俺は12月22日に、最寄りの郵便局で不思議な対応に驚いた。
◆背景
離婚後元嫁と一緒にカリフォルニアに移住した子供達(25歳娘と21歳息子)へ俺は毎年クリスマスプレゼントを送っている。
例年は彼女Nと一緒にヴィレッジヴァンガード(アニメ系雑貨屋)に行き、子供達が好きそうな雑貨を10個位買ってEMS(国際スピード郵便)で12月24日の10日位前に送っている。
今年は娘から、
「12月29日まで出かけてカリフォルニアにいないから、30日以降に到着して欲しい。
それと、雑貨以外に○○○○の漫画本6~10巻も送って欲しい」
との指定があった。
息子からは何も指定が来なかった。
◆事前調査
本5冊(約1kg)はEMSで送ると結構な額になるはずなので、21日に伏見区F郵便局に事前相談に行った。
ここは入口に車2台を停めるスペースがあるので、バイクに載せられない小包の荷物を送るのに便利なのだ。
窓口の係員は30歳前後で手際の良さそうな女性Aだった。
俺 「雑貨1kgと本1kgを米国へ送付したいのですが。
EMSの場合と書籍で送る場合の差を教えてもらえますか?」
係員A 「はい。EMSでまとめて送ると7,900円。
EMSと国際郵便に分けて送ると合計7,160円(雑貨をEMSで5,300円、本を国際郵便/書籍扱いで1,860円)となります」
俺 「なるほど。そんなに大差は無いんやー」
国際郵便/書籍扱いで送るとどうなるのかを試してみたいので、今年は分けて送る事にした。
俺 「EMSの送り状は手書きは禁止でPCやスマホで入力して作るんですよね。
じゃあ、国際郵便/書籍扱いの送り状はどうやって作ればいいんですか?」
係員A 「国際郵便は手書きでOKです。用紙はこれをお使い下さい」
手書きの用紙を1枚もらった。
俺 「了解です」
係員A 「16時過ぎにその日の最終便が回収に来ますので、16時迄に来局ください」
俺 「分かりました、ありがとうございます」
俺は国際郵便用のラベル用紙をもらって、自宅に帰り手書きで記入した。
◆郵便局の不思議1
22日俺は梱包を完了した小包2つを持って、愛車で15:50にF郵便局へ到着した。
俺 「EMSと国際郵便をお願いします」
係員A 「あー、昨日来られた書籍を送る方ですね。
2つの荷物を受け付けします。
国際郵便は追跡番号がありませんので宜しいですか」
俺 「はい、理解しました」
俺は2つの小包と、EMS用送り状(印字)と、
国際郵便用のラベル(手書き)を窓口に提出した。
係員A 「お預かりいたします」
俺 「料金はクレジットカードで支払います」
係員A 「はい、一括でお支払いを頂きます。
では、こちらが控えになります」
領収書とEMSの控えを受け取った。
俺 「えーっと、国際郵便の控えも下さい」
係員A 「いいえ、国際郵便には控えはありません」
俺 「えっ、無いの??
じゃあ、代わりにラベルの写真を撮っておくので、ラベルを返して下さい」
海外の郵便事情は日本ほど正確ではないので、もし紛失された時に日本から送った証拠写真を子供達に送っておきたいのだ。
係員A 「ダメです。一度お預かりした荷物は返せません」 きっぱりと言い返された。
俺 「えっ??
そうなんですか。じゃあ返さなくてもいいから、窓口の内側に置いて下さい。ガラス越しに写真を撮りますから」
係員Aは荷物とラベルをササっと後ろに隠した。
係員A 「ダメです。写真撮影も禁止です」 きっぱり。
俺 「?? 何それ?
俺が自分で手書きしたラベルを写真に撮ると、あなたに何の不都合があるの??」
係員A 「・・・。
とにかく、規則でダメなんです。
もし、写真を撮りたいのならば、一旦お預かりした小包をキャンセルして、
写真を撮ってから、ラベルを書き直して再度お支払いして下さい」 きっぱり。
俺 「??
(ラベルを書き直していたら、16時を過ぎて本日の集荷に間に合わなくなるかもな)
あのねー。私はお金を払ってサービスを買っているお客様だよ。
その『規則』の目的と必要性をちゃんと説明して下さい」
係員A 「そ・それは・・・。
とにかく規則ですから」
俺の後ろには2人の客が並んでいた。
俺 「話にならんな。
あなたの上司を呼んで、ちゃんと説明して下さい」
係員A 「お待ちください」
◆郵便局の不思議2
係員Aが奥に報告に行き、男性B(40歳前後)がでてきて名刺を差し出した。課長と書いてあった。
課長B 「お客様、申し訳ありませんが、『規則』で一度受け取ったお荷物をお返しする事はできませんし、写真も撮れないのです」
俺 「だからー。
私はお金を払ってサービスを買っているお客様だよ。
その『規則』の目的・必要性をちゃんと説明してよ。
写真を撮るとあなたに何の不都合があるの?」
課長B 「切手の代わりに小包に貼られた『証紙』は写真に撮ってはいけないんですよ」 答えながらどや顔してた。
俺 「?? 何言ってんの?
俺が写真に撮りたいのは手書きのラベルやで。小包も証紙も撮る必要は無い!」
課長B 「えっ、そうだったんですか・・・(冷汗)。
それに、国際郵便では追跡番号は付かないと係員から説明したはずですが」
俺 「確かに『追跡番号は無い』とは聞いたけど、『お客様控えがもらえない』とは聞いていないで」
俺 「うっ・・・。
では中央郵便局の相談窓口に確認しますので少しお待ちください」
俺 「最初からそう言ってるやろ、まったくー・・・」
課長Bは奥に戻り、電話で誰かに相談し始めた。
10分間ほど電話越しに色々と説明をしていた。その後、別の所にも電話で相談しているようだった。
合計20分間以上待たされて、ようやく課長Bが戻ってきた。
課長B 「大変お待たせ致しました。
相談窓口に確認したのですが、とにかく『規則』でラベルの写真撮影もダメなのです」
俺 「だからー。ラベルの写真を撮ると何が不都合があるのかを聞いてるんでしょうが」 結局誰も『その規則』の存在意義は知らないのかい??
課長B 「いやー・・・。
どうしても撮影が必要な場合は、一旦キャンセルして頂き、撮影後に同じラベルで再度受付をさせて頂きますので」
俺 「えっ、同じラベルで受付できるの?
じゃあ、書き直さなくてもいいんや。
さっき係員さんは『書き直し』すると言ってたけど・・・」
課長B 「はー。それは、まー・・・」
俺 「書き直ししなくてもいいならば、はじめからキャンセルにしてたで。
それならば30分間以上待たされる事もなかったのにな」 早く言ってよー。
課長B 「はい、申し訳ありませんでした」(冷汗)
俺 「じゃあ、早くキャンセルして下さい」
係員Aがやってきて、黙々と小包2個分のキャンセル処理を始めた。一言も謝罪はなかった。
俺 「EMSは撮影しなくていいから、国際郵便だけキャンセルして下さい」
係員A 「2つまとめてクレジットカードでお支払いされたので、一旦全てキャンセルする必要があります」
俺 「はー、そうなんですか」 めどくさいー。
その時別の係員Cが小包4個を台車に乗せて奥から出て来た。
多分これが京都中央郵便局へ送る為に本日最終集荷されるものだろう。
俺 「今日の集荷に間に合うんですよね??」 不安になって確認した。
課長B 「はい、大丈夫です」
全てのキャンセル処理が終わり、2つの小包とEMS送り状と国際郵便のラベルが戻って来た。
俺はすぐに国際郵便のラベルの写真を撮った。
ラベルの1頁目の右下には確かに「ご依頼主様控え」と書いてあった。
俺 「ここにちゃんと『お客様控え』と書いてあるよね。だから私はこの頁は返してもらえると理解していたんだけど」 納得がいかないので再度確認してみた。
課長B 「はい、そうですね。申し訳ありませんです。
しかしこの頁は実際にはお客様にはお返しせず、当局にてシュレッダーで処分させて頂く『規則』になっておりまして・・・」
俺 「はー?? 何それ??
じゃあ、それを先に言ってよ」
課長B 「はー、説明不足で申し訳ありませんでした」
この後俺は再度2つの小包とEMS送り状と(書き直ししていない)国際郵便ラベルを窓口の係員Aに渡し、クレジットカードで2度目の支払いを行った。
時計は既に16:35になっていた。
係員A 「はい、これで受付を完了しました」
俺 「結局本日の集荷には間に合うんですね?」 念の為確認した。
課長B 「はい、大丈夫です」
◆郵便局の不思議3
最後に、奥から50歳前後の男性Dがやってきて名刺を差し出した。局長と書いてあった。
局長D 「色々ご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした」 言葉は丁寧だが、「心では悪いとは思っていない」のが表情に出ていた。
俺 「なんとか集荷に間に合ったからいいけど、全くー・・・」
局長D 「はい、色々と規則がありましてー・・・」
自分ではその『規則』の意義も説明できないくせに、何でも『規則』と言えば片づくと思っている姿勢に俺はイラっときた。
俺 「あのねー・・・。
一言いわせてもらっていいですか」
局長D 「はー?」
俺 「あなた達はもう役人じゃないんや。
サービスを売る一般企業なんだから、
客をこんなに不愉快にさせるような事は許されないだろ!!」
局長D 「はー??」
ダメだ。全然理解できてないようなので、俺は呆れてF郵便局を出た。
例えば、
・JRの特急列車で一定時間以上遅れたら特急料金は返金されるし、
・Amazonで指定時間に荷物が届かずに客を待たせたら返品できる。
お客様にサービスを売るという事はそう言う事だろ!!
2007年日本郵政公社から分割民営化された「日本郵便株式会社」さんよ。
やれやれだぜ。