先週、留学生時代の同級生Wと8ケ月ぶりにランチミーティングした。


◆背景:
 Wは34才、日本人、長身イケメン、大阪在住、中堅不動産会社の御曹司、
2010年9月に上海トップの復旦大学の「語学留学生コース」に俺が留学した時の同級生だ。


当時Wは、22才、「アニメオタク・マザコン・ロリコン・童貞・引きこもり」の5冠王だった。
留学生仲間4人(日本人N 36才、フランス人J 34才、中国人Z 22才、日本人U 19才)と俺(当時50才)の5人で「Wに彼女を作らせる作戦」の為に色々なイベントを企画していた。

留学生コース卒業後、Wは日本に帰国して大手不動産会社に就職し3年間修行した。4年目に円満退社して父の中堅不動産会社に途中入社した。

帰国してからの12年で、Wは恋愛関係について頻繁に俺に相談してくれた。理由は、
「父(俺より1才上)には恋愛の相談は恥ずかしくてできない。
 同級生はまだ子供だから経験やアドバイス力が足りない。
 猪田さんには両方があるから、丁度相談しやすい」 との事だった。


◆プロポーズの手順:
 Wが予約してくれた「がんこ寿司大阪本店」で鰻蒸籠蒸し&天ぷらを食いながら、

Wからの相談内容を聞いた。


W 「実は、僕年内に結婚する事にしたんですよ。ヘヘヘ」
猪田 「おおー、それはよかったですね。(パチパチ)
   ところで誰と結婚するんですか?」
W 「相手は、26才、宝塚市出身、一人娘、性格はおっとり、化粧・髪型はナチュラル系、

  人材紹介会社の営業職勤務、父は医師、母は仕切り屋タイプだそうです」
猪田 「おおー、よさそうですね。

  おめでとうございます」
W 「まあまあ。
  まだ決定ではなく内定なんですが」
猪田 「??内定?」
W 「7月にプロポーズする予定なんですよ。ヘヘヘ」
猪田 「でも、LineでWさんから『結婚予定』と受信したのは、3月だったのでは?」
W 「そうです、あの後彼女に『指輪を買いに行こう』と言って、

  彼女の好きなデザインの婚約指輪を買ったんですよ」
猪田 「えっ、それって既にプロポーズなんでは?」
W 「いやいや。プロポーズの時は片膝着いて、指輪ケースをパカっとするのが必要ですから。
  もし僕が選んだ指輪のデザインを彼女が気に入らなかったら、

  その後困るでしょ」 どや顔だった。
猪田 「確かにそうですよね・・・。
  それだと、女性から見てだんだん雰囲気が盛り上がった時に、

  『突然プロポーズされる』サプライズが味わえないのでは?

  Wさんの同級生達もその手順なんですか?」
W 「まあまあ、今時の若者はこんな感じですよ」
猪田 「何かの本で読みましたが、宝飾店でダミーの指輪を貸してもらい、

  プロポーズの時にダミーでパカっとやって。
  その後彼女と店で選びなおして気に入るデザインの指輪を購入する、

  というのもあるようですね」
W 「大丈夫です。彼女もこれで納得してくれてるますよ。
  でも指輪買ってからプロポーズまで2ヶ月以上あるので、

  ちょっと中だるみですけどねー。ハハハ」

猪田 「なるほど。我々の時代は、
  『先ず言葉でプロポーズ(サプライズ重視) →指輪を買う →親に挨拶 →挙式』
  の手順でしたが、今時は
  『先ず指輪を買う(デザイン重視) →指輪パカしながら言葉でプロポーズ →親に挨拶 →挙式』
  の手順なんですね」
W 「そうなんですよ」 またどや顔してた。


この後、頑固寿司でのランチを終えて近くのDrip-Xカフェに移動し、Wへのアドバイスを続けた。



◆父親の気持ち:
猪田 「彼女の両親にはもう会ったんですか?」
W 「彼女の要望で母親には既に会いましたが、
   『父親は確実に決まってからにしたい』との事なので、まだ会っていません」
   彼女の家では大体の事は母親が仕切るんだそうです」
猪田 「なるほど。じゃあ、7月以降に先方宅を訪問し、
  例の『娘さんを下さい』をやるんですね?」
W 「いやー、それは、ちょっとやりたく無いですねー・・・」
猪田 「いやいや、1回だけなんだからきちっとやっておいた方が後々いいですよ」
W 「そうなんですかー?
   そんなん、別にやらなくても、いいじゃないですか??」
猪田 「ダメですよ。

  一人娘の父親は、『娘を盗られた』と思い込んでいますからね。
   ここで『お許しを乞う低姿勢』を示しておかないと、

  その後何十年も嫌われますよ。ハハハ」
W 「ふーん、そう言うもんなんですか・・・」
猪田 「そうですよ。

  私の予定では、もし娘(今25才)が将来恋人を連れてきて『娘さんを下さい』とやったら、
  必ず1回目は『ダメだ』と拒否する予定です」
W 「えー、なんでですか?」
猪田 「本気度のテストですよ。
  それにもめげず、男が2回目に会いに来たら、
  こっちから頭を下げて『娘を宜しくお願いします』と言いますけどね。ハハハ」
W 「そう言うもんですかねー。
  僕は子供は嫌いだから要らないですよ」
猪田 「いやいや。そう言っていた奴が、自分に娘が産まれた途端に
   『うちの娘が世界で一番可愛い。この子は誰にも嫁にやらんぞー』
   とかに変わるんですよ。ハハハ」
W 「いやー、
   子供は当面作らないつもりですけどね。ハハ」
猪田 「Wさんに、娘ができた時にもう同じ質問を一度聞きますよ。ハハハ」
こうしてWとのランチミーティング計3時間が終わった。


◆今時の若者の気持ち:
 今週も俺は2回あらい鍼灸接骨院に整体治療に行った。
配送ドライバーの仕事を始めてから、毎日5便で1箱10kgx3箱程度の重量物x5軒程度を持つ為か、

俺は「右肩の五十肩が悪化」している。


 

赤外線で患部を温めてもらっている時、

女性鍼灸師のKさん(24才、独身、最近彼氏ができたばかり)と雑談しながら女性の意見を聞いてみた。

猪田 「もしKさんがプロポーズされる時には、
  A.『先ず言葉でプロポーズ →指輪を買う →親に挨拶 →挙式』
  B.『先ず指輪を買う →指輪パカしながら言葉でプロポーズ →親に挨拶 →挙式』
のどっちがいいと思いますか?
K鍼灸師 「勿論、Aだと思いますよ。Bだとサプライズが無いじゃないですか」
猪田 「そうですよねー。
   でも彼がくれた婚約指輪のデザインが自分の理想と違っていたら困りませんか?」
K鍼灸師 「大丈夫です。
  彼が一生懸命選んでくれたものならば、どんなデザインでも嬉しいです」
猪田 「なるほど。ご意見ありがとうございました」

 

 

若い人の中にも色々な意見はあるようだ。

Wの場合、「彼女がそれで納得している」ようだから大丈夫だろう、多分。