8) 俺は犬派!」 を参照下さい)

小学生A 「そうだよー。お友達のおうちで飼っているんだよ! エッヘン」 少し自慢げに説明してくれた。

俺 「そうなんだ。(黒ミケが飼い猫になったとは初めて聞いたが・・・)
でもこの猫ちゃんは子供をたくさん産んだよね」

小学生B 「えー。沢山増えたら困るんじゃない?」 地域の猫害について家族から聞かされているようだ。

俺 「(どうやら、黒ミケの仔猫たちは引き取ってもらえなかったみたいだな)。
大丈夫、去年市役所で手術を受けたから、もう子供は産まれないから大丈夫だよ」

小学生A 「そうだよね。さくら耳になってるし」 地域の猫害対策についても一定の見識を持っているようだ。

俺 「おおー、よく知ってるね。君たち賢いね!」 ちゃんと褒めておく。

小学生AとB 「そうだよー!」 褒められて嬉しいようだ。

俺 「じゃあねー」 子供達に挨拶してから、自宅へ向かう歩道を下っていった。黒ミケも俺の後をついて下ってくる。

小学生A 「マグロちゃん、おいでー!」 黒ミケに近寄り、抱き上げようとしたが、黒ミケはスルっと手をすり抜けて逃げてしまった。
黒ミケがこの子たちを完全に拒絶している風でもなさそうなので、何度か面識はあるようだ。

小学生B 「あー、行っちゃったね」

小学生A 「まあ、いいや。帰ろ!」 

いいところを俺に見せられずに少しがっかりした様子の2人の小学生は黒ミケの捕獲を諦め、元来た道へ戻って行った。


そう言えば、24年8月にTNR手術する前黒ミケは、2匹の仔猫を育てる為かガリガリに痩せていたが、手術後は一時期姿を見せなくなった。

約1ヶ月後に俺の自宅に再登場した頃には黒ミケは既に体型がまあるくなって栄養状態が回復していたのが少し不思議だったのを思い出した。
もしかするとあの頃、飼い主を見つけたのかもしれない。


黒ミケは、とても人懐こくて、初対面の人にでも足元にスリスリして来るので、元来犬派の俺でも当時「エサを買い与えようか」という気になってしまった。
サラリーマンならば上司に可愛がられて出世するタイプかも。ハハハ。 


黒ミケは顔が半分黒くて「毛色も黒字に茶色のまだら」風なので、顔が白く「毛色が白地に錦鯉のように綺麗なパッチワーク」風の白ミケに比べて、あまり美しくはないと俺は思っていた。


しかし、黒字にオレンジ色(或いは金色?)の模様と思えば、女性の目にはベルサーチ風でゴージャスに見えるのかもしれないな。ハハハ。 
 

離島ののら猫たち、白い猫でも黒い猫でも逞しく生き延びろよ!