◆イスラエル人登場

 久しぶりに外国人客から予約が来たので、休みの日をずらして俺が対応した。空港まで送迎し、英訳した「レンタカー貸渡約款や事故時の対応注意」などを読ませてから、補足説明した。 

お客様のBさん(男性、30代前半、黒髪黒瞳、大柄ではないが体型は絞ってある、物腰は穏やか、名字はロシア風、という事はアシュケナジ?)はイスラエルのテルアビブから来たそうだ。

 

 

連れの女性Cさん(30代後半、金髪碧眼、笑顔がなく、目ツキが鋭い)は英語が苦手なようで、Bさんがヘブライ語(?多分)で説明していた。

 

 

特に問題無く貸出手順が終わり、Bさんが運転して二人は宮古島方向に出かけて行った。

 

Sさんは外国人が来ると、洗車するフリをして席を外してしまう。

お見送りを終えて、俺も洗車しているSさんを手伝いに行った;

 

俺 「今回の外国人客は、イスラエル人でしたよ」

 

Sさん 「イ・イ・ イスラエルー!!」

 

俺 「すごい、反応ですね。ハハハ」

 

Sさん 「爆弾とか持ってきてるんでしょ、大丈夫なんですか??」

 

俺 「いやー、それは、アラブ側ですよ。

  Sさんは、イスラエルについてどんなイメージですか?」

 

 

 

Sさん 「全然分からないですねー・・・。

 爆弾とか戦争とかですかねー。

 一体イスラエルの人が、何しに宮古島にまで来てるんですかね?」

 

俺 「そうですね。不思議ですよね」

 

Sさん 「スパイですよ、きっと!!」

 

俺 「んー、可能性はありますね。ハハハ。

 じゃあ、返却時に聞いてみてはいかがですか?」

 (一般的な日本人の若者の認識はこんなもんか?

  いやいや、彼はオタクだから、「一般的」では無いのかも??)

 

 

Sさん 「あのねー。英語でそんな会話ができる位なら、今頃こんな離島にいませんよ、まったくー」

 

俺 「なるほど。(その自己分析は大きく間違ってはないかも)

  でも、大丈夫ですよ。中学卒業程度の英語力があれば、英会話は充分できますから」

 

Sさん 「僕、中学の頃から英語は赤点でー・・・」

 

俺 「(そっちかいっ!)

  大丈夫! 気合いで行けば、単語を並べただけでも充分通じますよ。

  きっと。ハハハ」

 

 

3日後、Bさんが予定時間ピッタリに営業所に返却に来た。

その時俺は「別のトラブル対応」の電話で立て込んでいたので、

 

Sさんに応対してもらうしかなった。

 

顔を引きつらせながらSさんが片言の英単語を駆使していた。概ね返却手続きを実施したSさんは、Bさん達2人を空港まで送迎してくれた。

電話が終わった俺は返却された車両を最終確認しておいた。

10分後Sさんが帰社した;

 

Sさん 「いやー、単語並べるだけで、意外と通じるんですねー。

  『ガソリン、レシート、プリーズ』と、

  『サンキュー、エアポート、ゴ―、サンキュー』

  で充分通じましたよ。ガハハ」 

 

俺 (嫌々ながらも実践したSさんは、とても自信がついたようだなー)

 「おおー! これで、Sさんも外国人対応要員になれますよ。

  A社長に報告しておきますね。ハハ」

 

Sさん 「いやー、それほどでもー。ガハハ」

 そう言いながら、顔がドヤっていた。

 

 

俺 「ところで、返却後の車内をチェックしましたが、特に不審なものは無かったですね」

 

Sさん 「そうですか??

どこかに爆弾とかが仕掛けられていて、次のお客さんが走り出したら爆発するとか??」

 

 

俺 「んー。もしそれが目的だとしても、彼らが狙っているお客さんが、次にどの車両に乗るかは正確に予測できないですよ」 

うちの営業所には現在約20台の貸出車両があり、ランダムにローテーションしている。

 

Sさん 「じゃあ、不特定多数の人を狙っているんですかね?」

 

俺 「アラブ側の爆弾テロではそれもありますが、イスラエルは『最先端の兵器と最強のスパイ組織』を持っているそうですから、不特定多数へのテロではなく『特定のターゲット』をピンポイントで狙うそうですよ」

 

Sさん 「ふーん、そうなんですか・・・。

ところで、イスラエル。今沢山人が死んでますよね。

 

攻撃しているハマスってなんですか?」

 

俺 「ハマスはイスラム原理主義の組織で、イランから支援されていて、

アメリカやイスラエルからは『テロ組織』と指定されているようですよ」

 

Sさん 「ふーん、どうして突然イスラエルで戦争になるんでしょうね??」

 

俺 「日本のマスコミでは報道されていませんが、イスラエルとハマスは何年も前からずっとガザ地区で領土紛争してますし、

 

アメリカはそれを承知してますよ」

 

Sさん 「そうなんですよ。米軍の空母が地中海へ向かったそうですよ。

  TVのニュースで見ました。」

 

俺 「なるほど、TVのニュースですか。

今回急に日本でも大々的に報道され始めた事が、逆に不自然かも・・・」

(ウクライナと言い、岸田さんは、どうしても『日本国民の意識を戦争モードに巻き込む』つもりのようだなー・・・)

 

Sさん 「??・・・」

 

 Sさんのような日本の若者にとっては「中東情勢」など髪の毛の先程も興味が無いんだろうなー。

 

まあ、俺も20代後半に「中東の砂漠の工場へ長期出張」に行かされる機会が無ければ、彼らと同じかー。

色々な制限で

「アパートの外で酒は絶対禁止、

 現地女性は表通りを歩かないので視界に入るのはオッサンばかり、

 現地国民は働く必要はない、

 労働はフィリピンやインドやパキスタンの外国人労働者にやらせる」

などの殺風景な砂漠の街では、

夕食後18時以降はする事が何も無くて「中東世界の歴史の本」を熟読するしかなかったからなー、ハハハ。

 

 

 

◆まゆげ出産

 今日も朝から8匹の猫がエサを食べにきた。

ふと気づくと、皿の近くに血の跡が。

 

 

全猫を見渡したら、まゆげのお尻に血が付いていた。よく見ると膨らんでいたまゆげのお腹がしぼんで元の痩せ体型に戻っていた。

きっと出産が終わったんだろうな。気のせいか、まゆげが疲れているようで元気がない。

そう言えば、黒ミケは既に出産が終わっているようだが、まだ仔猫の姿は見てないなー。

 

 

◆行政の対応

宮古島には「セーブ・アニマルズ」というNPOがあり、宮古島で野良猫に対応する避妊手術等の活動をしているそうだ。

 

現在は宮古島がメインで、伊良部島はまだ未対応と聞いた事があるのでメールで問合せしてみたら;

「今年から、行政で無料手術枠ができております。

市役所、もしくは保健所へお問い合わせください」 との回答がきた。

 

保健所に電話して聞いてみたら;

「それは市役所の生活課が担当です」と教えてくれた。

 

市役所の生活課に電話して聞いてみたら;

「猫の避妊手術には1匹5000円の補助金を出せるけど、飼い猫のみです。野良猫は対象外です」なんだそうだ。

 

おいおい、飼い猫は買主の責任で必要な対応をするんだから、「誰もかまわない野良猫こそ行政が対応を考えろよなー」。まったくー。

 

 

これでは当分、伊良部島の外猫は増え続けるんやろなー。

「猫とジュゴンの島」伊良部島かー。ハハハ。