◆英国人登場!
 4月中旬、英国人の旅行者がレンタカー屋に来た。
その日は朝から俺とSさんは貸出予定車両の洗車をしていた。その時、ホテル受付のMさん(女性、大阪出身、50歳位、子供が2人、モデル体型、関西弁が流暢)が呼びに来てくれた;

Mさん 「あのー、レンタカーのお客さん来てはるでー」

Sさん 「はい、今行きます」 入口近くにいたので反射的に答えた。

Mさん 「ちゃうちゃう、もう一人のー」

俺 「?? 私ですか?」

Mさん 「そう、ガイジンさんやから」

俺 「了解です」

俺がホテルのロビーに戻ると、白人の男女2名が待っていた。
Aさん(男、英国人、40代前半、英国在住、大柄、茶髪、無精ひげ、郊外の広い敷地で犬を飼っている、ダイアナ妃と同じ名字)と
  (こんな感じ)

Bさん(女性、ドイツ人、30代後半、ケルン生れ、英国在住、大柄、黒髪、色白、容姿端麗、笑顔が多い)
  (こんな感じ)
に要望を聞いてみたら以下のような内容だった;

Aさん 「本日下地島空港で予約無しにレンタカーを借りようとして、4社に「満車」と断られた」
(本当は英語がイヤで断られたのかも・・・)

Bさん 「その後ここまで30分歩いてたどり着いたのよ」 その日は気温27℃だった。

Aさん 「ここのレンタカーは空きがありますか?」

俺 「コンパクトカーなら空きがあります。1泊2日で保険込み7,500円ですが大丈夫ですか?」

Aさん 「Good! それで明日迄お願いします」

俺 「室内を洗車するので15分位待って下さい。
  ホテルのロビーを使っていいですよ」

Bさん 「でも私達は宿泊客じゃないしー・・・」
白人にしては意外に謙虚な人達だった。

俺 「ノー・プロブレムですよ。ハハハ」
離島の小さなホテルでは誰も細かい事は気にしない。

そして、2人はホテル周辺を散策した後、ロビーのソファーで待っていた。
15分後、俺が貸出手続きの書類を見せ、詳細条件を説明し、クレジットカードで決済が終わり、大柄の白人2人はコンパクトカーに乗り込んで、俺の教えた「漁港直営食堂・おーばんまい」へ海鮮丼を食べに出かけていった。

翌日、予定時刻に2人が戻って来た。
2人を送迎車で宮古空港まで送迎する間、約35分間俺と雑談していた。色々な地元情報に興味を示してくれたが、Bさんに最もウケた2つの話題は;

2番目に受けた話題: 宮古島のキャバクラ拡大:
俺 「宮古島は現在国内で注目されている観光エリアで、コロナも終わり東京・大阪等の都市部から観光客が大挙してやってきます。
  この島は沖縄県の中でも特に海が綺麗なのですが、夜に遊びに行く場所が少ないのが問題点の1つなんです」

Aさん 「なるほど、観光客は夜どこに行くのですか?」

俺 「ここ1年で『キャバ・クラ』という施設が一気に増えました。
キャバクラとは「キャバレー(舞台で演じられる寸劇や歌などを楽しんだり,ダンスに興じたりできる酒場。19世紀末にパリで誕生)」と「社交クラブ(会員制の集まり、社交・親睦団体などを指す。18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパで成立した)」の造語です」

Bさん 「ふーん? こんな離島にキャバレーやクラブがあるんだー??」

俺 「まあ・・・。
問題は、建物は増えましたが、そこで働くホステスがいないので、仕方なしに東京や大阪から若い女性達をスカウトして連れてきます」

Aさん 「ほー、それは大変だよねー」

俺 「そうですね。つまり、東京の男性達は
わざわざ宮古島まで来て、宮古島のクラブで、東京の女性達とお酒を飲んで、お金を払っているんですよ。ハハハ」

Bさん 「キャハハ。それ面白い―!」

1番受けた話題: 仔猫の癒し:
俺 「私は今漁港の近くの海の見える古民家を借りて住んでいます。
近所に野良猫が沢山いてそのうち3匹の猫がいつも来るのでエサをやる事にしました」

Aさん 「奥さんが?」

俺 「いいえ、元嫁とは離婚して一人暮らしなので、私がエサをあげてます」

Bさん 「いいじゃない! ハッピーな生活だよね」

俺 「毎日それを続けていたら、3匹の母猫達が1年間で16匹の仔猫を産んで!
今では8~9匹の仔猫達が毎日2回やってきますよ。ハハハ」

Bさん 「キャハハ! グレート!!
  私も以前離婚した時に子犬を10匹育てたわよー!!」

Aさん 「ハハ(苦笑)」
二人はまだ苗字が違うようだ。

俺 「なるほど!」
そうして、宮古空港に到着して彼らの荷物を下ろしてあげた。

Bさん 「とても楽しかった。あなたの名前を教えて」

俺 「私の名前はKです」

Bさん 「えー? Kって英語の名前じゃないの?」

俺 「Kは日本語の名前にもあります。K.タカクラやK.ワタナベ等有名な俳優もいますよ」

Bさん 「ふーん」

Aさん 「じゃあ、これを」 チップを渡そうとした。

俺 「いいえ、チップはもらえません」

Aさん 「じゃあ、オフィスのみなさんに差入れを」

俺 「そうですか。ありがとうございます」 丁寧におじきして受け取った。

Bさん 「また来たいわ!!」

Aさん 「そうだね。そして又レンタカーを借りよう!」

俺 「そうですね。近い将来に又会いましょう。よいご旅行を!」

その後俺は、空港対面にあるショッピングモールでミスタードーナッツに行き「辻利の抹茶ドーナツ」
 
を6個買ってオフィスに戻った。

オフィスに着いてて、SさんとMさんに「イギリス人からの差入れです」と伝えて渡したら、同じ質問が返ってきた。

Sさん 「イギリス人も差入れをするんですか?」

Mさん 「へー、ガイジンさんも差入れするんやー??」

俺 「ダイアナ妃と同じ名字の人なので、裕福なご家系なのかもしれませんね。ハハハ。
  ところで、Mさんは英語分かるんですか?」

Mさん 「いやー、英語なんか分かれへん」

俺 「じゃあ、彼らがレンタカーを探しているのをどうやって分かったんですか?」

Mさん 「いやー、レンタとかカーとか聞こえたしー」

その時支配人のIさん(男、40台後半、横浜出身、元大手不動産会社勤務、数年前から宮古島へ長期出張しホテル運営に挑戦)が通りかかった。
I支配人 「そうだよね。大阪の人って、ノリで英語理解するよねー。ハハハ」

Mさん 「別にー」

俺 「なるほど!」

こうやって、離島のレンタカー屋では、
皆で「英国人の差し入れ」を美味しく食べてくつろいだ。(笑)



◆男は黙ってストーカー! 
俺は元来犬派なのだが、離島では近所の猫たちと仲良くする事になった。

2月末、急に大柄な黒猫が家にやって来た。
子猫達が「よそもの」として追い払おうとしないので、多分知り合い同士なのかもしれない。俺も特に追い出さずに好きにさせておいた。
後で判明したが、この黒2は「第0グループ(2023年5月生、まゆげの子供、4匹)」の仔猫で、つまり小トラの兄だ。
 

黒2は四六時中うちの雌の仔猫たち(茶トラ1, 茶トラ2, ミケ3)の後を付いて歩く、つまり「女の尻を追っかける」状態だった。
俺の家の中で茶トラ2が昼寝している時も、ずっと横で見守っていた。
 

でも必要以上に近づこうとすると茶トラ2が「シャー」と怒鳴るので一定距離は開けているようだ。
これは人間にすると「ストーカー」というやつかな。ハハ。

うちの雄の仔猫達は少し黒2を警戒していたが、一番体格のいい白茶1(第1グループ、2023年5月生、白ミケの仔猫たち)はマザコンで臆病なので、いつも黒2に睨まれて逃げるようになっていた。
意外にも、小柄な茶トラ3(第2グループ、2023年10月生、黒ミケの仔猫たち)が黒2にケンカをふっかけたようで、茶トラ3は右目の上に名誉の負傷を負ったようだ。(1カ月後には自然治癒した)
 

小トラは兄(黒2)が怖いようで、いつもカーテンの後ろに隠れていた。
 

3月初旬、そうこうしているうちに、茶トラ2と茶トラ1の不妊手術が完了した。
2匹のレディ達は、以降雄猫たちからの誘いに全く乗らなくなり、
そして、ミケ3も行方不明(多分虹の橋を渡った?)になってしまった。
 

結局、黒2は3月末に突然うちに来なくなった。
彼はこの春は「子孫を残す使命」には成功できなかったようだ。

離島の雄も大変だなー。ハハハ。