捨て犬の話?

 9月下旬、俺は「捨て犬の話」を本で読んで感動した。

 

本の名前は

「捨て犬未来に教わった27の大切な事」だ。

 

 

宮古島図書館の入口に展示してあったのが目について、

最近「猫」の関係の本ばかり5, 6冊借りたので、

 

 

 

たまには犬のもいいかな、と思いなんとなく借りた。

 

この本の主人公「未来」は、

人間によって右目に大ケガを負わされ、右後ろ脚も足首から下が切断。左後ろ脚も指から先が全部切り取られて、捨てられ、動物愛護管理センターに収容され。1週間後にガスによる殺処分が決定していた。

 

 

最後まで人間を信じる事を諦めなかった子犬を見つけた麻里子さんという人がセンターから引き出して、「未来」と命名した。

 

最終的に乃子さん(著者)が引取り、未来について児童文学「命のバトンタッチ-障がいを負った犬・未来」という本を書いた事がきっかけで、全国の小中学校100校以上へ「捨て犬・未来・命の授業」を実施しておられるそうだ。

 

希望のあった小中学校で「命の授業」として「未来への虐待や殺処分された犬たち」についてや「命」について約80分間位写真を用いて説明し、最後の5分間に未来が3本足で体育館に登場し子供達と触れ合うプログラムで、

 

顕著な反応があったそうだ。

 

子供達の母親(=PTA)たちは;

「かわいそう」 と同情するか、

「どうしてそんな(殺処分施設や犬の死体の)残酷な写真を子供にみせるのか!」 と抗議してくるそうだ。

多分、障害や殺処分など「死につながる負のイメージ」を忌み嫌い、自分の「安全な生活圏」にそれらが入って来て欲しくないのかもしれない。

 

しかし、子供達は、

「未来ちゃんえらいね! すごいね! がんばってるね!」 と励ましの言葉をかけてくる、のだそうだ。

察するに、「日々の沢山の勉強・塾通い・競争・いじめ・格差・脱落など」険しい人生の真っただ中でもがき苦しんでいる自分より「こんなに辛くても、明るく元気に生きていける未来」に勇気づけられるのだろう。

 

 

この本を読んでいて、俺は突然55年前の記憶が蘇った。

 

9歳の頃俺は仔猫を殺した事があった。

正確に言うと、自宅近くで川に流されて溺れかけている仔猫を救う事ができず見殺しにした。この記憶と罪悪感はその後数年間ずっと続いていた。

 

その川は兵庫県と大阪府の県境を流れる一級河川で川幅は50m以上あった。当時はまだ一般市民レベルで「環境保護」という言葉が無かったので、地域の住民達は粗大ごみ等を平気で川べりに捨てていた。

 

5歳の頃、俺はこの川べりで遊んでいた時、一緒に付いてきた弟(当時3歳位)がトコトコと川に入って行き流されそうになっているのに気づいた。運よく、丁度ゴミを捨てに来ていた近所のおっさんが

「おいおい、危ないやろ!」 と弟のズボンのベルトを掴み引き上げて、彼を陸に戻してくれた。俺はずぶ濡れになった弟を自宅に連れ帰り、ばあちゃんにこってり叱られた。ハハハ。当時父が病に伏し、母は一人で勤めにでて、我が家は充分貧しかった。

 

4年後、9歳の俺は同じ川の同じ付近で近所の人がノラ猫の仔猫(茶トラ)1匹を川に投げ捨てたのを見かけた。

仔猫は全く泳げないようで、「ミ―、ミー」と叫びながらジタバタもがきながら流されていた。勿論俺は当時全く泳げなかったし、例え救出できたとしても貧乏がはびこる我が家では仔猫の面倒みる術など無い「無力な自分」に腹を立てていた。

仔猫がなかなか溺れずに哭き続けているのが何故か腹立たしくなり、仔猫の方へ石を投げてみたりもした。その内力尽きた茶トラ仔猫は静かに沈んでしまい。川面から消えて無くなった。

 

更に4年後、13歳の俺は同じ川の同じ付近で下校後にフナ釣りをしていた。その時、近所の子供(3歳位)が川に落ちて流されて行くのに気づいた。

当時俺は市立中学校の水泳部に所属していて、水難救助の初歩位は理解できていたので、直ぐに飛び込んで子供を救出し、周りで騒いでいた大人たちにずぶ濡れの子供を引き渡した。そして、濡れた自分の衣服を脱いで周りの雑草に広げて乾かし、再度釣りを始めた。しかし、俺が飛び込んだせいか、魚は全く連れなかった。ハハハ。

この後、俺は川で仔猫を殺した事を50年以上もの間すっかり忘れてしまっていた。

 

 

この本に書かれていた27の教訓の中で;

 

「誰かからもらった恩を別の誰かに送る事で、幸せが循環して行く?」

 

「誰かの役に立っている自分、喜んでもらえる自分が、自分に喜びや幸せを与えてくれるのではないか?」

 

と言う部分が強く問いかけて来た気がする。

 

 

あの茶トラ仔猫は、その後生まれ変わって「幸せ」になれたのだろうか??

 

 

 

◆ノミ再発?

 俺は元来犬派なのだが、離島では近所の猫たちと仲良くする事になった。

最近、仔猫たちも増えて、俺も忘れがちなので続柄をまとめてみた。

 

 

 

 8月下旬、俺は猫ノミにやられた。

 

風邪ひきで弱った茶トラ5が毎日俺のイスに上がって来て、抹茶色の座布団に座る俺の背中に引っ付いて休んでいた。

 

 

嫌な予感がしていたのだが、9月中旬に腰や太腿の辺りに蚊に咬まれたような跡が増えだした。

かゆみ止め薬を塗ってもあまり効果がない。これはやはり例の猫ノミかも。

(詳細はブログ「あこがれの離島生活(61) 離島で初の長期停電!」参照下さい)。

 

 

9月中旬、仕方ないので4ヶ月ぶりにノミ取りホイホイに電池を入れて、吸着シートも新しく装着し直した。

3日後に吸着シートを確認してみたら、意外と黒っぽい虫(ノミ)は0匹で、灰色っぽい虫が数匹捕獲されていた。

 

 

どうやら今回は猫ノミではなく、マダニかもしれない。

 

 

それからも、毎晩椅子に上がって俺の背中にひっついて眠り、必死に生きようとする病の茶トラ5を俺は拒絶する事ができなかった。

 

しかたないので、夜仔猫たちを全て外に出した後、パンツを脱いで(ダイニングにはエアコンが無くて室温が30℃を超えているので、大体俺はパンイチで過ごしている)洗面所でそのパンツを叩いて振り回して、もしかしたらしがみ付いているかも知れない根性のあるマダニを蹴落としてから、寝室に入るようにしている。

その効果か、吸着シートの虫は10匹以下で止まり、俺の咬まれた跡も5ヶ所位で留まったようだ。

 

 

同時に、茶トラ5はまだ鼻垂れ小僧状態だが、顎の下の出血も徐々に完治に向かっているようだ。

 

生きろ、茶トラ! がんばれ!