◆旧友来宅
 4月下旬、大学時代の親友D(男、60代前半、神戸在住、大手メーカー勤務、元麻雀仲間、カラオケが超得意)が俺の古民家に来た。


Dは元々宮古島が好きで去年の3月にも会社仲間と来島して、今回は奥さんと一緒にやって来た。
(詳細はブログ「終の棲家は南の島? (6) 引越後も問題続出」 参照下さい)

大学時代(1980年代前半)、俺とDは学校から少し離れた場所にある古民家を学生6人で借りて住んでいた。(あの頃まだシェアーハウスという言葉は無かった)。
その古民家は木造3階建てで、3階の屋根にはシャチホコが2匹付いた威風堂々な建物だった。
 
しかし「木造3階の部屋には消防法で人が住んではいけない」との事で、残念だが10畳ほどの天守は無人状態だった。

その頃、Dはノラ猫を1匹飼っていた。名前はタロ吉で「雄、八ワレ、1歳前後、わんぱく猫」だった。
 

毎日Dの部屋の縁側から外に出て、近所の雌猫たちの尻を追い回しているのを見て、Dや俺は
「タロ吉が、またやっとるなー、ハハハ」 と呆れていた。


1985年3月に俺とDが卒業するタイミングで、Dは後輩の学生K君にタロ吉を託し神戸で就職した。

23年3月、偶然宮古島でDと再会し、中心部にある山羊料理屋で飲みながら4年ぶりに雑談した;
旧友D 「あの時、K君にタロ吉を預けたのに、超貧乏学生だったK君はタロ吉を養えずに捨ててしもたらしい」

俺 「そうなんや」


K君は超の付く貧乏学生で、彼の貧しさは色々な伝説を作っていた。
俺は1982年に欧州放浪の一人旅の時、スペインで知り合ったプロの美容師にコツを教えてもらい、同年ドイツで買ったヘンケル製高級ハサミで帰国後は自分の髪の毛を自分で切っていた。
数ヶ月やって散髪がかなり上手になったので、古民家に住む学生達に「瓶ビール1本(約200円)」持ってくれば散髪してあげていた。
 


Dや他の3人の後輩たちは半年に1回位散髪を依頼して来るのだが、K君だけは1回も来ない。不思議に思い聞いてみたら、
「えー、僕お金がないので瓶ビールが買えないです。自分で切ります。はい」 との事だった。


数日後、授業を終えて古民家に帰った時、ボサボサ頭だったK君が遠目に見て「髪の毛がビシっと7:3に分けられている」のが見えた。
 
 
俺 「おー、K君散髪したんや?」

K君 「はい、自分でやってみました」
その時、強い風が吹いて、周りのみんなの髪の毛が乱れたのだが、K君の髪の毛だけはビシっと7:3のままを保っていた。

俺 「まさか、K君ヘヤ―ワックスで固めているなんて事は無いよな?」

K君 「いいえ、お金無いので、そんな贅沢品は買えませんです。はい」

横で聞いていたDがK君の方に歩み寄って、まじかで髪型を凝視した。
D 「おおー、そうかー分かったで!
   これは「横分け」にして7:3になってるんや無くて、前髪を7:3の位置で斜めにカットしてあるから

   風が吹いても7:3のままなんやー!!」

俺 「? 何それ??」

K君 「えー、そうです。これだと整髪料が無くても、ずっと7:3分けに見えますです。はい」

俺 「おおー! その節約の発想と、実行に移すところがすごいー!!」
俺とDはその場で腹をかかえて大笑いしたが、
 
K君は何がおかしいのか分からずに、呆けていた。


旧友D 「タロ吉、可哀そうな事をしたなー」

俺 「そやなー、わんぱくやけど、面白い奴やったなー」

今回Dが俺の古民家に来た目的は、タロ吉によく似た八ワレ1に会う為だった。
17時に宮古空港対面のショッピングモール宮古シティで集合し、焼肉の食材を買い込み、俺の愛車オープンカーで伊良部島へ移動した。

駐車場に車を置いて、家近くまで歩いていると、いつものように8匹の仔猫たちがすり寄って来た。

旧友D 「おおー、こっちに来よったでー」

俺 「いつも、こんな感じやけどな」
古民家の引き戸を開けたら、仔猫たちがサッサと室内に入っていった。

旧友D 「おおー、勝手に部屋に入りよったなー」

俺 「いつもこんな感じやからなー。ハハハ」

室内で仔猫たちにエサをやっていたら、Dが一所懸命にスマホで写真を撮っていた。
旧友D 「もしかして、こいつがタロ吉の生まれ変わりとかいう奴か?」
 

俺 「そうそう、ちょっと間抜けやけど、

    愛嬌があるやろ!」

旧友D 「ほー、膝に乗ってきよった。
   おー、更に、肩にも乗ってきよるー」

俺 「Dになついとるなー、ハハハ」

Dがタロ吉の生まれ変わり(八ワレ2)と遊んでいる間、俺はいつものように
・キャットフード、
・麦芽コッペパンをサイの目切り
・鶏ミンチのレンジ加熱、
・煮干し
を与えた。

 

次に自分達の焼肉の準備をした。
そして、Dと焼肉を食べ、ビールを飲みながら、約3時間雑談した。

旧友D 「今後この島にいつまでいるんや?」

俺 「行きたい所は大体行ったから、できればここで朽ち果てたいな」

旧友D 「それも有りかもなー」

俺 「Dは今後どうするんや?」

旧友D 「あと2年間今の会社で働いて、65歳定年の1年前に早期退職したら、

   失業保険が長くもらえるらしい」

俺 「それは、ええやんけ。俺ならそうするわ」

旧友D 「そうなんやが、嫁が反対しとる!
   『自分たちの老後が全く心配ないように、できるだけ長く働いて欲しい』みたいやで」

俺 「そやな、女は老後にあばら家で貧乏暮らししても様にならんからなー。ハハハ。
  で、Dはどうしたいんや?」

旧友D 「南の島に住んで、呆けない程度に軽く労働もして。
   余暇は魚釣りでもして、のんびり暮らしたいんやー」

学生時代、Dと俺は大学の渓流釣りクラブに所属していた。

俺 「なるほど、それやったら、伊良部島がええかもな。
  ここの窓の下に見える漁港の防波堤では年中釣り人が楽しんでるみたいやぞ」

旧友D 「おおー、ええかもなー」

俺 「ところで、嫁とは仲直りしたのか?」
10年位前にDは嫁とケンカし、それ以降NG状態だったはずだ。

旧友D 「まあ、お互い年取ったからなー。
    お茶飲み友達みたいなもんやな。ハハ」

俺 「そうなんや・・・」

21時迄、ビールを飲んで仔猫たちと戯れて、1年ぶりにDとのんびり過ごした。
 

その後、俺が予約しておいたタクシーに乗る為に2人で近くのAコープまで真っ暗の路地をLED「ランタン」の灯りを頼りに5分位歩いた。なぜか小トラが最後まで付いて来てDをお見送りして、最後はDと一緒に立ちションしていた。ハハハ。

そこから、Dは宮古島の東端にあるシギラホテルまで約40分間タクシーで移動し、車中で運転手のSさんと雑談したらしい。Sさんは23年6月に俺が宮古島の自動車教習所でタクシー免許を取った時の同期生だ。
(詳細はブログ「あこがれの離島生活 (14) 猫侵略! ハブはいないはずだが?」参照下さい)


3年後位にDが宮古島に移住してきたら、呆け防止に毎週麻雀ができるかもなー。ハハハ。



◆男同士で予行演習??
 俺は元来犬派なのだが、離島では近所の猫たちと仲良くする事になった。

最近、仔猫たちも増えて、俺も忘れがちなので続柄をまとめてみた。
 

第3グループ(23年10月生、黒みけの子供、4匹)の仔猫たちは最近どんどん成長している。
第1グループ(23年5月生、白みけの子供、4匹)と比べても体長は同じ位になってきた。
 

メス1匹はもらわれて行ったので、オスばかり3匹で、毎日プロレスごっこと昼寝の繰り返しのようだ。

5月初旬、プロレスごっこをしているはずが、八ワレ2が八ワレ1の首筋に嚙みついていた。
なんだか変な態勢だなと思ってみていた。


もしかしてと思い、八ワレ2を抱き上げてみたら、こいつのチンチンの先っぽが0.5cm位出ていた。
なるほど、いつか来る「大事な日」の為に、男同士で色々練習をしているんだ!

そう言えば、去年うちの前でみかけた猫の交尾の手順は以下のような感じだった;
⦁    オスはメスの近くに待機し、お互いの臭いを共有する。
⦁    メスがオスの存在を拒否しないのを確認する。
⦁    オスは素早くメスの首筋に噛みついて、メスの動きを止める。
(!母猫が仔猫を運ぶ時に首筋を噛んで持ち上げると仔猫は動かなくなる!)

⦁    メスがお尻を上にあげてくれたら、交尾する。
⦁    オスはすぐに引き抜いて、サッサと退散する。

八ワレ1, 八ワレ2, 茶トラ3の3匹は、今はまだ仔猫だが、10月で1歳になる頃には、近所でメスたちのストーカーになるのだろうか?
(詳細は、ブログ「あこがれの離島生活 (57) 英国人登場!」を参照下さい)


ガリガリになるまで子育てに頑張るシングルマザーのメスたちに比べ、
離島のオスは気楽なもんだなー。ハハハ。