◆タコを食う白人(4) オーストラリア!
6月下旬、俺はいつものように伊良部島のWホテルのレストランで16時から勤務していた。年金生活者の俺が今も週5で勤務する主な目的は「のら猫のエサ代確保」と「ボケ防止」の為だ。
このホテルには欧米人・台湾人・韓国人の旅行客が多い。
日没前、予約の白人客Aさん(男、40歳代後半、白人、茶色髪、薄茶色の瞳、高身長、日本語はカタコト、物腰柔らかい、名字は英国風、メル・ギブソン似)
(こんな感じ)
が1人で時間通りにやってきた。(時間に遅れない外国人は珍しい!)
この男性の予約情報には「胡麻アレルギーがあるので、注意」と明記されていたので、事前にシェフに念押ししておいた。
Aさんは酒は飲まず、「マンゴージュース、タコの唐揚げとキノコリゾット」を注文した。聞き取り易い「平易なアクセントの英語」は、彼が旅慣れている事を連想させた。
その時、フロントから支配人のGさんがレストランにやってきて補足情報をくれた。
Gさん 「あの男性はS航空の機長かもしれないですよ。
何度かここに宿泊していますがいつも黒塗りのハイヤーでやってくるので」
俺 「なるほど。酒を飲まないのは翌日のフライトの為かもしれませんねー」
キッチンの中では噂話が膨らんでいた。
タコの唐揚げを5番卓へ運んだ時、俺は少し気になったので、Aさんに質問してみた。
俺 「1つ質問して宜しいでしょうか?」
Aさん 「(意外そうにこちらを見上げていた)
大丈夫ですよ、どうぞ」
俺 「あなたがオクトパス(タコ)を注文されたので、どこから来られたのかなーと思いまして」
Aさん 「あー、私はオーストラリアから来ました」
俺 「へー! オーストリアではタコを食べるんですか?」
Aさん 「私はシーフードは何でも好きですよ、ハハハ」
俺 「なるほど、今日1番の謎が解明できました。ありがとうございます」
約10分後、出来上がったリゾットの皿を持ってAさんの5番卓に届けた。
踵を返しキッチンに戻ろうとした時に、Aさんに呼び止められた。
Aさん 「あのー、私はセサミ(胡麻)アレルギーなのですが、これは胡麻なのでは?」
皿の端っこに小さい黒い粒が見えた。 
俺 「んー、(確かに言われれば、そんなような形でもあるなー)
シェフに確認しますので、少しお待ちください」
急いで、キッチンに戻り、Mシェフに確認してみた。
俺 「Mさん、胡麻アレルギーのお客様から『リゾットに胡麻が入っている』という指摘がありました。
胡麻入ってないですよね?」
Mシェフ 「?? 入れて無いけど、どんな胡麻かな?」
俺 「取ってきます!」
すぐに5番卓に戻り、リゾットの皿を回収し、キッチンでMシェフに見せた。
俺 「この黒い粒が1つです」
Mシェフ 「おおー、ちょっと待って。これはー?」
すぐに、食材を調べ始めた。
Mシェフ 「リゾットに使うシリアルの中に胡麻が含まれていたようだね。
すぐにお詫びして、別のリゾットに作り替えると伝えてくれ!」
俺 「了解しました」
急いで5番卓に戻り、Aさんに丁重にお詫びした。
俺 「誠に申し訳ありません。
シェフに確認したところ、胡麻が入っている可能性がある事が判明しましたので、
別の物を作り直させて頂きたいのです。宜しいでしょうか?」
Aさん 「なるほど。どこに胡麻が含まれていたのですか?」
落ち着いて、やんわりと確認してきた。
俺 「リゾットに使うシリアルの中に紛れていたようです」
Aさん 「そうですか。理解しました。では別のものをお願いします」
激怒はせずに、優しく回答してくれた。
俺 「ご理解ありがとうございます。すぐに用意させます」
急いでキッチンに戻り、シェフにGOサインを伝えた。
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待っている間、ごまアレルギーについて調べてみた;
ごまアレルギーの怖さは、微量でも反応が出る場合がある。
中には香りづけ程度に使われたごま油や、ごまをトッピングしたパンの一口で、重い症状に至る人もいる。
症状:
口腔・皮膚・呼吸器・消化器に現れる多彩な症状で、ごまアレルギーの症状は、人によって現れ方が異なる。代表的には次のような反応:
・口の中の違和感やかゆみ
・唇や顔の腫れ、皮膚のじんましん
・咳や喉の腫れ、呼吸がしづらい
・吐き気、腹痛、下痢
これらが食後すぐから数時間以内に起こることが多く、アナフィラキシー反応を伴うこともある。
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約10分後、シリアルを含まない「キノコのリゾット」が出来上がり、俺は5番卓に持って行った。
俺 「お待たせしました。こちらが特製のキノコのリゾットです。
シリアルは含まれていませんのでご安心下さい」
Aさんはフォークの先でリゾットの中をほじくってみて、胡麻が無い事を確認していた。
Aさん 「OKです。 ありがとう!」
俺 「ごゆっくりどうぞ!」
キッチンに戻り、AさんからOKが出た事をMシェフに伝えた。
横で見ていたG支配人もホッとした表情で俺に伝えた。
Gさん 「何かドリンクをサービスで提供してあげて下さいね」
俺 「そうですね。でも、お酒は飲まれないので・・・」
約30分後、Aさんに呼ばれて俺は5番卓に行った。何か問題があったのかとドキドキした。
Aさん 「何かスイーツを食べたいのですが、お勧めはありますか?」
俺 「かしこまりました。シェフに確認してみます」
すぐにキッチンに戻り、Mシェフに相談した。
Mシェフ 「丁度、今日試作した和風ティラミスがあるので、これをサービスで提供してあげて下さい」
俺 「了解しました。ところで、上にかけてあるこの『白い粉』はきな粉ですか?」
Mシェフ 「そうです」
俺はすぐにティラミスを持って5番卓へ行き、Aさんに説明した。
俺 「シェフからの特別サービスで、和風ティラミスを無料で提供させて頂きます」
「白い粉」のかかったティラミスを差し出した。
Aさん 「ありがとう!
ところで、この白い粉は何ですか??」
きな粉をフォークの先でほじくりながら質問して来た。 
俺 「(あっ、きな粉って英語で何と言うんだっけ? 忘れた)
あー、それは和食で使う『キナコ』という植物の粉ですが、胡麻ではありませんので、ご安心下さい」
Aさん 「そうですか・・・。ありがとう」
心配そうに、白っぽい粉をじっと見つめていた。
約10分後、Aさんが食事を終えて、レジで精算をした。
俺 「最後のスイーツはシェフからのサービスですので、0円です」
Aさん 「そうですか。ありがとう。美味しかったと伝えておいて下さい」
俺 「ありがとうございます。1つ質問しても宜しいでしょうか?」
Aさん 「?? 何でしょうか? どうぞ」
俺 「あなたはS航空の機長だと聞きましたが?」
Aさん 「いやー。僕は機長ではありませんよ。ハハハ」
笑って胡麻化された。
こうして英国紳士風のAさんが笑顔で部屋に戻って行った。
俺が5番卓の皿を片付けに行ったら、きな粉には手をつけずティラミスだけを完食していた。
キッチンに戻り、Aさんが問題なく部屋に戻られた事をMシェフに伝えた。
俺 「でも『きな粉』には手を付けていませんでしたねー、ハハハ」
Mシェフ 「そうだろうな。あの状況ではこちらを100%信用はできないだろうからな、ハハハ。
ふー。それにしても、Kさんよく止めてくれたよー!
あのまま、胡麻が彼の口に入っていたら、最悪『救急車を呼ぶ事態』になっていたかもと考えると、ゾっとするさぁ」
いつも明るいMシェフが、珍しく緊張していた。
俺 「私が止めたのでは無く、お客様がご自身で止められたんですよ。
とにかく何事も起こらずに良かったですね!」
離島 of 離島の伊良部島では、救急車が来るまでにかなり時間がかかるからな。ハハハ。
◆老人と海!(2) 猫たちとの対面?
俺は元来犬派で猫と関わった事は一度も無いのだが、離島では近所ののら猫たちと仲良くする事になった。最近、仔猫たちも増えて、俺も忘れがちなので続柄をまとめてみた。
7月下旬、うちに来た子犬「海(うみ)」は、うちでエサを食べる「のら猫たち」と自宅周囲で次々に対面する事になった。
<初日(7月26日)>
・白茶3(メス、白ミケの子、24年4月生れ、警戒心が強い、食欲は多いので、身体はメスの割には大きい)
午前、俺が海(うみ)をつれて家への歩道を下ろうとしたら、白茶3が歩道に寝転んでいた。
しかし、彼女は海を見た瞬間フリーズしてしまった。
海がしっぽをふりながら(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとしたら、秒速で隣家の奥に隠れてしまった。
残念だったね!
・八ワレ4(メス、白ミケの子、25年4月生れ、非常に人懐こい、子犬のようにじゃれついてくる):
午前、俺が海(うみ)をつれて家に入ろうとしたら、いつものようにドアーの開く音を聞いた八ワレ4が離れからダッシュして来た。
しかし、海を見た瞬間フリーズしてしまった。
海がしっぽをふりながら(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとしたら、秒速で離れに隠れてしまった。ハハハ。
・茶トラ2(メス、白ミケの子、23年4月生れ、ツンデレ、美猫姉妹の妹、生後2ヶ月から俺と最も仲がいい)。
午前、俺が海(うみ)をつれて家に入ったら、茶トラ2がいつものようにゆっくりドアーから入ってきた。しかし、海を見た瞬間1ミリも逃げずに睨みつけていた。
海がしっぽをふりながら(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとしたら、更に茶トラ2が強く睨みつけたので、気合負けした海はそれ以上近づけずタジタジと引き下がった。
おー、怖いねー!
・八ワレ2(オス、黒ミケの子、23年10月生れ、のんびり屋、誰とも争わない)。
午前、俺が自宅でブログを書いていたら、八ワレ2が海側の窓から入ってきた。しかし、丘側のドアー横のキャットタワーの1階で寝ている海に気づいて、すぐに窓の外まで出てしまった。
仕方ないので猫用のエサを1皿だけ窓まで持って行き、彼にあたえた。 
海がしっぽをふりながら(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとしたら、エサを半分残してサっと去っていった。ハハハ。
彼はうちに来るのら猫たちの中で、最後のオスになった。他のオスたちは皆旅立って行った。
<2日目>
・茶トラ2
午前、海(うみ)と御嶽公園を散歩した後、俺が海をつれて家への歩道を下ろうとしたら、茶トラ2が歩道に寝転んでいた。
彼女は海を見ても1ミリも動こうとはせず、悠然と無視していた。
海がしっぽをふりながら(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとしたら、海をキっと睨みつけていた。 
それでも近づこうとする海に対し、彼女は「シャー」と威嚇していた。
気合負けした海はそれ以上近づけずタジタジと引き下がった。
友達になるには、もう少し時間がかかりそうだねー! ハハハ。
・さび2(メス、白ミケの子、25年4月生れ、顔半分だけ茶トラ柄、非常に警戒心が強い、ツンデレ)。
海が来てからこの2日間全くエサを食べに来ないし姿をみせない。多分警戒して、離れの中に籠っているのかもしれない。
仕方ないので、離れにエサを1皿だけ設置する事にした。エサを離れに置いて合図したら、オズオズとさび2と八ワレ4が出てきた。 
夕方もう一度見に行ったら、エサは完食されていた。よかった、よかった。
<3日目>
・黒ミケ(メス、まゆげの子、22年春生れ、甘え上手、まゆげ亡き後、この一帯の女ボス?)。
毎晩俺が仕事から戻ると、駐車場の手前の十字路で黒みけが座っている。彼女は夜にだけうちにやって来て、エサを食べると長居はせずにササっと出て行く。
この日もうちにやって来た黒みけに対し、海がしっぽをふって(遊んでもらえると勘違いして)近づこうとした。
鼻先が10cm近くまで海が近寄った時、それまで無関心を装っていた黒みけが突然「シャー」と発声し、同時にぬるーい猫パンチを一発かました。
幸い、ギリギリのところで海の鼻先をかすめただけだったが、海は驚いて後ろに下がっていた。おー、危なかったな!
なかなか、遊び相手が見つからないで寂しがった海は、代わりに過剰に俺にじゃれついて来る。
もう少し時間をかけて頑張ったら、あねご(メスの猫)たちにかまってもらえる、かもな。ハハハ。
